M21(飽きたらやめる)全カードレビュー

0.この記事の趣旨 

 タイトルのとおりである。飽きるまで、プレビューされたカードにコメントをつけていく。かつては個人のHPやブログにこういう記事がよくあったものだ。しかし現在、個人のカード個別の評価の大半はSNSに転がっていて、体系的に追うのは困難だ。筆者個人はなんの実績も持たないパンピーではあるが、こうしてカード評価をまとめておくのも無駄ではないかもしれないと考えた。

 とまあ、それっぽいことを書きかけたが要は暇潰しである。

1.基本ルール(?)

・画像は適当に拾ったものである。言語バラバラ、サイズ不統一かもしれない。

・筆者はスタン・ヒストリック・パイオニア・モダン・レガシー・ヴィンテージ・リミテッドは定期的にプレイしている。それ以外のフォーマットはプレイしたことがないので、そのへんの目線はこの記事に出現しない。

・(追記)特記がない場合、評価はスタンダード目線である。明らかにリミテ向きだろうと思われるカードについては断りなくリミテ目線で評価している。

・カードの並びは色分け以外順不同とする。プレビューされる都度更新するため。また、未訳のカード名は適当に訳す。正式なカード名が確定次第、差し替えたり差し替えなかったりする。既存のカード名は通称を使わせてもらう場合もある。

・事実の誤認や明らかな誤りがあればtwitterで教えてほしい。

・繰り返すが、飽きたらやめる。

・白

外交官、マンガラ

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 マンガラ。カード化されるのは2回め。

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 いやに血色がいいが、これは過去の姿なのだろうか。

 旧マンガラはコンボチックな方向性だったが、今回のマンガラはコントロール色が強い。高タフネス、絆魂と相手の手数に応じてドローする能力は「アグロ殺し」だ。スタンダードのアグロはコントロールに対しサイドボード後は少し重くしてPWやアドを取る置物を投入してくることがままあるが、そういった戦略を取るとマンガラを出されたときに序盤のクロックは絆魂で、アドはドローで否定されてしまう、という展開が予想される。

 とはいっても伝説かつCIPで何もしない4マナのクリーチャーなので、コントロールのサイドボードに1~2枚と言った採用になると思われる。また、伝説の人間なためイコリアの人間シナジーを活かしたデッキが登場すれば出番はあるか。

悪斬の天使

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 悪斬。カードパワーは歴史が証明しているが、スタンダードでは『エルズペス、死に打ち勝つ』がとにかくきつい。コントロールが完全に場を固めたあとでポン出しする使い方なら『夢さらい』と競合になるが、あちらのほうが除去耐性・継続的アドバンテージに優れる。天使であること、1マナ軽いこと、などを活かせなければ厳しいだろう。ちなみに、『波乱の悪魔』はデビルなのでプロテクションは無意味である(コルヴォルドは止まるが)。

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 個人的には、ジャッジメントで鳴り物入りで復活したが『幻影のケンタウルス』のせいで何もせずにスタン落ちしていった『アーナム・ジン』を思い出してしまうので頑張って悪即斬してほしいところではある。

群れを導くもの

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 犬ロード。クリーチャータイプ・猟犬は廃止され犬に統一されるそうな。勇丸も犬に更新されることであろう。筆者にとってそれ以外に印象的な犬は雑種犬くらいである。

 正直書いてあること以上のことをするカードではない。犬デッキには4枚必須であろう。

 全く関係ないが、イラストを見て『エスパー魔美』の野犬の話を思い出して鬱になった。

封じ込める僧侶

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 しまっちゃうおばさん。もともと『モダンホライゾン』に収録されるのではないか?という噂のあった一枚だが、なんとスタンを通ってきた。

 最近のスタンには踏み倒しが多すぎる! という文句も出ていたし、良い再録と言うべきであろう。工作員は死んだがルーカや猫かまどは健在である。こういう抑止力は常にほしいところだ。

 パイオニアとモダンには初お目見えとなるが、どちらにも一定以上のインパクトはもたらすものと思われる。モダンでは高速コンボ抑制、パイオニアではヘイトベアの仕事はもちろんだが、『変位エルドラージ』とのコンボも興味深い。

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 レガシーやヴィンテージでおなじみのこの組み合わせは、決まってしまうとクリーチャーデッキをほぼ封殺する。もっとも、パイオニアには(無条件の)2マナランドがないのでやや弱いか。白単ヘリオッドがニクソスのマナに任せて連打する……というような事はありえるかもしれない(♢の捻出が難しいが)。

ルーンの光輪

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 ティムール再生に対して『発展/発破』を宣言すると勝つ可能性がある。ジャンサクに対して『波乱の悪魔』を宣言すると勝つ可能性がある。サイクリングに対して『天頂の閃光』を(ry)

 その他、セレズニアオーラのような「1体をひたすら強化」系のデッキには劇的に効く可能性あり。ハマるとイージーウィンできるサイドカードなので見かけることは多いだろう。個人的にはあまり好きなカードではない。

バスリ・ケト

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 正直、もうセットごとに新規PWを刷らなくてもいいだろうと思ってしまうのだが、それはそれとして新PWのバスリ。系統としては自分で殴らずにウィニーを強化していくアジャニ系。

 スタンダードにおける白い3マナPWとして競合するのは『黒き剣のギデオン』だろう。つまり、白単アグロがコントロールとのマッチアップで対処しにくい脅威としてサイドから投入/増量する使い方である。

 ギデオンが全体除去で盤面を更地にされても自身の高クロックでプレッシャーをかけられたのに比して、バスリは種になるクリーチャーがいなければ何もしない。その分、一直線に向かえば奥義まではかなり速いので対処は迫れるが……奥義のインパクト自体は『最後の望み、リリアナ』に到底及ばず、決めても捲られる展開はままありそうだ。『アーデンベイル城』という強力なトークン生成があるだけに、-2がトークンでは誘発させられないのが痛い。

 ラヴニカのギルド期のスタンダードのような、面展開するボロスアグロが成立するならば1枚くらいは入るかもしれない。もしくは↓の副官とコンビで+1/+1カウンターのシナジーを活かすデッキに組み込むか。

バスリの副官

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 プロテクション(多色)は狭そうに見えて意外と厄介、というのは『石とぐろの海蛇』が証明している。4マナのカードなのでテフェリー耐性がついているのは嬉しい。能力は自分も対象に取れるので最低4マナ4/5警戒、死亡時2/2が出てくると悪くない性能である。騎士であるのも○。

 死亡誘発は、特に『敬慕されるロクソドン』との相性がいい。

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 先手を取って1,2,3でロクソドンまで行き、4で副官を着地させれば返しで全体除去されても8点クロックが残る。3ターン目がロクソドンではなくバスリでも、悪くない展開だろう。

バスリの結束

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 で、仕上げにこれ。『不敗の陣形』と競合するが、純粋に詰め性能だけで言えば軽いこちらのほうが便利なので、他の要素でラス耐性が十分と感じられているならこちらでいいだろう。

無私の救助犬

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 フレイバーテキストが悲しすぎる。『心優しいボディガード』はおっさんなのでサクってもなんとも思わないのだが……

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 スタンダードにも、似た役割の『命の恵みのアルセイド』がすでにいる。破壊不能とプロテクション、どちらのほうが優れているかは微妙なところだが、緑白オーラのようにバウンスも致命傷になりうるデッキで使うのであればアルセイドに軍配が上がる。しかし、番犬も起動にマナが不要という大きなメリットを持っている。メタゲーム次第では出番があるかもしれない(万能な締め)。

包囲戦の打撃者

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 たまに出てくる元気玉系クリーチャー。しかし、この手の効果は有効に働く状況が限定されすぎているので使われることはめったに無いのである。並んでるならふつうにそいつらで殴ればいいしね……。

信仰の足枷

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 元祖ラヴニカからの再録。

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 リミテッド用に見えるかもしれないが、スタンダード当時は普通に構築のコントロールで使われていた。とはいえそれは旧レジェンドルール時代の話でもある。忘却の輪でさえさほどプレイされていない現代では、残念ながら活躍は難しいだろう。

バスリの侍祭

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 『ゲートウォッチの誓い』に"支援"というCIPで+1/+1カウンターをばらまく能力があった。主に緑と白に割り当てられており、これを活かしたアーキタイプはOGWのリミテッドでも上位に位置していた(と記憶している)。

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 これは支援と書かれていないだけでまんま支援2である。4マナ4/5絆魂相当であり、リミテッドでは主戦力になると思われる。

天使への昇天

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  わざわざカード1枚と2マナを費やして相手に4/4飛行を与えることはそうそうないであろうから、基本的には自分のクリーチャー/PWに撃って攻めを継続するためのカードだろう。発想がやや後ろ向きなのが気になるが、たとえば小マイナスを使った直後のPWなども対象として悪くはない。殴ってきたところをアンブッシュできれば疑似除去にもなりうる、面白い1枚。

 もちろん、騎兵サイクルや探索する獣、コルヴォルドなど除去しにくい/放置できない生物相手に撃つオプションもある。出たトークンをバウンスで処理できるとなおいいので、テフェリーや借り手を採用しかつ攻め手が細くなりがちな青白コントロールのようなデッキになら居場所はあるだろう。

活力回復

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 再録。いかにも弱そうに見えるが構築ではわりと見かけるカードだった。

忍耐の偶像

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  毎ターン1体、3マナ以下のクリーチャーが還ってくる。3マナのクリーチャーであればマナアドバンテージも稼げる。5マナソーサリーで3マナ以下を釣るリアニ、それ以降2マナでフラッシュバックできるイメージか。

 書いてあることはまあ悪くないのだがアドの取り方がゆっくりしすぎていて、「いまさらこいつが還ってきてもなあ……」となってしまいそうではある。ウィニーの補強というよりは、クリーチャーコンボがサイドから除去対策で入れていくような使い方のほうが良さそう。カードプールの狭いスタンダードよりは、パイオニアやモダンで可能性があると思う。

歴戦の神聖刃

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 能力が少し変わって人間になった『アダントの先兵』。

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 攻めるデッキであれば4ライフよりも手札1枚のほうが大事である。しかし素でラス耐性があるというのは白ウィニーにとってとても大きい加点要素なので、そういうデッキが成立するなら4枚入ると思われる。『樹上の草食獣』を突破できるパワー3も貴重。

高山の番犬

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 リミテッドですら、2マナ2/2警戒は弱くはないが強くない。2/2が戦闘すればだいたい死ぬため、バニラとほぼ同じなのだ。いわゆるフィラー(穴埋め要員)である。

 だが、一手間加えてやると話は変わる。戦闘に参加するチャンスが2倍あるので、オーラや装備品の効率がぐんと跳ね上がるのだ。もちろん相応のリスクはあるが、こいつは後述の『高山の犬師』の能力でサーチできるため、同型再版のお仲間に比べれば評価は高いほうだ。絵がもふもふしていて可愛いのもポイントである。

勇敢な駿馬

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 直近のデザインと似過ぎである。もうちょっとなんとかならんかったのか? 

