【詩.12】とある人間の天使・悪魔
イライラが募り、爆発しそうな時
震える手を制御しながら
パントリーを漁りまくる
何か食べもの
冷蔵庫にないか?
何か食べもの
恵まれた時代、国
恩恵を十二分に享受しておきながら
この体たらくはなんだ
理性という名の天使が己に説教をする
それを欲望という名の悪魔がぷつりと握りつぶす
苦しいだろ
つらいよな
食べろよ
楽になるからな
お前な、太るだけだろう まぬけが
いささか口の悪くなった天使がいつの間にかケロリと生き返り、正論で諭す
そして私はモリモリ食す
天使と悪魔が目を点にするくらいの勢いで消費して
次いで、欲に負けた自分
既に空の包装紙に悲しくなって、
バカだなー
と呟く
呟くだけ呟いて
すぐに開き直り忘却し、趣味に浸るべくいそいそと準備をはじめる
天使も、悪魔すらも心配そうに
運動はしろよな
と、ただぽそりと吐き捨てるのみであった
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