任天堂はスプラトゥーン3をパーティーゲームにしたかったのか?いや、違う。
こんにちは、もそししです。
ここ数日、スプラトゥーン3の制作方針についてのプレイヤー間での意見の出し合いが盛んにあり、私なりに思ったことがあったので文章にまとめてみたいと思います。
本来出典を記載したほうが解りやすい部分もありますが、この記事は正しさや情報の正確性がメインの物ではなく、読んでいただいている方に新たな視野から本問題を考えていただきたく書いております。
何卒、ご容赦ください。
まずはじめに
まず、今回の話の要点を独断と偏見で解釈し、まとめてみます。
スプラトゥーン3がパーティーゲームと謂われる要因(切っ掛けとなったものも含め)は
前作に比べラグが増えた。
アップデートの頻度(+OP(オーバーパワー)要素を生み出した。)
ステージ構造が大きく変化した。
の3つであると考えています。(スプラトゥーン"3"だけに)
事項ではそれぞれについて解説をしていきます。
前作に比べラグが増えた。
まず、ラグ(と呼ばれるもの)についてですが技術的な話になると筆者は門外漢であるため主だった現象とそれの原因について考えたいと思います。
理不尽な倒され方をする。
プレイヤー間で主に謂われるラグは「壁の裏に隠れたにも関わらず隠れた後相手の攻撃を受け倒される。」「相手の攻撃があれば引こうと身構えていたにも関わらず、想定よりも遥かに速いダメージ蓄積を受け倒される。」などの理不尽な倒され方をするというものです。
また、スペシャルウエポンのダメージを与えたにも関わらず相手を倒せず、返り討ちにあった際も通信関係の不具合が原因と考えられラグと呼称される事もあるようです。
通信エラーの頻発。
これは本稿の「ラグ」とは少し毛色の違う話ではありますが発売当初、多数のプレイヤーが頻繁な通信エラーによりゲームの中断を余儀なくされる事が確認され、糾弾の的となることがありました。
この通信関係の不満も「ラグ」へのヘイトを増長させる要因と考えています。
アップデートの頻度。
スプラトゥーン3は3ヶ月のシーズン制を打ち出したことで前作と比べ、武器パラメーターの調整や新規の追加要素の頻度が少なくなり、1~2ヶ月に1度の調整頻度でまもなく発売から1年を迎えようとしています。
エンドコンテンツであるXマッチを遊ぶユーザーは更新に対しての感度が高く、特出して強化されたOP要素があれば瞬く間に広がる事から、対戦環境を席巻した要素を素早く弱体化させ多様性を確保してほしいとの要望があるようです。
また、初期に実装されたブキの一部については初期から変わらずOP要素であることから出る杭は打ち、様々なブキに可能性をもたせることで環境の変化、ないしは様々なブキが上位の戦いで活躍するような調整を望む声も見られます。
ステージ構造が大きく変化した。
スプラトゥーン3では主戦場となるステージ中央付近と自軍敵軍の復活地点との間に関所となる場所、所謂チョークポイントが存在するため正面からの押し合いとなり前作にあった周囲を迂回することで相手を包囲していくような戦い方や、大きく裏をかき相手をかき乱していく戦い方を望むプレイヤーからは「単調な撃ち合いのゲームを強いられる」「長射程から一方的に狙われ続ける」等の声があり、これが総じてスプラトゥーン3のステージ構造は戦略性に乏しいと称されているように感じます。
本題
上記事象についてプレイヤー間でスプラトゥーン3は対戦を主とするプレイヤーに対して、また、レート戦やユーザー大会で上位を目指すプレイヤーをおざなりにした作品なのではないかという事が囁かれ、それに対抗する意見として出たのはスプラトゥーンは老若男女幅広い層(所謂ライト層)が対戦要素以外も楽しめるように作られており、一部コアユーザーがそれを批判するのは間違っているというものでした。
実際、開発者インタビューでは幅広い遊び方を望んで対戦要素以外にも注力したという旨の記載があったと筆者は記憶しています。
しかし、上記のラグ、調整の頻度、ステージ構造の問題はライト層受けを狙ったと断定できるでしょうか?
下に記すプレイヤー間の意見に関して、私自身も同意するところはあるのですが、それらは飽くまで1プレイヤーの推測の域を出ません。(もちろんこれから私の書く意見も含めてです。)
ということで私自身は別の角度からそれらの問題について考えてみたいと思います。
ラグについて
ライト層に寄せた結果のラグなのか?