やんちゃな犬

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  お腹なでてポーズ。かわいい。

護法の要塞

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 守りたいのか攻めたいのかはっきりしてほしいところである。まあ、地上をこいつで固めて飛行で殴れということなんだろう。

穏やかな光の聖域

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 祭殿を並べるデッキはコントロールであろうから、相手のクリーチャーを押し止めるタップ能力は有用である……と見せかけて、現実的にこれに使うマナを残せるビジョンが見えないので弱い。1ターン目に置けたとして、能力を使えるようになるのは何ターン後になるかわからず、その頃にはこの能力なしでも黒と赤の祭殿だけで勝てていそうである。

天界の語り部

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 警戒と絆魂は相性が良く、ライフが多ければ殴ったあとにタップ能力まで使える親切設計。オーラや+1/+1カウンターで強化し甲斐もある。『癒し手の鷹』とともに、『アジャニの群れ仲間』の良い相方となるだろう。また、トークン・本体ともにペス勝つされないため、ライフを増やせるコントロールが『龍使いののけもの』チックにサイドから運用する可能性もある。

選定された聖歌員

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 学級委員を決める日に学校を休んだら、勝手に学級委員にされていた思い出が蘇ってくるカード名である。

果敢な一撃

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 再録。フェザーの定番カードだが、ドローが苦手な白にとっては1マナキャントリップというだけで貴重なため、フェザーが落ちたあとも採用するデッキは出現しうる。

約束の光

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 『スパイクの飼育係』と組み合わせると無限ライフ+無限パワー。アグロ用パーツっぽく見えるが、スタンダードでもコンボ路線のほうが活躍できそうに見える。

抵抗の妙技

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 2マナと1マナは構えやすさ・看破されやすさが段違いではあるが、+1/+1カウンターのシナジーまで含めて、リミテッドではバットリとして及第点。

軍団の裁き

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 『イクサラン』より再録。この手の効果はインスタントとソーサリーの差が大きいんだよなあ……。昨今、クリーチャーのスペックが向上しているので除去が不足気味ならメインからどうぞ。でも2枚入れてはいけないし、これが遅く流れてきたからといって白に参入してもいけない。

協約のペガサス

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 『ラヴニカの献身』からの再録。2マナ1/3飛行は伝統的にプレイアブルである。また、この手の同型再版がいる環境は遅くなりがちであることも憶えておこう。

ヴリンの翼馬

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 『マジック・オリジン』より、レア→アンコモンへ格下げして再録。

 カードパワーは決して低くないのだが、1、2マナ域にハードパンチャーか似たような効果を持つヘイトベアーがいてこそのカードなので、現在は活躍の場が少なそう。仮に白系アグロが復活すれば、サイドボードには間違いなく入る。

隼使いの達人

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 本体が飛んでないと意味ないだろ。手厚いサポートが必要なわりに得られるのが1/1飛行なのはきつい。

エイヴンの鳥群使い

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 5マナ4/3で(最低)2点ゲインは有用。飛行デッキはどこかでライフレースをまくる必要が出てくるので、CIPで自然にそれができるのは良い。

現場保存

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 追放である点も含め、リミテッドではかなり強力な除去。アンコモンかと思ったらコモンで驚いた。

鍛え抜かれた古参兵

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 パワーは鍛え抜かれていないようですね。リングフィットアドベンチャーでもやってください。

栄光の頌歌

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 アンセム。悪くはないんだけど、『ベナリアの軍司令』再録でもよかったんじゃないかなあ。

堅牢な盾仲間

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 検索してみると、26年の歴史あるマジックのドラゴンのうち、タフネスが1以下のものは3体である。

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 この内、スプライトのドラゴンはすぐにタフネス2以上に成長してしまいそうである。また、雛はシバいてもさほど自慢にはならないであろうから、おっさんが仕留めたのはナラスニ・ドラゴンである可能性が高い。バシャリクモンスの猛攻を食い止めたナラスニ・ドラゴンがこいつごときにやられたのは、近場にバンドを組める仲間がいなかったからと考えられる。

間に合せの大隊

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 『灯争大戦』より再録。当時のリミテッド環境ではカード名通り、間に合せ的な痩せアグロによく入っていた。

天界の処罰者

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 タッパーはリミテッドでは常に貴重。こいつで地上を止めて上で殴る。すべての基本。

九つの命

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  パイオニアで、『厳粛』と並べるとダメージに対して無敵になる。また、『無害な申し出』で相手に押し付けてやる手もあるが、この場合は『悪魔の契約』の方が簡単そうである。

 本来の(?)使い方であるダメージに対する延命手段としては、効果がありそうなデッキに『砕骨の巨人』や『探索する獣』といった実用的な対抗カードが存在するのがきつい。

叙爵

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 『ドミナリア』より再録。当時は2マナ3/1にこれを付けて横に倒すだけのブチギレ戦略なども存在したが、まあ特別強いとは言えなかった。しかし、安いカードで最大値に近い打点を出せるので、今いち流れに乗りきれないときなどは積極的に拾っておくのもいい。デッキに勝ち筋があるというのは重要である。

素早い反応

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 タップ状態限定とはいえ、2マナで確定除去は破格の性能。インスタントなのが素晴らしい。

グリフィンの高楼

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 単体では何もしない典型的なペイオフ系エンチャント。当然2ターン目に設置してそこから毎ターン誘発させていきたいが、恒久的なライフゲインシステムを主軸に据えたデッキが今のスタンダードで強いのか? という疑問はある。おそらく最高の相方はウーロなのだろうが、ウーロで毎ターンゲインできている時点でほぼ勝ちなわけで。

 リミテッドでは当然強力。ドラフト中盤以降他のプレイヤーは見向きしないカードであろうから、安く拾える可能性があるのも良い。

強風の急襲者

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 ヤギ……。どうでもいいようなことだが、最近はこの手の効果はmayで自分のクリーチャーしか対象に取れないものが多かった。しかしこいつはmustで相手のものも対象に取れる。青や黒に時折出てくる、対象に取られると死ぬクリーチャーに少し強い。

夜明けの突撃獣

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 クソビートのオトモ。とはいえ2マナ打点最大値かつ、このセットに多い3マナ2/3の強力なシステムクリーチャーに臆せず突撃できる点で他のセットのそれよりも少し強い。

・青

時の支配者、テフェリー

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 いい加減PWに常在効果を書くのはやめてくれしかもフェイジングとかクソめんどい能力じゃねえかもうザルファーに帰れという感じだがそれはそれとして、4テフェである。

 このカードが過去の青いPWと一線を画すのは速攻クリーチャーへの高い耐性を有する点であろう。神ジェイスと血編み髪のエルフの例を引くまでもなく、「ソーサリータイミング」「着地した瞬間のみ弱い」というPW最大の弱点をつける速攻クリーチャーの存在は、コントロールプレイヤーにとっては頭痛の種である。現スタンダードにも『探索する獣』がいて、PWに睨みを効かせている(わかってるからツッコミはいらない)。

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 だがテフェリーの-3は相手のターンに宣言することで裏目の可能性を限りなく小さくすることができる。端的に言えば、着地させるタイミングさえ間違えなければ(あるいは多少間違えてしまっても)、限りなく生存確率は高いのだ。

 しかしその分、+1は本当に最小限のことしか書いていない。ナーセットがいると自ターンで+できない(いや、できるが損をする)。4マナPWの実質+2なので仕方ないところではある。一応、スタンダードでは『夢さらい』や『エルズペス、死に打ち勝つ』の3章、ウーロの墓地肥やし、モダン以下では奇跡呪文とのシナジーがあるが……神ジェイスがいるところに割って入れるかは疑問だ。

 PWの事前評価は本当に難しい(リメンバーナーセット)。個人的には、「スタンのコントロールで他に4マナ域の選択肢がないなら2枚位入れる」程度に思える。少なくともただツヨではない。もっとも、これからのプレビュー次第でこの評価はごっそり変わっていく可能性がある。必要に応じて魚拓を撮っておいてほしい。

テフェリーの永遠の洞察

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 手タレにまで手を出したのかこのハゲは。

 それはともかく、このエンチャントは典型的オーバーキルカードに見える。コントロールが(コントロール以外のデッキだったら鼻からスパゲッティ食べてやるよ)4マナで盤面に干渉しないエンチャントを貼る余裕があるのなら、どのみち勝つのだから。しかしマナを倍にする『荒野の再生』と一緒に使って倍々ゲームを楽しむのも悪くないのかもしれない。ナーセットにハマるのもいいだろう。青春の麻疹のようなものだ。

テフェリーの後見

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 ライブラリーを削るを意味する俗語の"ミル"が正式に定義され、日本語訳は切削となった。

 それはそれとして、このカードはマジック・オリジンの『スフィンクスの後見』を思い出させる。

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 このカードはリミテで鬼だったのみならず、構築でも立派に実績を持っている。ラヴニカのギルドの『水没した秘密』などのスタン落ちを前に、青いLOデッキの最後の一花枠(※スタン落ちを控えたセットの買い控えを防ぐため基本セットに投入される、既存デッキの露骨な強化カード)として活躍するかもしれない。自分を選べないので、『死の国からの脱出』や『タッサの信託者』とシナジーしないのは惜しいが。

テフェリーの徒弟

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 リミテでは、青の3マナ2/3コモンにルーティングが付いているのはめちゃくちゃ強い。なぜかと言うに、リミテの青い4マナクリーチャーは性能が(だいたい)しょうもないため強いアクションは除去かカウンターで、逆に5マナにはフィニッシャーとなる3/4飛行が控えているからである。つまり、こいつがいると

3マナ これ

4マナ 構えてエンド 打ち消しなら打ち消し なにもないならルーティングでフィニッシャーなり土地なり探す

5マナ フィニッシャー

 という動きが担保される。3→4で土地がない場合でも2マナで起動したのちに土地が見つかれば2+2でダブルアクションできる。ドローそのものがトリガーするアクションも収録されるだろうから、デッキの潤滑油となるコモンであろう(たぶん)。

啓示の雨

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 インスタントになった『ふるい分け』。モダンホライゾンからの再録。

 複数回再録された『ふるい分け』がトーナメントでプレイされた実績は筆者の記憶にある限りでただ一度、最初のラヴニカ期のリアニメイトデッキ『太陽拳』で5枚目以降の『強迫的な研究』としてのみである。

 『啓示の雨』も、スタンダードでリアニメイトデッキの潤滑油として活躍することだろう。また、ヒストリックの『屈葬の儀式リアニ』で使われる可能性もある。

ジェスカイの長老

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 イラストがキュートな再録である。リミテでは優良な2マナ域。果敢は常盤木でなくなったはずだが、どうやら復活したようだ。

難破船の探知者

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 こいつもそうだが、どうやらM21の青のリミテにおけるテーマはスペルのようだ。

波起こし

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 リアニメイトしてくれと言わんばかりの生物。しかし、スタンダードの釣り竿の水準が5マナである昨今、7マナの生物を釣っても2マナしか得しない上にテフェリーがいるのでETBで何もしないのは相当厳しい。

 リミテッドでは序盤に引いたら能力で捨てられる7マナ7/7というだけで悪くない。こういうマナ域が可変かつ盤面への影響力が大きいカードは重宝する。

 巻き直し

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 『ウルザズ・サーガ』からの再録である。個人的には、8EDのフレイバーテキストが大好きなので変えられてしまっているのは残念。

 スタンではシミックフラッシュに入るだろう。4ターン目の狼とカウンターの両立という、フラッシュ使いの夢を叶えてくれるカードだ。先手でさえテフェリーに当たらないカウンターだが、そもそもフラッシュデッキを使っている時点でテフェリーのことはあまり考えていないはずなので気にしてはいけない。

 それ以外のデッキでは採用する価値はないと思われる。もともと打ち消し合戦になると弱いが、『神秘の論争』があるので……。テフェリーが落ちて論争の採用率が下がればあるいは?

