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2014年1月 初めて流星を撮った日

 初めての星撮影から3年が経ち、また熊本の海にいました。以前とは違い、今回は流星を捉えるのが明確な目的です。しかし、いったいどうすれば写せるのかはよくわかっていませんでした。

 撮影を開始したのは午前4:25。まだまだ眠く、一番冷え込んでくる時間帯でもあります。この年は半月よりちょっと太った月齢21の月が夜中ずっと出ていたので、流星観察にはあまり向いていなかったようです。なぜわざわざこの時間帯を選んだかは覚えていません。

 月明かりを避けてカメラを北に向けると、北斗七星がよく見えました。たまたまそこにあった銅像と構図を作りとりあえず一枚。

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Nikon D300s + 24mm f2.8
(f2.8、露光時間5秒、ISO6400)

 構図的には悪くない気がしました。流星はいつ流れるか予想ができないので、なるべくシャッターを開ける時間を長くしてたくさん撮るしかないと思い、露光時間最大値の30秒にセット、連写モードにしてレリーズケーブルを使いシャッターをロックしました。使用したカメラは連写モードだと100枚撮影された時点で撮影が終了します。約3000秒、自動でカメラに撮ってもらいました。
 撮影の間は寝転がって夜空を見続けます。たまに流れる流星にココロの中で「おーっ!」となります。しかし、寒い。なにせ寒い。ダウンジャケットを着て、準備万端で来たつもりでしたが、地面にも熱を奪われて体がどんどん冷えていきました。寝転がるためのマットや温かい飲み物が必要なことを痛感しました。最期の一枚が撮り終わったのが5:22。寒さに耐えきれず、そそくさと撤収したのを覚えています。

 さて流星は写っているでしょうか。肉眼ではいくつか見ることができましたが、画角に入っているかは写真を確認するまでわかりません。一枚づつ画像を送っていきます。

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Nikon D300s + 24mm f2.8
(f2.8、露光時間30秒、ISO3200)

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 Nikon D300s + 24mm f2.8
(f2.8、露光時間30秒、ISO3200)

 100枚中、流星は2枚写っていました。しかし、どちらも薄雲がかぶってしまい、残念ながら満足な写真は撮れませんでした。と思いきや、構図を決めるために試し撮りした一枚に偶然にも流星が写り込んでいて、これがこの日のベストショットとなりました。つまり1時間近くも寒さに耐える必要はなかったということです・・・。

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Nikon D300s + 24mm f2.8
(f4、露光時間30秒、ISO3200)

 流星群とは彗星や小惑星が地球の軌道上に残したチリが大気圏に触れることで、燃えているのだそうです。そう考えると、彗星という宇宙の旅人が光り輝くお土産を私達に届けてくれているようにも思えます。

 寒い中せっかく100枚撮ったからには、動画にしてみたくなるものです。星の動き方や雲の流れがよく分かって面白いですね。

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 さらに、星の動きを繋げて作りたくなるのが次の写真です。

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Nikon D300s + 24mm f2.8
(f4、露光時間30秒、ISO3200、100枚比較明合成)

 星の動きを一枚に表現することで、時の流れが感じられる気がします。この手前の銅像、実は勝海舟。私の好きな幕末の志士の一人です。彼が生きた時代の時の流れは、今私達が生きる現代とは違って感じたのかもしれません。そんなことを考える1枚になりました。

 この頃は、星の写真というよりもモータースポーツや鉄道写真を主に撮っていたように思います。特に鉄道写真家の中井精也さんの写真が好きでした。そして、その中井さんの代表作の撮影地となった千葉のローカル線にいつか行ってみたいと思うようになっていました。次回はその踏切で星撮影をした話です。

   

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