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日記:3/13 衛府の七忍 読み終えて見える景色

こんにちは。
今日は怠い。疲労が蓄積している実感がある。

先日、山口貴由先生の漫画「衛府の七忍」を読み終えたわけだが、あまりにも面白すぎて毎日衛府の七忍のことを考えている。

自分が好きなのは谷衛成(たに これなり)/霓鬼(げいき)というキャラクターだ。

谷は凄い。この漫画は、宮本武蔵とか、柳生宗矩とか、沖田総司を始めとして、古今東西の剣豪がジャンジャン出てくるので剣術に関しては相当インフレしているのだが、その最後に出てきて、恐らく史実上はかなりマイナーな方であるにも関わらず、「剣術で」鮮烈なインパクトを残してくる。

谷衛成、もとい谷一族は、史実に残されている侍で、偉い人の保有する刀剣(特に宝剣)の切れ味を確認する御試役という専門職を生業にしていたらしい。
劇中からも読み取れることだが、偉い人のステータスたる刀剣を扱う都合上、どうやらただ切れ味を確認して終わりというわけにはいかず、刀を損なわない技量と、試刀術のパフォーマンス性が重視されていたようなのである。

なので作中、特に沖田総司との決闘では、ほぼ曲芸の域とも言える刀の絶技を披露しなんども窮地へ追い詰める。

ただ、まあ、ほぼ曲芸なので、実戦経験豊富な沖田には敗れてしまう。
彼の絶技は相当の初見殺しである上に、鬼だからこその耐久力も相まって、刀を用いる一撃必殺の決闘では実際めちゃくちゃ強いのだろうが、まあ人間のレベルを超越しつつある人らが戦う漫画なのでそれくらいでは通用しない。

霓鬼は基本スペックだけで十分強者たる鬼でありながら刀で戦う高潔で硬派なスタイルがまずかっこいいし、ビジュアルも特撮の強敵じみて魅力的で、しかもそれだけでは終わらない剣術の境地を身に着けているところがかっこいいのである。


山口先生の過去作であるシグルイでも読み取れることなのだが、山口先生はとにかく刀での戦闘描写が上手だ。
刀は、一撃でも良いのが当たればそれだけで勝負が決してしまうのが特徴で、創作という行為では緊張感が発揮できるというメリットがあるものの、だからこそ一瞬で勝負が決まってしまってあっさり決着がついてしまったり単調になりがちだったりと扱いが難しいアイテムなのだが、シグルイでも衛府の七忍でも一撃決着の緊張感と戦闘の熱さ、情報量が保持できている。

しかもキャラクターごとに必殺技があったりと、それぞれの戦闘ごとにメリハリが付いているのでその闘いごとにまた違った雰囲気になるのである。

シグルイでは、まあ半ばSF的であるが正統派の剣術の戦いが描かれていたのに対し、衛府の七忍ではそれをずっと上回る戦闘描写があるので、おすすめだ。通常の剣技ではなく、でも確かな必殺性と無慈悲さを感じさせる剣術を用いる霓鬼の存在は、その到達点、ランドマークであり、沖田総司との斗い(たたかい)はそれの確かな裏付けなのである。一見の価値あり。


また前回の日記でも描いたことだが、衛府の七忍の終わり方は凄く良かった。打ち切りとかでなく、そう見えてああやって終わらせるべくして終わらせたのだと思う。
一つ不満だったのは、最終的に最強の鬼たちが集ってやることが一般人の海賊狩りなのはちょっと絵面がしょぼかったというのと、その霓鬼やらそれ以上に強い虹鬼やら桃太郎やらはらら様やらが出てきた上で、初期の零鬼やら震鬼やらが出てきても地味で弱そうなところだ。
エクゾスカル零だと、憐とかハイパーフィジカルエリートだったのに、衛府の七忍の終盤だとなんかヒョロいし、桃太郎と戦ってたらフィジカル負けしそうだ。インフレすること自体は悪くないと思うけど。



日記に戻るぜ。今日は昼間は近所の公園に散歩していた。
このごろは夏も冬も気候が厳しすぎるので、この春の陽気は一層大事にすべきだと思う。散歩日和は、ピクニックでも散歩でもすべきだ。

公園でパンジーとチューリップを見たが、すごく綺麗だった。紫色のパンジーは得も言われぬ魅力がある。
よくよく観察すると、花の綺麗さは、花弁の鮮やかな色合いが周囲の草や土の低い彩度と対比になって強調されていることで見事に演出されているように思える。その花弁の鮮やかさも、マットで繊細(花弁の薄さがそうさせている)な質感と、細やかなグラデーションによるメリハリで一層強調されていると思う。なんにせよ、とても美しい。

チューリップは、一本の真っすぐな草に対して、真っすぐ上向きの大きな花が付いている形状が、あからさまに商品作物という感じがする。元々そういう形状なのかもしれないが。でも整然としていて、花壇に群生していると超(シュル)自然的な綺麗さがある。球根良いよね。チューリップ育ててみたい。

ただ散歩しても退屈なので、ピクニックを兼ねてマクドナルドのスパチキとチキンナゲットを食べた。ナゲットのマスタードソースは本当に美味しい。

そういえばマスタード(からし)はからし菜という菜の花から作られるらしいが、菜の花も綺麗だよな。今年は菜の花畑に行きたい。

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