真実の視認

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 普通に唱えるとソーサリーの予期。しかし手札以外から唱えれば2マナ軽い『集中』。

 スタンダードでも『任務説明』や『死の国からの脱出』などで達成は容易である。まず手札から普通にプレイしてそれらのパーツを探し、2度目でアドバンテージを取っていくような使い方になるだろうか。しかしその場合マナアドバンテージはほぼ取れない(たとえば任務説明から唱えても2+2で集中と同じ)。『舞台照らし』のようないわゆる衝動ドロー系のスペル・忠誠度能力で条件を満たすのが本道か。こういった能力は赤に多いので、青赤で使いやすいカードだろう。

 下環境ではおなじみ瞬唱をはじめとして、さらに条件を満たしやすくなる。ただ、同時に表のアクションとしての弱さも許容し難くなる。せめて残り2枚がボトムではなく墓地に落ちてくれればよかったのだが……。

有刺メガロドン

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 『ドミナリア』のリミテッドに、"亀オーラ"とでも名付けるべきマイナーアーキタイプがあった。

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 クリーチャーを呪禁のカミツキガメ2枚程度に抑え、残りはありったけのコントロール要素と『秘儀での飛行』にし、最終的には5/6呪禁飛行で勝つという戦略で、どちらもクソ安いコモンということもあり貧者の戦法としては強力な部類だった。

 このサメも間違いなく卓をぐるぐるするだろう。7マナは一般的なリミテッドデッキではアンプレイアブルである。だが、安い呪禁クリーチャーというのはいつでもフィニッシャーになりうるというのは覚えておいて損はない。

 塩掬い

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  青白飛行はややマイナーなアーキタイプだが毎セット1つ2つは強化をもらっていて、アリーナのラダーではちょこちょこ見かける。

 このカードが採用されうるかといえばやや否よりではあるが、青を含む前のめりなアグロデッキはこの環境唯一無二の存在であり、メタ次第では日の目を浴びるかもしれない(便利な締め)。

追われる鯨

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 筆者が小学生の時、コンクールで『空飛ぶ鯨』という歌を合唱した。鯨は昔森で暮らしていたが人間に追われて海へ逃げた。しかし海でさえ暮らせなくなり空に飛び立つが撃ち落とされる、といった内容の異様に暗い詩で、ものすごく鬱になっていた記憶がある。

 まあそれはそれとして、この鯨は追われるだけではなく反撃する能力を持っている。着地後、相手の戦闘で一番厄介なクリーチャーを討ち取り、その後は(おそらくは有利な)ダメージレースを展開できるのだ。7マナということで構築では出番がないだろうが、リミテッドでは準ボムレア程度の活躍はしそう。

嵐翼の精体

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  かなり攻めたコスト設定の1枚。スタンダードでも、3ターン目に『選択』や『ショック』からポン置きできる。キャントリップを満載した青赤果敢のようなデッキではフラッドが致命傷となる以上、占術2も大きな価値がある。『スプライトのドラゴン』と共に空から殴りかかる光景が見られることだろう。

 下環境でも青赤果敢のようなデッキでは十分に採用候補。『魔力変』などは抜群の相性である。競合相手は先述の『スプライトのドラゴン』、及び『嵐追いの魔道士』か。

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 速攻をもち、常に2マナな先達2枚のほうがおそらく安定感と速度はあるが、嵐翼の精体は素のパワー、占術による継続的な果敢誘発の保証(=置いてターンが帰ってきた際の爆発力)、除去耐性(プッシュや衰微を苦にしない)に優れる。構成やメタゲーム次第ではあるが、そもそも使い分けられる・選択肢があるという事自体が歓迎できる。様々なプレイヤーがテストするであろうからその結果待ちと言ったところか。

大慌ての棚卸し

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 令和に蘇った『蓄積した知識』。ただし、カウントするのは自分の墓地のみ。

 蓄積した知識はかなり幅広く使われた名ドローソースである。ウーロとあまり相性が良くないのが気にかかるが、スタンダードのコントロールでは間違いなく使われるだろう。

 パイオニア以下でもコントロールの基本パーツとなりうる。投入枚数の調整がほぼ不可能というデメリットを除けば、おそらくモダン以上の環境に存在するドローソースの中で最良である。ただ、1枚目の弱さが許容されるかは環境のスピードによるところなので、やはりメタゲーム次第か。

高尚な否定

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  たまに出てくる条件付きカウンター。

 青単フラッシュや青白飛行、パイオニアやモダンのスピリットにとっては嬉しい1枚。サイドボードの『神秘の論争』や『統一された意思』とカウンター枠で競合することになるか。『サメ台風』のトークンや借り手でも条件を満たす上にテフェリーに当たる(ケアられなければ)ため、飛行が少なめのデッキでもフラッシュを重要視するなら選択肢にはなる。

秘本のアニマ

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 2ドローテーマのペイオフカード。青の4マナ3/3で条件付きの回避能力をもつクリーチャーはたまにコモンに登場するが、アンブロッカブルはあまり記憶にない。

 当然、継続的に誘発可能かどうかがこのカードの肝だが、ドローは連鎖しやすいのでライフゲインや+1/+1カウンターに比べれば安定はする。フィニッシャーになりうる優良コモン。

書庫泥棒

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 どつくだけで引ける『知恵の蛇』。M20には黒のコモンで同系統の『大胆な盗人』がいた。

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 この手のカードは続く除去をキャントリップつきにしてくれるようなもので、2,3と展開して除去除去、という展開はゲームの主導権を握るに足る。青は除去の質で劣るが、テンポよくブロッカーを排除する術には長けている。また、アタックするだけで誘発するため2ドローテーマともよく噛み合う。特にアグレッシブな青いデッキではコモンとは思えない活躍をしてくれるだろう。

選択

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 リミテッドの『選択』は2ランドキープのリスクを抑え、2ドローテーマ、スペルテーマと噛み合う。いつでも取れると油断していると取れなくなるタイプのカードでもあるため、1枚めは少しだけ早めに取っておくと良い。

ヴォーディリアの秘儀術師

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 『ドミナリア』より再録。ドミナリアでは環境を遅くしていた2マナ3銃士の一人で、後半に大きいスペルをキッカーするためにマナを出したりウィザードテーマに貢献したりと安く拾えるカードのわりに活躍していた。今回もこやつの仕事は似たようなものであろうが、ウィザードは加点要素にならないことだけは考慮しておこう。

霜のブレス

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 よくあるやつ。こういうカードはハマると劇的で成功体験を抱えてしまいやすいが、基本は弱めと認識しておこう。使うなら超前のめりなデッキで。

不連続性

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 自分のターンにプレイすると2マナで済む『時間停止』。自ターンに撃つと、2マナのカウンター(能力も消せる)のようになるわけだ。

 『サメ台風』や『寓話の小道』など、スタンにはこれで消したくなりそうな能力も結構ある。特に小道は環境初期であれば決まりそう。しかし、それ以外の有効な使い方はあまり思いつかない。『荒野の再生』と相性はいいが、再生が定着している時点で有利なので、わざわざ大振りな呪文でリスクを取る価値はなさそうに思える。とはいえ、オンリーワンの効果ではあるため環境の変化で出番が回ってくることもあるだろう。

崇高な天啓

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 デカいクリコマ。こちら、メロンパン入れになってま~す。

 (呪文か能力いずれかの)カウンター+バウンス+ドロー+トークンがおそらく最大値で、これは3マナ+2マナ+2マナ+3マナで10マナ相当とお得ではある。しかし、セットアップも相応に大変かつリアクティブにしかプレイできないリスクは大きい。もっともブレが激しい部分であるコピーしたいクリーチャーがいるかどうかがキモになりそう。

 パイオニアでは、『奔流の機械巨人』との相性が最高である。6マナのカードを二種入れるデッキがありうるかは別問題だが。

幽体のこそ泥

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 生き物になった『街の鍵』。

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 クリーチャーは殴るだけで勝手にタップ状態になるため、能力の誘発する機会は鍵より多いだろう。その分アンブロッカブルになれるのは自分だけではあるが、失ったものより得たもののほうが大きい。相手の呪文でドローする能力も、とりわけ『砕骨の巨人』にアドを取られない点で意味がある。構築で見かける可能性も十分ある優良カード。

 部族も強く、またなにげにマナのいらない共鳴者(死語)でもあるので、なにかそれを活かすカードが後のセットで出ればその方面でも活躍する可能性がある。

厳しい滑空指導員

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 最低でも『珍品売り』相当で後半もまあまあ有用な能力を持っているので、十分プレイアブルだろう。こういうので適当にパワー4くらいのを飛ばして勝つゲームというのも、リミテッドではあるものだ。

潮読み

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 うーん、どちらも5マナ相当くらいの効果ではあるが……。6マナのカードというのは採用ラインギリギリなので、入れるならランプ要素があるデッキになりそう。

ルーンの壁

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『灯争大戦』より再録。まあ、リミテッドですら使いたいカードではなかった。ドラン系デッキができれば1マナ域として採用候補。

捕獲球

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 『ラヴニカのギルド』初出でイコリアにもいたがまたも再録。青の定番除去になっていくのだろうか。

トレイリアのクラーケン

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 とりあえず自分のターンには確実に1体寝かせられるというだけで、フィニッシャーに十分である。数種類サポートがあるデッキであれば定着後速やかにゲームを終わらせてくれそう。

