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3日目。台南「阿龍香腸熟肉」。(18回目の台湾旅2023/06)

台南・保安路の「阿龍香腸熟肉」で香腸熟肉(xiāng cháng shú ròu)。
グルメストリートで日本でも有名になった國華街を南方面に下って交差する保安路。
こちらもやはり美味しそうな小吃店がいっぱい立ち並んでいつも賑わっています。

これは前夜の保安路。

あらかじめ煮込んでおいた内臓や、調理済みの食材を注文ごとに切って皿に盛ってくれる黑白切(台湾語でoo-pe̍h-tshiat/台湾華語ではhēi bái qiè)という料理があり、台南ではこれに香腸(いわゆる台湾ソーセージ)も提供する業態で「香腸熟肉」と呼ぶそうで、「阿龍香腸熟肉」はそれを店名に冠したお店です。「龍さんの香腸熟肉」といった感じですね。看板の「八十年老店」の文字がかすれているのがさらなる歴史を感じさせます。

1930年開業だそうで、100年も目前!

ここは朝から営業を始めて19時には閉店してしまうのですが、小吃店としてはわりと珍しくビールが用意されていて、つまり明るいうちから飲める!
とはいえ人気店で時間帯問わずひっきりなしにお客さんが来るので、ひとり、または少人数でさく飲みが礼儀ですね。
わたしはこの日、17時前に訪れましたが、土曜日でもあり中途半端な時間帯でも結構な賑わいです。

メニューには豚の内蔵類、香腸(いわゆる台湾ソーセージ)、ナスや苦瓜などの野菜類、鯊魚(サメ肉)、イカ、それと台南名物の蝦卷なども。
冷蔵ショーケースにごろごろと並ぶ食材が壮観です。

壮観!

今回わたしが頼んだのは軟管(豚の食道)、豬心(豚の心臓)、白い苦瓜、そして写真のお皿の右上にある蟳丸(台湾語ではtsîm-uân/台湾華語でxún wán)です。
蟳丸の「蟳」はそもそもワタリガニを意味していて、本来は蟹肉や蟹の卵などを寄せて固めたような台南伝統の宴席料理なのですが、こちらは庶民的に卵と豆薯(ヒカマ・マメ科の芋)、そしてじゃがいもを型に入れて蒸したものとなっていて、卵と芋のほのかな甘みと、芋羊羹やくず餅のような、ちょっとむちっとした食感がなんともユニークで、他の食材と取り合わせるとよいアクセントになります。
内臓類は限りなくシンプルに茹でてあるだけのようで、そのぶん素材の新鮮さと処理のよさをダイレクトに感じます。
サメはもう売り切れだったし、他にもあれこれ食べたかったのですが、ひとりで食べるには限界があるので今回はこんな取り合わせで。

ビールは店の奥の冷蔵庫から取ってくるスタイル。

醬油膏とからしのタレにつけて食べ、ビールを飲んで。
こういうものを食べる時、舌で味わって、胃袋に取り込んで、その土地の文化と歴史を身体にインストールする感覚になります。

阿龍香腸熟肉


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