ラグの問題でヘイトが高まったプレイヤー間では
スプラトゥーン3のラグは「通信環境の整備が不十分なライト層」が高品質とは言えない通信環境でもゲームプレイへの影響を少なくするため、プレイヤー側が原因の通信遅延に対して多少許容する用に作ったことが原因と言われたり、開発の際ライト層に向けての他要素(各種収集要素、ヒーローモード等)にリソースを割くため、対戦用の通信への開発をおざなりにした結果であるなどの意見が見られます。
それに対して私の思うラグ問題の正体は「スプラトゥーン3の全世界でのシューティングゲームとしての地位確立」であると考えます。
国際化に向けて。
スプラトゥーン3のエンドコンテンツ「Xマッチ」ではシーズン初めに参加する際、ヤコかアロメから参加グループを選ぶことが出来ます。
ヤコとアロメはそれぞれ太平洋を隔てた国々のグループから成り立っており、日本・韓国・オーストラリア等からなるヤコとアメリカ大陸各国・ヨーロッパ諸国からなるアロメで別れています。
スプラトゥーン2の発売当初、国を跨いで日本代表と欧米代表が戦うエキシビジョンマッチが開催されました。
しかし、それ以降はどうでしょうか?日本と海外の交流は活発とは言えず、海外のプレイヤーが日本のユーザー大会に出場する事(またはその逆)こそありましたが国際的なコンテンツとして盛り上がった節は無いように思えます。
国を挟んで対戦した場合、物理的な距離による通信遅延によって国内の対戦では見られない挙動が多発し、プレイヤー同士の不満が生まれることは必至です。
国を隔てたプレイヤー間で対戦が成立しなければ交流以前の問題ですので、物理的な距離による深刻なラグこそが国際交流が盛んではなかった要因の一つと言えます。
物理的な距離がある以上、根本的な解決とは言えませんが、今作は通信環境の影響度をなるべく下げること多種多様なプレイヤーが"対戦"を楽しめるようにしたものであるとも考えられないでしょうか?
そして、その根拠となるのがプレイヤー自身が「参加する対戦グループを選べるようになっている」ということです。
日本のプレイヤーが海外に、海外のプレイヤーが日本の環境でプレイしたとしてもゲームが成立するラインを求めた結果、視覚情報と結果が食い違う場面に不快感を覚えないプレイヤーは多数居るのは事実です。
しかし、国境を超えてプレイヤー間の対戦やそれを取り巻くコミュニティで盛り上がって欲しいという意図があったとすればそれは「対戦を主としないライト層」に寄せた、対戦をおざなりにした結果で無いと言えます。
不具合
スプラトゥーン3では前作からゲームエンジンが一新されたとの推測、噂があります。
その結果起こった不具合や前作と同じ見かけにも関わらず異なる挙動をする所謂仕様変更が、上記の通信環境に対する許容度の高さと相まってプレイヤーのヘイトを高めたという意見は否めません。
重なるアップデートで不具合や仕様を前作に近づける工夫など、2を楽しんだプレイヤーも救済するような動きがあるのも事実ですので、コア層をおざなりにしていると一蹴せず、前向きにアップデートを楽しんでいきたいと私は考えます。
アプデについて
アップデートや調整の方針で主にライト層に寄せたと謳われるのは、今作が前作と比べ
頻度が少ない→コア層の環境変化の速さにアップデートが追いついていない。
変化が少ない→対戦を盛り上げることに注力をしていない。
OP要素の排除が出来ていない→ライト層に寄せた結果上位帯でOP要素が生まれている。
などと捉えられている印象を受けました。
比較
頻度や変化量を前作と今作を比較してみると
前作
今作
を見るに、アップデート頻度に関しては
前作:1ヶ月に一回
今作:3ヶ月で二回
とそこまで大きな違いはないものの
変化量を見ると前作は多種多様なブキやサブ・スペシャルウェポンが実装初期と比較して大きく変化していることが確認できる。
OP要素は前作では初期のヒッセンや、その後台頭したジェットパックやイカスフィア、その後もOP要素が次のアップデートでは大幅なメインウェポンの性能の弱体化やスペシャルポイントの増加など、OP要素を徹底して排除する一面と、ハイパープレッサーを初めとする一部のOP要素は長らく微調整で様子を見るなど、徹底的とは言えないもののOP要素を積極的に排除する面を確認できました。
それと比較して今作ではOPとされたスクリュースロッシャーやカニタンクの修正内容も前作ほどの大きな修正ではなく、サブウェポンの性能弱化や操作性の変化などで対処している印象を受けます。