非実体化

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 『異界月』より再録。

 "打ち消されない"がカジュアルな文言となった昨今、呪文バウンスには一定の価値があることは『霊気の疾風』の隆盛からもうかがえる。もっとも、こいつは本当にテンポしか取らないので相応にデッキは選ぶが。コンボやビートのオトモに。

初心者の過ち

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 これを採用してしまうこと自体が過ちである。

うろつく光霊

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 青の5マナパワー3飛行の進化はそれだけで記事一本書けてしまうレベルで目覚ましいが、こいつもすごい。リミテッドでは青のトップコモンの一角だろう。

取り消し

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 シールドでは強い。ドラフトでデッキに入れるのはおすすめしない。特にM21は3マナのシステムクリーチャーが強く、後手でそれに間に合わないカウンターはリスク。

北風の歌姫

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『エイヴンの風魔道士』の上位互換。

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 こいつも決して弱くなく、むしろコモンでは上位だった。スペルテーマデッキは言うに及ばず、寄せていないデッキでも果敢のプレッシャーはコンバットを有利に進めさせてくれる。優良コモン。

トレイリアの大魔導師、バリン

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 バリン、2度めのカード化。基本は『大クラゲ』だが、プレインズウォーカーもバウンスできるという近代化がなされている。

 近代マジックは良くも悪くもPW中心であり、とりわけクリーチャーは「PWに強いか?」が評価に重大な影響を及ぼす。バリンはその点で合格と言える。定着してしまったPWの対処に手を焼く青で、PWがいないデッキ相手に腐らないPW対策は貴重だ。テフェリーがいる間は言うまでもなく優先されるだろうが、白を含まないデッキ、そしてローテーション後はよく見かけるカードになるだろう。

 自分のパーマネントを戻したときの効果はあくまでおまけだが、決して弱くはない。『殴打頭蓋』+石鍛冶パッケージや『カラカス』とは抜群の相性を誇る。

静かな水の聖域

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 回り始めれば強いが、4マナで置いた瞬間何もしない以上、基本は赤や黒の祭殿を強くするために入れる枠。

唱え損ね

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 『呪文貫き』の亜種。あるいは『マナ漏出』の亜種というべきか。

 少なくとも、テフェリーがいる間はテフェリーに当たらないカウンターに出番はない。下環境でも、多くの場合は対象の広い『呪文貫き』の方が優先されそうである。打ち消し合戦にも『神秘の論争』があるので……。

謎变化

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 この手のカードは上振れ下振れが激しく、評価が難しい。コンスタントに殴れればもちろんレシオはいいのだが……。最近はインスタント除去の水準が再び上がりつつあるのは逆風。

鎖霊

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 「推されているな」と感じられるカードの1枚。青白飛行には4枚すっと入るだろう。青白飛行には既存のスピリットも2種(船乗りと飛行ロード)いるので、タップ能力も無駄にはならない。 

 パイオニア以下でもスピリットデッキに採用の余地はある。『ネベルガストの伝令』と競合になるが、そもそも3マナがもっさりしがちになる傾向にあるスピリットでは1マナの違いは大きい(もっとも、『集合した中隊』でめくれて嬉しいのはもちろん3マナ*2である以上、あのデッキのマナカーブが少々いびつなのは仕方ない面もあるのだが)。

賽銭ガニ

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 昨今のクリーチャー品質の向上にも拘らず、なぜか青の4マナ2/5にはおまけが付いた印象がない。

高揚する書物

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 カード名とFTのしょうもなさがたまらない1枚。

心酔させる掌握

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 『支配魔法』の下位互換である『説得』の下位互換だが、それでもリミテッドでは強い。それほどコンマジ効果というのはクリーチャー戦では劇的である。

・黒

不気味な教示者

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 『Grim Tutor』。初出の『スターター』(1999)より21年、よもやの再録である。初の黒枠化。コレクター諸氏はご愁傷さまである。

 チューターは2マナでは軽すぎ、3マナでは重い。これを使うなら4→5→6とテンポを取り返す強力なアクションを連打しなければならない。サーチ先がそれを担保するなら、3ターン目のスキップも正当化されるだろう。それができるカードとしてすぐに思いつくカードは1枚しかない。『創案の火』である。

 ……あとは、パイオニアでインバーターコンボが採用することはありうるか。3でサーチ、4でインバーター、ときれいにつながる。

死者を目覚めさせる者、リリアナ

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 所謂ニクシリス型PWだが、4マナなので+がストレートなアドバンテージになっていない。

 今のスタンでは単純なディスカードは弱い。言うまでもなくウーロのせいだ。

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 もっとも、ウーロの同期であるクロクサとはシナジーがあり、色的にもいいコンビになるだろう。クロクサをメインに据えたグリクシスミッドレンジのようなデッキが成立するのであれば、出番はあるはずだ。

 カードそのものとは関係ないが、通常版のイラストとカード名から想像するにリリアナはギデオンを蘇らせようとしているのだろうか? 

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深淵への覗き込み

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 なんだかすごいイラストだが効果もなんだかすごい。イメージ的に近いのは『無限への突入』だろうか。

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 筆者はよく知らないが、EDHでは需要があるそうだ。正直他のフォーマットで使われている姿は想像つかない。

薄暮薔薇の棘、ヴィト

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 モダンやパイオニアでヘリオッドコンボ系に組み込むのがまず考えられる使い方だろうか。3マナなので中隊で見つかるし、黒を使いたい場合の選択肢にはなるだろう。ツールボックスデッキでは選択肢があるということが重要だ。

 スタンでは黒単信心で灰色商人のルーズライフを倍にできたり猫かまどでチクチクしたり、アリストクラッツに組み込んだりがぱっと思いつくが……

悪い取引

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  インベイジョンに、『調査』というカードがあった。

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 インベイジョンのリミテッドでは青のトップコモンと言われていた(らしい)カードである。これに比べた場合のこのカードの問題は、3マナで打つというという選択肢がなく、相手が手札を使い切ったあとで引いてしまい「ただの4マナ重い夜の囁きになる」リスクを抱えている点にある。

取り除き

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 端的に言えば、PWに当たるようになった『燻し』である。現代では比較対象はどちらかといえば『突然の衰微』だろうか。

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 スタンダードでは『無情な行動』クラスでさえ影が薄いが、さすがにテフェリーやナーセットに当たるとなれば使われるだろう。もちろんウーロや波乱の悪魔、アナックスといった面々も除去できる。ペス勝つで除去するにはテンポ損してしまう相手をどけるのにちょうどいい。

 下環境に目を向けると、衰微が使えるデッキであれば間違いなく衰微を優先するとして、各環境のグリクシスコントロールで『戦慄堀り』と置き換わる可能性がある。

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 特に『瞬唱の魔道士』を有するデッキの場合、インスタントとソーサリーの違いは果てしなく大きい。カウンターが多めのエスパーコントロールでも、採用の余地はあるだろう。

 また、パイオニアのディミーアインバーターでは『試練に臨むギデオン』対策で2枚程度採用されている『英雄の破滅』と差し替えられると思われる。

屍呆症

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 『失われた遺産』の亜種。『漂流自我』のスタン落ちを控え、補充要員といったところか。

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 コンボへのサイドボードという仕事は変わらないだろう。しかし、手札から追放した場合の相手への補償がドローではなくトークンになっているのは大きなアップグレードである。コンボ側がこれらのカードを意識してサブプランを用意している場合、3ターン目をパスしつつ相手にドローを与えるというのは時に致命傷となりえた。これがトークンに変わっていることで、プレイ感は間違いなく向上する。これをサイドインするようなコンボ相手に2/2を一体与えたところで、それがカード1枚以上の働きをすることは考えにくいからだ。

 『漂流自我』や『失われた遺産』はスタンダードのみならず下はレガシーまでプレイされることのあるカードたちだったが、おそらく今後はすべて『屍呆症』に置き換えられるのではないだろうか。

悪意の鎌

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 別にこれに限った話ではないが、こういう貯金系の置物はテフェリーがいる間はなあ……。テフェリーがいなくなっても借り手もあるし。

虐殺のワーム

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 "虐殺/Massacreの名を冠する全体除去能力を持ったワーム。

 1番目のETB能力は、虐殺と違い代替コストを持たず対戦相手のクリーチャーのみ弱体化させるため、キッカーした湿地での被災/Marsh Casualtiesが近い。タフネス2までの小型クリーチャーを、色も問わず再生も許さず一方的に虐殺でき、相手のデッキ内容次第ではエンドカードとなる。

 2番目の誘発型能力は責任/Liabilityのようだが、対戦相手に限定され、トークンも含み、失うライフも2点と大幅に強化されている。1番目の能力とシナジーを持っており、そちらで対戦相手のコントロールするウィニーを墓地に落とせば、ボード・アドバンテージだけでなくライフ・アドバンテージまでも得られる。

 トリプルシンボルと色拘束はキツいが、6マナ6/5でペナルティ能力なしと基本性能も高く、非常に強力。リアニメイトなどの別ルートで直接戦場に出す手段とも相性がよい。 "

 ……以上、なんとなくMTG Wikiからコピペしてみたがいかがだっただろうか。現在のスタンダードには『虐殺少女』がおり、ボードコントロールのみを目的とするならあちらのほうが1マナ軽い分優勢と言える。ワームは黒単信心のような、盤面を構築しつつライフアドバンテージを重視するデッキのコントロール要素として採用されるだろう。あるいは、虐殺少女の能力が孕むクセを嫌うなら単にカードパワーだけを重視してこちらを取る可能性もある。

村の儀式

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 『祭壇の刈り取り』の同型再版……かと思ったら1マナかよ! 今書きながら気づいたので本気でビビっているが、上位互換である。

 2と1は構えやすさが段違いなので、このカードも立派に構築級の可能性がある。特に、どうせ死ぬウーロやクロクサをサクって2枚引いたりするとマジックがうまくなったような気がして嬉しいだろう(ウーロの場合、スタックをちゃんと積めばETBで置いた黒マナからこれでサクって2ドローできたりする)。おあつらえ向きの職場としてサクリファイスデッキもあるので、試されはすると思われる。

死に到る霞

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  コントロール相手でも腐らない、がテーマの全体除去。

 PWもクリーチャーも(ほぼ)使わないデッキはスタンダードには『ティムール再生』くらいなので、だいたいの相手にはそれなりに効くと思われる。サイドからPWで多角的に攻めてくるアグロに対し、裏目の少ない全除去としてコントロールが1~2枚採用はするかもしれない。

屍肉地虫

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アツクナレ。

闇の掌握

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 これはいい再録……なのだが、今のスタンダードは本当にピン除去が弱いので使われるかどうかは微妙。黒ダブルを許容できるほど黒が濃いデッキも多くないので……。

魔王の器

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 面白いデザインである。スタンダードではルールスやモスラ、『死住まいの呼び声』が良い相方に、テフェリーや借り手が宿敵となるだろう。

 下環境ではラリーに組み込めるだろうか。

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 ラリーはコンボなのでボディが活かせるかどうかは未知数だが、インスタントタイミングで5/5飛行が登場し得るのは相手にとって脅威だ。トークンは追放する必要がないのも偉い。その他、アリーシャや『立身//出世』など、相性がいいカードは無数に存在する。さあ、デッキを作ってみよう。

大殺漢

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 久々にデーモンらしく主人にデメリットを要求してくるが、着地さえしてしまえば即座に仕事をしてくれるあたりは働きものといえる。

 さておき、着地した瞬間は損をするのでこちらの生贄は死に得クリーチャーにしたいところ。もっとも、多少損をしても5/5飛行トランプルが動き出せば多くの場合それだけで勝てるので些細な問題と割り切るのもあり。また、カウンターやバウンスに死ぬほど弱いのでそういう相手には潔くサイドアウトしよう。

錬金術師の贈り物

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  接死も絆魂も腐りにくい能力なため、このカードも腐りにくい。どうでもいいようなことだが、「接死を持つ~~ダメージを"与えたら"」、と「絆魂を持つ~~ダメージを"与えると"」、の表記の違いは何に由来するのだろう。

帆凧の掠め盗り

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 『イクサラン』より再録。構築でもよく見かける優良カード。いい再録。

盗賊ギルドの処罰者

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 スタンダードにおいて相手のデッキを削ることは多大なリスクである。ならず者は『義賊』を始めとして有用なカードが意外と存在するが、こいつや『義賊』を入れたデッキはビートダウンになるはずで、その場合切削はただただ相手のウーロの脱出を早めるデメリットにしかならない。

 LOのパーツとして考えると、『圧倒される弟子』の占術2が瞬速+接死とスタッツに変わったわけで悪くない。しかし、LOのキーカードである『水没した秘密』が探しに行けない、かつ誘発しない色である点がマイナスである。現状、活躍は難しそうだ。

再命

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 リリアナ派にリリアナの好みを伝える以上の仕事を、このカードがこなすとは思えない。

死花のサリッド

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 『ドミナリア』より再録。リミテッドではただただ強いコモンで、黒緑というアーキタイプの強さを支えていた1枚。出されるととみにウザい。相討ち上等のパワー3というのは強いのである。サクリファイスとも噛み合う。

仮面の悪党

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 基本相討ちくんだが黒の2マナ域ならそれで十分。ごくまれに相手のエンドに出てきて、全力パンプでリーサル叩き込んだりしそうでもある。

リリアナの軍旗手

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 X枚引いてXルーズかと思ったら引くだけだった。テフェリーがいる間は瞬速がアレだが、1枚引ければ十分強い。サポートの多い騎士である点も○。

酒場の詐取師

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 『ラヴニカへの回帰』より再録。期待値プラマイゼロなので基本は2マナ2/2だが、ライフゲインテーマを継続的に誘発できる(可能性がある)ため、白黒ではそれ以上の働きをする可能性がある。

檻の中のゾンビ

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 かなり強いシステムクリーチャー。リミテッドにおいて、クリーチャーは死ぬものである。サクリファイスシナジーのあるデッキならなおさら。

魔女の大釜

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 サクリ台。起動にマナがいるのは残念だが、その分1マナでクリーチャーに先んじて設置しておけるのが優秀。また、赤の『裏切りの強欲』で出る2マナを使うのにちょうどよいカードでもある。リミテで黒赤なら絶対に1枚は欲しいアンコモンだ。

リリアナの使用人

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 1マナのクリーチャーなので、何かしらの使い回すエンジンみたいなものが出てくれば、採用される可能性あり。とはいえソーサリータイミングに限定されている以上、完全なロックにはならないのがきついが……。

悪魔の抱擁

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 オーラの形はしているが、性質的には装備品に近い。最近バウンスが強いのでテンポ損しやすいこういうカードがどれだけやれるかは未知数だが、とりあえず書いてあることは強い。

冥府の傷跡

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 『マジック・オリジン』より再録。筆者はリミテッドでこのカードをプレイしたことは1度もない。プレイされて「強いな」と感じた記憶もない。

骸骨射手

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 『基本セット2019』より再録。タフ1を撃ったり。ダメージを受けているやつのとどめを刺したりと器用なクリーチャーである。最悪プレイヤーにうちながら出せて無駄がない。

銀打ちのグール

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 ライフゲインだけで戦場に戻るゾンビ。『這い寄る恐怖』との相性が最高(忘れられがちだが、このカードはスタンリーガルである)。

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 ウーロ、這い寄る恐怖、グールの3枚を中心としたデッキがスタンでも成立し得る程度には強い。ウーロでなくとも同じく墓地肥やしと相性のいい猫かまどエンジンに組み込んだり、アリストクラッツ系のデッキに入れても良い働きをしそうだ。最近、適当にライフゲインするカードが多いのでこいつもかなり適当に戻ってきそうである。

 また、墓地から復活できるドローソースなので下環境でも大いに活躍が期待できる。

石の牙の聖域

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  祭殿を集める理由になる1枚。『ラヴニカの献身』に『不正相続』というカードがあったが、あれも見た目に反してかなり強力な1枚だった。

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 もちろん、献身は環境が遅かったという事情もあるが、M21も見た感じでは決して速くはなさそうである。しかもアンコモンになった分2マナと軽い。単体でも十分だが、祭殿が2枚並んでしまえば相手はレースが不可能なのを悟るだろう。

血の暴食

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 単体でも、パワー4の絆魂はダメージレースの勝敗を変えるだけの力を有している。除去なりでライフゲインシナジーを継続的に誘発できれば、遠からず勝利できるだろう。コントロールや、ミッドレンジ向き。

悪意に満ちた者、ケアヴェク

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 ケアヴェク2度めのカード化。今回も無慈悲。

 書いてあることは『魂の裏切りの夜』相当なわけで、着地した瞬間1~2体流せれば即除去られたとしても十分な仕事である。黒いコントロールデッキのサイドボードに1~2枚入りそう。

憂鬱蒔き

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 7マナCIPで何もしないのはリミテッドですら厳しい。リアニメイトするならもっといいやつもいそうだし……。

精神腐敗

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 定番手札破壊。リミテッドでは環境が遅ければ遅いほど強いカード。今回はそれなりに遅そうではあるので、使うこともあるか。

リリアナの信奉者

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 このセットの3マナ2/3は本当に強いやつが多い。こいつも上の能力だけでよさそうなところ、自分で手勢を増やすところまでやってくれる。仮に除去がなかった場合、こいつに3/2を量産されて負けてしまうだろう。死亡誘発はトークンが死んでも誘発するため、3/2のタネは尽きない。ひどい。

墓所に潜むもの

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 後半、手に余っている2マナ域を捨てて引いたり死亡誘発させたり、結構便利そうなクリーチャー。能力がmayなので最低値が4マナ3/4とそれなりなのもよい。

血なまぐさい耽溺

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 奥にいるやつがどう見てもジョン・トラボルタなのが気になる。

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歩く死骸

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 いつもの。もう緑に灰色熊が出ることはないだろうし、2マナ2/2バニラの通称は死骸で良いのではないだろうか。ヘイト能力があるやつはヘイト死骸。

異臭のインプ

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 2マナ1/2飛行、かついつでも相手の何かと交換できるカードという時点でリミテッドでは合格。特別なことはなにもないが、仕事はきっちりこなしてくれる。

とどめの一撃

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 確定除去は4マナが標準で5マナだと何かしらのおまけが付いているのが昨今の標準だが、これはおまけなし。それでもリミテッドではインスタントの確定除去なので強い。

頭巾様の荒廃牙

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 接死ロード(?)。3マナでCIP何もしないのは少しきついが、ニッサが起こした土地に一方的に勝てるので構築でもチャンスはありそう。

強迫

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 構築でもリミテッドでも、サイドボードにどうぞ。遠慮しないで。

・赤

複視

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 置いたターンに何もしないクソ重エンチャント。しかし、スペルのコピーはやはり強い。置いてターンが返ってくればタイムワープなり発展発破なり投げ飛ばしでも撃ってほぼ勝ちだろう。ティムールクローバー(や、まだ見ぬファンデッキ)がウィッシュボードに準備する可能性はある。

冠滅ぼしのガドラク

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  古の名カード『欲深きドラゴン』を思い出す、面白いデザインのカード。

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 スタンダードの既存デッキでは、サクリファイス系に馴染みそうだ。しかし、激戦区の3マナ域で他のカードを押しのけられるかと言われると難しい。猫が死んで宝物が出て、宝物をサクってマナ出して悪魔が一点飛ばして猫戻して出たマナを使ってパンくず……のような動きは面白そうだが。悪魔が落ちればワンチャンスあるのかもしれない(悪魔がいなくなってサクリファイスが存続するかは知らない)。

 パイオニア以下では、ハサミや親和に採用できるだろうか。あるいはレガシーの赤単プリズンで8ラブルと差し替えてみるか。ペインターに入れてみるのもいいだろう。性質的には、カーンやウルザから出てくる構築物トークンに近いという印象だ(他に4つアーティファクトがあれば5点クロックになる)。アーティファクト破壊に引っかからないクロックとして活躍することを期待。

騒乱の道化

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 波乱の悪魔が若干強すぎたからって、反射でこんな物を作らなくてもいいと思うが。せめて4マナなら悪魔が落ちたあと採用されたかもしれないが、5はコルヴォルドとかぶってしまうため出番はないであろう。

 リミテッドは赤黒がまたパクリファイスになるのだろうか? しかし、特にシナジーがなくとも赤の5マナ5/5はごく普通にプレイアブルである。

炎の心、チャンドラ

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  DA PUMPみたいなカード名だが、チャンドラである。

 バスリのところで「もう新規PWいちいち出さなくていいのでは」といったようなことを書いたが、チャンドラもいい加減マンネリというか似たような能力が多すぎてまったく新鮮さを感じない。まあ、新鮮味を出そうとした結果がWARの惨状なのかもしれないが……あ、M20のチャンドラは頑張ってたね。

 性能的には、着地した瞬間が概ね5マナのショックという時点であまり可能性は感じられない。赤いアグロデッキに5マナ以上のカードを入れるなら『栄光をもたらすもの』くらいの瞬間最大風速は欲しい。よって、職場はミッドレンジということになるだろう。そしてミッドレンジであれば、おそらく選択肢には成り得てもオンリーワンの存在感を醸すことはあるまい。

チャンドラの焼却者

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 コスト軽減にはいつだって可能性が溢れている。単純に、3点火力を打ち込むだけで3マナ6/6トランプルが出てくるというのは尋常ではない。スタンダードでは災厄赤単にまず採用できるだろう。達成条件が被る絢爛も存在するため、ラクドスとも相性がいい。テフェリーの存在がガンではあるが、非コンバットダメージを多数有するデッキの構造自体テフェリーに比較的強く、他のカードよりダメージは少ない。