この違いを受けて
上記の比較を受けて、前作の方が対戦環境を変化させる熱量が高かったと思うプレイヤーが居ることは不思議ではありません。
しかしながら私自身スプラトゥーン無印、スプラトゥーン2を発売当初からプレイしてきた上で前作の当初を思い返すと
無印でOPと謂われたバケットスロッシャーの後継種ともいえるヒッセンが暴れ続け
前作で使用していたメインウェポンが発売から3ヶ月でようやく実装されたプレイヤーがおり(ロングブラスター)
対戦に関わるダメージの部分や塗りのプレイヤーへの影響度が大幅に変更され
特筆して塗りが強いわけではないにも関わらず、SPPを230をにされたブキがあり(実装から2ヶ月で変更されその後、半年間)
などなど、当時が今作と比べてユーザーから好評であったとは言い難く、重なるアップデートで徐々に改善したこと、前作発売から3年間は大きく変化し続けたことを踏まえると、今作のアップデートの変化量の少なさは前作5年間の堆積によって不用意に触れない領域が生まれたという見方も出来るはずです。
もちろん、発売当初からのアップデートで目立っていた不具合、バグの修正が対戦要素の調整へのリソースを減らし、ユーザー心理を悪化させていた可能性もありますが、アップデートの頻度や変化量だけで開発に対する取り組み方や開発方針を糾弾するにはいささか根拠が不十分ではないでしょうか?
ステージについて
今作発売当初に実装されていた、「ヤガラ市場」や「マサバ海峡大橋」などは裏取りルートが少なく、視認性が高いことで戦略性に乏しく、スプラトゥーン3はライト層向けのゲームとなったという意見についてです。
これについて、ステージ自体を紐解いて解説をするとなると記事一本分になりかねないので、本記事では要点を掻い摘んで考えてみたいと思います。
競技性とは?競技性が高いゲームは競技足り得るのか?
今作の初期ステージが概ね中央での押し合いが多くなる構造という意見は私も概ね同意であり、今作が中央で派手な戦いが繰り広げられるのに対して、前作では左右のルートを使って陣地を広げていくことでステージ全体のどこから相手を攻め崩すか、崩されるかといった戦いが多く見られました。
前作のステージではプレイヤーの位置取りに無数の可能性があり、戦局も有利不利が明確ではなくグレーな時間が多くなる事を戦略性が高いと呼称することもある意味では真だと思います。
しかし、戦局の白黒がつけにくいグレーな時間(攻勢に出て返り討ちにあった場合戦局が一気に悪化するためお互いに仕掛けるタイミングを見計らった結果生まれる)が多い場合、対戦者のレベルによっては意図してない位置取りが有利不利に作用して自身の活躍がどう対戦に影響したか実感しづらく、また、それを観戦した際に観客が盛り上がるポイントが少ない、派手なデスやキルが少なく1対多数のクラッチ(不利な状況からの逆転)が起きにくいなど、興行として物足りなくなる事も同時に起こります。
スプラトゥーン3のステージ郡は対戦をメインに遊ばないライト層に向けたステージ作りなのではなく、ライト層に対戦の楽しさをわかってもらう、ライト層を対戦ゲームに取り込むためのステージと考えることは出来ないでしょうか?
その根拠となる!と言い切れるわけではないですが、Ver.2.0.0で実装された「ヒラメが丘団地」やVer.3.0.0で実装された「マンタマリア号」そして次回アップデートで実装予定の「コンブトラック」などアップデートを重ねるごとに裏取りや位置取りの柔軟性が高いステージが実装されています。
ゲームというものが自身の内側だけで完結していた層が対戦の楽しさを知ればそれは競技シーンが盛り上がる、つまりスプラトゥーン3というコンテンツ自体の広義での競技性を上げることに繋がると私は考えました。
最後に
この記事自体も、他の方の意見と同じように飽くまでも開発の意図への推測でしかありません。
なにかと"良い""悪い"の二元論で考えがちな我々ですが、心の何処かには3つ目4つ目の角度からの見方や考え方を持って、なるべく自分自身が楽しくなるようにスプラトゥーンを考えられたら良いなと思います。
とても長い記事になりましたが最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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