 下環境では、もちろんバーンで試されるだろう。『裂け目の稲妻』や『炎の印章』のような予約型の火力のいい相方になると思われる。点数で見たマナコストが大きく、プッシュや衰微されないのも大きい。また、レガシーでは山2枚からマナを出して火炎破をピッチしてから登場するという使い方もある。

チャンドラのマグムット

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  本当に赤のコモン熊も強くなったものだ。『イニストラードを覆う影』か何かの開発秘話の記事で「赤に2マナ2/2バニラを出すのは挑戦だった」といったような記述を目にしたときは目を疑ったが。

チャンドラの紅蓮獣

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  災厄赤単の最後の一花枠その2。どう使えばいいかカードに書いてあるので、特に解説するところがない。チャンドラは意外に動物が好きなのだろうか。

雷光の猟犬

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 災厄赤単の最後の一花枠その3。どう使えばいいかカードに書いてあるので、特に解説するところがない。

動態の占い師

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  この人の立っている角度が不安定でこちらの精神まで不安定になるが、基本はリミテ用アンコモンと思われる。青赤で使うことになるだろう。ディスカードが任意なのは優しさが沁みる(これがもう少し"推された"カードならば、ディスカードは強制で何枚捨てたかに関係なく2枚引けるのだが)。

焦熱の解放

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 シャアがデザインしたとしか思えないカードである。

 『アイレンクラッグの妙技』から4ターン目に設置すれば、クリーチャーの並び具合によってはそのまま勝てる。現在のジャンドサクリファイスの『ボーラスの城塞』のように置いた瞬間勝ちうるシチュエーションは結構ありそうなので(というか置いた瞬間に勝たないとペス勝つやテフェリーされるので)、ポテンシャルは高い。神話レアらしい、いいカード。

一斉噴火

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 今まで火力1枚で対処不能だったウーロに当たるのは大きいのだが、たとえコンスタントに2~3マナでプレイできたとしても、赤で顔に飛ばない火力を積極的に採用したくはない。もちろんプレイヤーに6点飛ばせたら強すぎるが……。

 書いてあることは強いので、グルールや中速以上の赤単のようなデッキが存在すれば、採用される余地はある。また、点数で見たマナコストが12とデカいのはポイント。赤単色のカードとしては最大のマナコストである。青単感染のようにそこを活かすデッキが下環境で誕生すればあるいは。

 異形化

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 破壊ではなく追放になった『変身』。

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 変身はフェアリーをエムラに変えたりしていたが、スタンダードではこれをプレイするに値するクリーチャーは現状いない(R.I.P工作員)。もしもエムラ並のインパクトがあるファッティが収録されれば、ジェスカイルーカが復活する可能性はある。

ヘルカイトの懲罰者

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 フレイバーテキストがシュールすぎる。市長に合掌。

心火の供犠者

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 2マナ2/2果敢で先置きして、除去で睨みを効かせられて悪くない性能。しかし、今のアグロが求めてるのは強い1マナ域なのである。

ゴブリンの付け火屋

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 ノーコメント。

炎血の野犬

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 こいつも『高山の犬師』で引っ張ってこれる。評価的にも白犬と似たり寄ったりで、ギリギリアンプレを免れるといった程度なので犬師がいなければ取りたくない。

猛然たる顕現

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 『テーロス還魂記』からの再録。そんなにすぐ再録するほどいいカードとも思えないが……リミテッドでは赤緑なら1枚ピックしてもいい。

魂焦がし

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 "破壊不能を失う"ってすごく汚いデザインな感じがしてしまうが、まあそれはしょうがないんだろう。それはそれとして、顔に当たらないとはいえPWに入る3マナ5点はサイドボードには居場所があるだろう。

裏切りの強欲

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 裏切り比率というフレーズのバカバカしさに笑ってしまうが、アクトしたあとにマナが出てくるというのは結構強い。マナがかかるサクリ台しかなかったとしてもパクリファイスできるからである。とはいえ、その場合はコンバットできないので結局カードそのものの価値は下がる。

 まあアクトそのものが入るデッキを選ぶため、結局噛み合うデッキができるかどうかにかかっているところではある。カード単体で見れば、アクトの亜種にしては強いほうだ。

人目を引く詮索者

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 無限コンボのパーツとして公開直後から話題になっているゴブリン。

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 詮索屋がいる状態で『ボガートの先触れ』でキキジキを持ってくると、その時点で無限トークン。100体ほど出したあとで最後に先触れをコピーして「マナを使わずにゴブリンをサクってダメージを飛ばすカード」(複数存在する)を持ってきて、全部投げて終了。

 クリーチャーだけで完結する(実質)2枚コンボであり、『霊気の薬瓶』を使えばインスタントタイミングで始動することも可能。欠片の双子を彷彿とさせる動きだ。

 ゴブリン自体が『モダンホライゾン』で手厚いサポートを受けたこともあり、部族デッキとして決して弱くない。無限コンボ+ビートデッキとして一気にモダンのTier1に駆け上がることも十分に考えられる。

 コンボを抜きにしても生き残れば2~3ドロー相当のアドバンテージはすぐに取ってくれるだろう。『ゴブリン徴募兵』がヴィンテージでしか使えないのは残念だが、そのヴィンテージですら活躍の余地はあると、個人的には思う。それほどこのカードは強い。

骨穴の粗暴者

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 6マナということでたくさんはいらないが、CIPのパンプは+4と結構尋常ではないため、アグレッシブなデッキでもプレイアブル。絵もなんか勢いがあってよい。

峰の恐怖

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 翼が生えた『伏魔殿』。1マナ重くなったが、相手のクリーチャーでは誘発しなくなった。

 呪文に追加コストを課してくれるのはいいんだが、ペス勝つ・テフェリーには何も影響しないのが辛い。「呪文・能力のコントローラーがライフ3点払わない限り、それを打ち消す」というテキストでは駄目だったのだろうか。

 ウーロ・クロクサと相性が良い。特に色と方向性が合うクロクサと組み合わせれば、少なくとも「生き残れば勝てる」カードにはなれる。だが、5マナのカードが生き残ればそうそう負けないのはこいつに限った話ではないのだ……。

燃えさかる炎

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 『ラヴニカの献身』より再録。いわゆるラッパ。

 最大値は高く最低値も低い、ブレの激しいカード。普通のデッキに普通に入れていいものではないため、使うのであれば相応に寄せていく必要がある。

ゴブリンの魔術

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 4マナ2/2瞬速果敢というのがカタログスペックだが、似たクリーチャーに憶えがないので評価が難しい。

 青赤スペルのようなデッキでは、スペルでクロックを展開できることには意味がある。また、果敢は横並びすると1枚のスペルの効果をより大きくしてくれる。そう考えていくとなかなか強そうで、使ってみたいと思わせてくれるカードの一枚である。

砲塔のオーガ

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 『灯争大戦』より再録。4マナ4/3にメリット能力が2つもついているのだから、弱いはずはない。WARのリミテッドでは4マナはPWのターンだったので若干割を食っていたが、今回は当時よりも活躍できそうである。

燃え投げの小悪魔

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 5マナは小悪魔っぽくはないが、さておき死んだら3点というのは相手にすると攻めるにも守るにもかなり厄介だろう。タフネス6を打ち取るもよし、タフ3を2体道連れにしてアドバンテージを取るもよし、である。5マナのクリーチャーではあるが生贄にしがいもある。

破壊的細工

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 ニッチな2つの組み合わせで、どちらも効果に対して少し重い。ただし、勝ち筋が少ない愚直なビートをドラフトしてしまった場合、この手のブロック妨害効果は勝ち筋になるためときに重要。また、相手が不自然に相討ちを拒んできた場合はこいつの存在を思い出そう。

オナッケのオーガ

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 3マナ4/2バニラは赤や緑の定番ではあるが、ほぼすべての2マナ域と相討ちになる都合、通常はアンプレイアブルである。しかし、今回のようにパワー4テーマがサポートされている場合は、最速でそれを達成しつつ強力な4マナ域につなげる唯一無二の存在として輝く。とはいえ早い順目で取る必要はまったくない。どのみち、空いていれば回ってくるカードだし、こいつばかりいられても困るのだ。

戦装飾のシャーマン

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 『エルドラージ覚醒』より再録。当時はコモンだったが、アンコモンに格上げ。

 格上げされていることからも判断できると思うが、リミテッドでは強いカードである。前のめりかつ展開力に長けるデッキのマナカーブのトップに置いておくのにちょうどよい。今回は赤白がそれに当たるが、赤緑でもパワー4以上テーマのサポートになる(最低でも自身がパワー4になれる)。

ショック

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 いつもの。

引きずり鬼

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 サクリ台。マナはかかるが、2マナ2/1トランプルというだけで赤の2マナ域として合格点なのでそんなものだろう。

タルジーティの隊商、スピラ

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 3マナ2/3速攻と上の能力はまあいいとして、一番下の能力がすごい。プレイヤーのみならずクリーチャーに戦闘ダメージが入るだけでもカードが引けるので(マジかよ)、実質自身以外のパワー2以下のクリーチャーの数だけドローするようなものである。トークン生成や二段攻撃、『軍勢の戦親分』などボロスのカードと特に相性が良く、ボロスアグロの復権に一役買いそう。スタンダードで見かけることになりそうな一枚。

胸躍る可能性

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 こんだけ再録されると全く胸踊らなくなっていくが、リミテの2ドローテーマやスペルテーマを満たすのにちょうどいい塩梅なのだろう。通常のデッキでも、2マナ域が薄いなら1枚くらい入れておいても良い。

確実な一撃

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 『戦乱のゼンディカー』より再録。これがあるとコンバットがかなり不自然になるので看破はされやすい部類。逆に、マナを起こしておくとブラフにもなるが、それはバットリ全般同じこと。要するに何ら特別なことはないカード。

無作法な挑発者

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  みんな大好きスタッフィーがかえってきた。

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 スタッフィーも自傷行為に耽る傾向があったが、こいつは自傷行為を通り越して自殺志願者(ただし死なない)である。

 リミテッドでは化け物級の強さを誇るだろう。タフ1を完封しつつ、一番でかいやつを未然に止めつつ(こいつ相手には殴れない)、クロックをかけてくれる。間違いなく初手級のボム。構築は現在地上のクリーチャーでの殴り合いという環境ではないため厳しそうだが、コンボの可能性は常にある。

突破

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 『基本セット2019』より再録。構築・リミテッド問わず、スペルデッキで重宝する。トランプル付与はおまけだが、あって困ることは当然ない。

呪文喰いの奇魔

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 『灯争大戦』より再録。せっかくだから、青の方も一緒に再録してやれよ。

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 当時のリミテッドでも青赤はスペルテーマが割り当てられており、こいつも5/5や6/6まで成長して相手を殴り倒すことがままあった。青赤に行きそうなら早めに取っておこう。

廃れた高地の聖域

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 黒と並んで、祭殿テーマのペイオフカード。祭殿を並べるということは相手に展開で先んじられるということなわけで、それを押し返すためにも赤は必須。

噛み傷への興奮

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 『イニストラード』より再録。今回、オーラは特にサポートはされていないが、手軽な回避持ちにこれをつけるだけで勝ててしまうシチュエーションはリミテッドではたまに存在する。

 また、相手のシステムクリーチャーにつけてコンバットさせて討ち取ることもできる。マジックをうまぶりたい人におすすめ。

憤激解放

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 殴ってる人がバーコードハゲなのが気になる。

焦熱の竜火

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 このセットに最近のカードが再録されまくっているのは、環境に特定のカードが8枚存在してまずいことになるのを恐れてるんだろうけど、こんなただの除去にまでそれを考慮する必要があるのだろうか(稲妻の一撃と火葬が同居するとまずい(赤単が強すぎる)、とかならわかるが……)。

溶岩噴火

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 『ミラージュ』より再録。インスタントなのはよう頑張っとる。溶岩だけに。

金屑化

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 『ミラディンの傷跡』から再録、定番の5マナ5点。リミテッドでは当然強い。

・緑

原初の力

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 なんかアンコモンっぽいテキスト。リミテッドではもちろん最高クラスの呪文。構築はちょっときついか。

 追記 よく考えると『捕食』の完全上位互換なため、構築もありうるかもしれないと思えてきた。まあこの記事で散々言っているように単除去は今弱いのだが。

迷える探求者、梓

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 再録。ヒストリック・パイオニアには初参戦。

 もうこんなにマナ加速させてどうしたいのかはよくわからないのだが、3マナのマナ加速要員にはアグロに強いウーロとイリーシア木立のドライアドがいるので梓は微妙かもしれない。差別化するとすれば、ギャレンブリグ城の存在がポイントになりそう。

激情の共感者

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 スカージからの再録。こいつ再録するならそりゃ『創案の火』は禁止だわと言ったところか。

 今のスタンのランプでサーチ対象となりそうなのは……イノシシくらい?むしろパイオニアでアタルカやウラモグ、世界を壊すものを探すのに使われる可能性あり。あ、パイオニアなら工作員もいけるか。

クウィリーオンのドライアド

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 『プレーンシフト』より再録。
 昔エクステンデッドに『ミラクルグロウ』と『スーパーグロウ』というデッキがあった。限界まで土地を削りゼロックススペルとピッチを満載しており、"グロウ"の名の通りこのクリーチャーをもりもり育てるというのをコンセプトの中心に据えていた。さながら現代の『僧院の導師』や『スプライトのドラゴン』のようにすくすく成長していくこいつの姿は、当時少年だった筆者の心をつかんだものである。

 まあそれはそれとして、現代での比較対象は『第1管区の勇士』だろうか。

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 一斉を風靡したエスパーヒーローも、最近では殆ど見られなくなってしまった。残念だがドライアドも、リミテッドが主戦場になるだろう。

ラノワールの幻想家

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MTGには時々、既存のカードを足し算したカードが出てくる。

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 ランプの負けパターンの一つは、マナ加速だけの手札をキープした際にペイオフを引かずに死ぬというものである。こやつはそれをある程度緩和してくれるが、その分非常に脆い。元ネタの一つ、エルフの幻想家はクリーチャーを連打するデッキでの採用例は枚挙にいとまがないが、3マナのクリーチャーではその使い方も少し厳しい(3はロードなどのフィニッシャーのマナ域寄り)。

 とはいえ、ランプ理想の動き1→3→5(ニッサ)を促進させてくれるカードではあるので、ウーロ4枚に不足を感じる、あるいは青マナが確保できないのであれば出番はあるかもしれない。

菌類の再誕

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 『ムラーサの胎動』の亜種。

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 『ムラーサの胎動』自体弱くはなく時折構築で見かけることもあったが、これは対象がパーマネントに拡大されている点は純粋に強化されている。特にPWを戻せるのは大きい。

 おまけ部分は条件が追加されている分なんとも言えないが、コントロールへの耐性は上昇している。アグロに対しても、除去→アタックのような動きに対し1/1を2体沸かしつつアンブッシュできるので悪くない。入るデッキには入るだろう(?)。

長老ガーガロス

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 伝説じゃないのか……

 正直テフェリーと借り手にお手玉されてペス勝つされる未来しか見えない。1→3→5で出せればさすがに強そうだがそれでもテフェリーが間に合って出し直し→ラスだしなあ……。競合相手のウーロが1ドロー+マナ加速+3ゲインというこいつの仕事のうち2つを即座にこなすのも痛い。

 こいつ最大の不幸は、『創案の火』が禁止されたせいで5ターン目に赤騎兵やケンリスと一緒に殴れないことである。『野生の律動』を予め置いておけばヘイストが付く上に打ち消されない(テキストを読み上げただけ)が、それがデッキとして強いかと言われると……。置物へのガードも下がる気配はないし結局厳しそうである。

 まあ、この手のカードは愛好家が必ずいて良い使い方を見出してくれるはずである。筆者は手札にペス勝つと借り手を持ったまま、それを待とうと思う。

耕作

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 マナが自動で増えていく、事故知らずのDCGに寄せたいからこんなにマナランプを収録するのだろうか。だったらもう元祖ランパンでも入れりゃいいのに。

英雄的介入

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 『霊気紛争』からの再録。アジャニのかっこよすぎるフレイバーテキストも健在。

 スタンダード当初より、ラスを始めとした小癪な全体除去から自軍を守ってくれていた頼もしいカード。特に緑単のようなデッキはサイドに複数枚積むことになるだろう。ナイス再録である。

ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル

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 ダイエットに成功したジョルレイル。誘発型能力は『エルドレインの王権』でサポートされた2枚目ドロー。エルドレインでは青赤の担当テーマであったため、色が若干噛み合わない。

 しかし、そもそも青赤の2ドローデッキ自体が死滅しており、青緑にはらせんやウーロといった素で強いドローが豊富なため、青緑メインにしたほうがデッキとしては強くなるだろう。マナが伸びると起動型能力も使いやすくなるし、ナーセットに弱いという致命的な弱点もトークンが補ってくれる。

森の守部

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 もりもりカードを引かせてくれる頼もしい木。マナレシオもいいため、リミテッドではお世話になるだろう。

活性化のうねり

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 筆者の知る限りでは天津飯と菊丸英二も頭を増やして問題を解決しようとしていたが、それはそれとして3マナのコンバットトリックはかなり使いづらい。大量のカウンターを持って出てくるカードとのコンボ的な用途になるだろうが、そういうカードで現在スタンダードで見かけるのはポルクラノスと『石とぐろの海蛇』くらいだろうか。

誇り猫

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 かわいい……

節くれの賢者

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 緑定番、5マナ到達。2ドローテーマもあるが、ほとんど意識しなくても普通に有用なレベル。パワー4もサポートしてくれる。

うたた寝するティラノドン

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 ほんわかするフレイバーテキストだが、同系統のカード『ラムホルトの平和主義者』は構築で採用実績がある。+1/+1カウンターを載せれば自分だけで条件を満たせるのがポイント。WARドムリの常在能力でも可。

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 おこぼれをもらって成長できるハイドラくん。イコリアに『キヅタの精霊』を収録しておきながらこの仕打ちである。

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 信じられるか?20年前はレアだったんだぜ。

巻き添え

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 『翼切り』の上位互換。

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 『翼切り』も、構築で採用された実績はある。スタンダードでは『夢さらい』が再び空を支配することがあるなら、いい抑止力となるだろう。

 スタン以下でも、『暗黒の深部』コンボやエムラクール、裏返ったデルバーなどに最大効率で対抗できるので、それらへの対策でサイドボードに忍ばせておくことはありうる。

気難しいディロフォサウルス

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 気難しい=接死なあたり、現代社会への風刺と取れる。

解き放たれた者、ガラク

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 なんか普通すぎてコメントに困る。新鮮に感じられるのは-2能力のおまけ部分くらいだしなあ……ほかはいつもの緑単時ガラクという感じ。ガラクは一番最初のやつが一番強かったよね。

突き止め

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 めでたしめでたし。

猫の君主

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 プロテクションいらないから2マナ2/2にしてほしかった。サボタージュ能力は対象に困らない環境ではあるが、こいつ自身がペス勝つされてしまっては元も子もない。とはいえロードはロードなため、猫デッキを組む理由にはなる。

スカイウェイの狙撃者

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 1点で撃ち落とす対象がどれだけいるかにかかっているが、そもそものテンポがあまり良くないので『アゾカンの射手』や『クロールの銛打ち』の代役は果たせないだろう。リミテッドでも構築でもたぶん使われない。

ガラクの先触れ

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 『バスリの副官』といい『チャンドラの焼却者』といい、このセットはPW本人よりその名を冠したカードのほうが強そうに見える。もっとも、先触れの場合はトランプルが付くとより強いので先触れ→ガラクと展開してほしいのだろう。このカードの活躍如何は黒からの呪禁がどれほどのものかにかかっている。

胞子網の織り手

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 色対策カードはこのくらいが丁度いいのかもしれない、そんなふうに思わせてくれる優良カード。青からの呪禁ではあるが、どちらかといえば赤いデッキに効きそうなスタッツと能力。

 書いていないだけで能力の性質は激昂なので、恐竜系のカードと好相性。こいつを破壊不能にした上で『峰の恐怖』と組み合わせると無限トークン+無限ライフになるというコンボもある。

剣歯虎のやっかいもの

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 3マナ域でコンバットして相討ちなりしたあとで着地できれば4マナ4/4(パワー4シナジーを満たす)、その後もチャンプされるたびに成長できるので悪くなさそう。+1/+1カウンターのシナジーも活用できればなおよし。

節くれ拳の樫

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 素で自ターン中は4/5。相手からすれば単体のサイズではそうそう上回れないが、かといってダブルブロックはドシャクリされる可能性もあり、かなりいやらしい攻め手になるだろう。反面、ブロックに回る展開では真価を発揮しないため前のめりなデッキで。

トリュフ嗅ぎ

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 だいたいは『ネシアンの狩猟者』としてプレイするだろうが、+1/+1カウンターが載っているのはこの環境では純粋なボーナスである。もちろん、ライフゲインも緊急時には有用。

ガラクの血まみれ角

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 こういうデカバニラは強いデッキには居場所がないが、失敗したドラフトデッキでは相手の事故や油断につけこむ要員として価値がある。事故ゲーであるリミテッドにおいて、安いカードで作れる勝ち筋には一定の意味があるのだ。

人生は続く

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 『破滅の刻』より再録。近代では、赤単もバーンというよりスライであり、単純なライフゲインはさほど有効な対抗手段とはなりえない。とはいえ、サイドボードの選択肢が多いのは良いことである。

梢の忍び寄り

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 4マナ4/2が2マナ域と相討ちして2点ゲインと考えると最低値が低い。相手がシステムクリーチャーしかコントロールしていなければ強いが、それでも大抵は1:1交換に終わると考えると弱い。よって弱い。

レインジャーの悪知恵

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 『イニストラード』より再録。『顕在的防御』は強すぎたということか。

 『ケイラメトラの恩恵』や『神々の思し召し』との選択になるが、そもそも緑ならばこの手の効果はこれ一択である。

セテッサ式訓練

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 『テーロス還魂記』より再録。エンチャントがテーマの根幹にあったテーロスでは優良コモンだった。今回も2ドローやパワー4テーマをサポートしつつ、手軽に序盤の戦力を強化できるので悪くない。

漁る軟泥

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 もはや説明不要であろう、マジック史上最強クラスの2マナ域。ウーロ対策になると思われるが、実はウーロを使うデッキが使いウーロ一強体制を築く可能性のほうが高そうである。4枚持っていないなら、この機会に揃えよう。

ガラクの蜂起

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 置物へのヘイトがかつてないほど高まっている昨今、ビートダウンがこんな物をおいている暇はなさそうである。テフェリーされるし。

打ち壊すブロントドン

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 ずっとスタンにいるなこいつ。

落とし格子の蔦

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 『ラヴニカのギルド』より再録。後半ドローに変換できるので壁の中ではマシな部類だが、召喚酔いしていると即ドローできないのが痛い。「このターン2ドローしたいのにズレた!」とかはありそうである。

罠紡ぎ

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『灯争大戦』より再録。なんと飛行持ちをブロックできる上にブロック時は3/3になるため、飛行対策カードとして使える。

豊かな実りの聖域

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 盤面に触らない祭殿なので基本は黒と赤の添え物。ただ、これは触られにくいランプパーツとしてリミテッド、とりわけシールドでは単体採用可能かもしれない。好きな色マナが出るのもポイント。

剛力化

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 いつも思うが、『巨大化』じゃ駄目なのだろうか。

自然への回帰

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 こいつもいっつもスタンにいるな。BO1リミテで撃たれると超イライラするカード。

巨大な戦慄大口

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 もう見た。

 6マナ6/6トランプルはほんのちょっとだけ強すぎるな、というのが筆者のリミテッドでの所感である。

狩人の刃

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 個人的に、この手の"噛みつき"効果(一方的な格闘)はやめてほしい。緑は除去が無い代わりにクリーチャーが強い色だったような気がするんですが。

 リミテッドで全色に除去がないと調整がききにくいんだろうけどね。緑のトップコモンの一角。

・金

離れられない二匹、リンとセリ

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 絵が可愛い。カード名も可愛い。もうすべてが可愛い。でも箱プロモなのだけは可愛くない。

 カード的にはファンデッキを作るには丁度いい程度の性能。多相を絡めればいくらでも無限できると思う。さあ、デッキを作ってみよう。そして魂の洞窟で猫を宣言してドヤ顔しよう。

耽溺する貴族階級

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 初見時イラストが裸にしか見えず、「えっ!」ってなってしまった。

 それはそれとして、基本はリミテ用のマルチカードと思われる。スタンでは白単信心に黒を足す理由が出てくれば候補に上がる程度だろうか……それにしても、あのデッキに足りないのは攻め手ではないのだが。

知識鱗のコアトル

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 『アラーラ再誕』から再録。

 殴るときは最低3/3。受け手側としては急に育つ可能性もあってコンバットしづらく、見た目よりもだいぶ厄介なクリーチャーである。青緑はドローがテーマなのだろうか。

高山の犬師

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 赤白がカジュアルに2枚手札を増やしていて驚愕するが、まあ引っ張ってくるカードがさほど強くないので良しとしよう。

 赤白は犬を横並べする──多頭飼いがリミテにおけるテーマになるのだろうか。

凶兆艦隊の戦争屋

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 やはり赤黒はパクリファイスなようだ。ただ、アクトとさほど噛み合わない(奪ったやつで殴れない)ので、死に得クリーチャーも同時に集める感じになるのだろう。

偏執的な縫い師

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 青黒はリアニメイト。なのだが、こいつは4ターン目に(計7マナかかるが)『ゾンビ化』できる可能性があるという点で、構築でも採用される可能性はある。

 ただ、それも釣りがいがあるファッティが出るかにかかっているのだが……セットアップが大変な以上、グリセルレベルでないと厳しいか。

枝葉族の報復者

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 赤緑はパワー4+ランプ。4マナ4/3からマナを出したい場面はそうそうないだろうが、選択肢があるのはいいことだ。盤面が止まっていてもフィニッシャーになれるのは良い。

天球の見張り

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 クリーチャースペックも凄まじいインフレ具合である。青白飛行は1マナを連打するデッキではあるのでコスト軽減は意外と効力がなかったりするが、青白という色の特性上マナが浮いていると相手のプレイしにくさが段違いになるのは大きい。

議事会の導師

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 正しい(?)色になった『巻きつき蛇』。『敬慕されるロクソドン』が最期に一花咲かせるか。

ケルドの心臓、ラーダ

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 『クルフィックスの狩猟者』の亜種。攻撃的な性質が強くなっている。

 狩猟者は地上をがっちり止めつつライフゲインで時間を稼ぐ、ランプにピッタリなクリーチャーとして一世を風靡したが、まあやはりタフ4はやりすぎだったのだろう。処理されやすくなってしまっているが、その分アタッカー性能は上がっているのでビートダウンがサイドから少し重くしていくなら採用に足る1枚。また、次のセットがゼンディカーなので、上陸やそれに類する能力が登場すれば一気に化ける可能性もある。

万物の聖域

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 うん。

実験的過負荷

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 昔、タウンズフォークというクリーチャーサイクルがあった。

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 画像は『オデッセイ』のものだが、初出は更に古い。たしか『エクソダス』だったと思う。これらも構築で採用された実績はある。

 クリーチャー性能の全体的な上昇に鑑みて4マナ3/3くらいは欲しいところだが、2/2でもまったく悪くない。青赤をやるなら絶対にほしいアンコモン。

尊敬される語り手、ニアンビ

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 いわゆる救出クリーチャーに近いが、mayなので純粋にメリット能力である。重なってしまった伝説のカードをドローに変換する能力も、アドバンテージに直結するのでおまけとしては悪くない。

 一緒に登場したバリンと組み合わせるのが一番良い使い方だろうか。バリンのバウンスを使いまわしたり、相手の除去をスカらせつつドローしたりと相性が良い。

双刃の暗殺者

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 黒緑はいわゆる陰鬱能力がテーマなようだ。これは5マナ5/4キャントリップだけでも水準以上の性能で、2枚引ければ宇宙である。サクリファイスと違い、シナジーに寄せなくとも自然に条件は満たせるのもドラフトでは高得点。


・無色

精霊龍、ウギン

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 デカァァァァイッ! 説明不要!!

 さすがに強い。

彩色の宇宙儀(仮)

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 なんかスゲえカードではある。トロンからこれ出すと次のターン12マナ分好きな色のマナが使える。意味がわからない。これ、カラデシュ産なのだろうか?

 ゴロスを入れた予想外トロンにこれと根本原理とか入れてみたら楽しそう。また、ヴィンテージのゴロススタックスに入れてみても面白いかもしれない。突然マイコシンスの格子が壊れたように、こういう壊れたことが書いてあるアーティファクトは常に要注意である(カーンもあるし)。

灯狩人のマスティコア(仮)

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  3マナのアーティファクト・クリーチャーを見ると必ず「ワークショップから出すと強いか」という視点を持ってみてしまうが、これは「まあまあ強い」レベルである。

 似た性質を持つエルドレインの『石とぐろの海蛇』は、ラベジャーショップの定番カードとして定着した。

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 プロテクション(PW)というのは結局、ヴィンテージにおいてはプロテクション(ダク、テフェリー、オーコ、神ジェイス)と言える。 このうち、プロテクション(多色)でカバーできないのは神ジェイスのみ。よって、マスティコアを積極的に採用するには、トランプル、到達、ラベジャーとのシナジーを犠牲にした上で、ティム能力と破壊不能(あるいは、ディスカード)に大きな価値を見出すことが必要になる。

 そういったシチュエーションは……正直、現状のヴィンテージでは思いつかない。しかし、将来ショップにとって致命的な単色のPWが出現するとしたら、そのときはマスティコアに声がかかることもあるだろう。

トーモッドの墓所

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再録。昔の絵のほうが好き。

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精神迷わせの秘本

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 イラストが、ワイドショーの取材を避けながら車に乗り込む人のようである。

 性能的には『宝物の地図』に似ているが、貯金が基本的にデメリットという点でバウンスや破壊との相性は真逆になっている。

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 『宝物の地図』はビッグレッドのようなデッキでコントロール相手のサイドボードになったりもしていたが、こいつはどちらかといえば構えるデッキが暇な2ターン目に置いて、以後構えながら動くのに適した性能と言える。ライフゲインもそういったデッキでこそ活きるだろう。テフェリーでバウンスしてもよい。見た目よりも強そうなカードという印象を受ける。

真面目な身代わり

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 なんかペプシマンみたいになっているが、みんな大好きソーレンが再録である。

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 こいつはこの世のアドのすべてが詰まったワンピース(ひとつなぎの大秘宝)のようなクリーチャーである。特にリミテでは神なので絶対に取るべし。

 構築でも立派に実績があるが、現代のスピード感についていけるかどうかはやや疑問。しかし、ジャンドサクリファイスのピン刺し『移動経路』はこれに差し替えてもいい気がする。

隕石

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いいですとも

光輝の泉

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 再録。ランプやコントロールのお供である。よほどアグロに対しネガティブな意見が多かったのだろうか。

寓話の小道

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 あまりの再録の速さに驚くが、まあいい塩梅のカードなので常にスタンダードにあっても良さそうに思える。

追記 よく考えたらエルドレインとM21、同時にスタン落ちじゃねえか! この再録、マジ無意味じゃん!! ふざけてますよねこれ? 出てくる意味がないカードがパックから出てくるんですよ? これってトリビアになりませんか???

対抗色神殿5枚(画像略)

 あまりの再録の速さに驚くが、まあいい塩梅のカードなので常にスタンダードにあっても良さそうに思える。

 ……書くことがないので解説文も最速で再録してみたが、いかがだろうか。真面目に評すると、スクライランドはバランスはいいものの環境が遅くなるので、ここはファストランドが欲しかった。



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