山田もさく

小説家ではない者。 得意:嫌なことから積極的に逃げること。 苦手:プロフィールを書くこ…

山田もさく

小説家ではない者。 得意:嫌なことから積極的に逃げること。 苦手:プロフィールを書くこと。

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小説: ナックトゥ・ユングフラウ 前半一部

          1  裸を見られることに恥じらいというものがなかった。かと言って見せびらかしたいという痴女でもなかった。赤ちゃんの栄養となる脂肪の膨らみ二つを見られたからといって、なにかが起きるわけではない。 「お父さんがいて、思春期の弟がいて、下手に欲情されて、近親相姦とかなって、知恵遅れの子供が産まれちゃって、そんな面倒なことになりかねないので服を着ろ」とママは言ってはいないが、そういう目で睨んで「服を着なさい」と言った。  気をつけてはいるが、それでも服を着忘れる

    • 情報を操りし黒い土方 ~異世界転職希望~

      しがない私の職業を紹介させてください。 ボタンをポチポチ押して、メソポタミア文字に勝るとも劣らない不可解な文字列を作り出し、なにやら人の生活を便利にするらしいが、実体があるのかないのか不明瞭という、なんともあやしげであり、作業者の腰に多大なる負荷をかける、そういった重労働をしております。 ネットでは、「IT土方」と揶揄されていまして、子供ができたら恥ずかしくて言えないので、 「お父さんはね、システムエンジニアなんだよ!」とごまかすでありましょう。 転職したい理由??

      • 「ぽたちゅん」を見たことありますか?

        こういう生き物だよー。 雨の日に現れるよー 子供の頃はよく見かけましたー

        • 仕事をズル休み。

          前日から気持ちが不安定になっていた。 朝6時くらいに目覚めて、会社へ行く精神状態じゃないとわかった。 うんこちゃんの会社をズル休みする関連の切り抜き動画を見てたら、なぜか少し心に余裕が生まれた。 ドラえもんの映画を見ながらカルボナーラの茹でパスタを食べた。仕事を意識しないで良いお昼はなんて美味しいのだろう。材料費150円程度なのに。

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        小説: ナックトゥ・ユングフラウ 前半一部

          日記: 脳裏によぎったクッキー

          おじぃちゃんとクッキーを作った。 なかなか上出来であった。 ところで、「クッキー」という単語を聞くと、脳裏によぎる記憶がある。 小学校三年生の頃、同級生の女の子きぃーちゃんが転校することになった。 きぃーちゃんと、よく遊んだってことはなかったけど、優しくて上品な印象だった。 それで、クラスで送迎会が開かれることが決まって、役割分担をすることになった。 ・写真とみんなの手紙を載せた冊子を作る係。 ・お別れの言葉をみんなの代表として伝える係。 ・教室を装飾する係。 ・そし

          日記: 脳裏によぎったクッキー

          三行シリーズ: モバゲーから始まった。

          モバゲーというSNSの先駆けがあったなぁ 僕はSNSあまりやらないなぁ 色んな情報が入ってくると大変なんだよぉ

          三行シリーズ: モバゲーから始まった。

          モバゲーから始まった。

          中学生の頃、モバゲーが流行っていた。アバターという仮の姿をアイコンにして、いろんな人と繋がることができた。SNSの先駆けだったと思う。アバターはアニメのような姿で着せ替え人形感覚で、ゴスロリやナース、ドラゴンボールの悟空などに見た目を変えることができた。無料でたくさんのゲームができたようだが、僕はやり方を知らなずじまいだ。 同級生のほとんどが、モバゲーをやっていた。 通りすがり、 公園の階段に座っていたやさぐれた女子が言った。 「やまだー、モバゲーやってないのー?」 僕はモバ

          モバゲーから始まった。

          自己紹介が苦手でなにも話せない。

          初対面の人には自己紹介をするのが礼儀である。というわけで、なにを喋ろうかとても考えた。 まずは、一人称から決めようか。 「小生」はどうだろうか。 文化人みたいで、インテリジェンスな雰囲気が醸し出ているではないか。 ……。 いや、そうじゃない。重要なのは自分をなんて呼ぶとか、そんな記号ではない。凝った名前をつけて中身スカスカだと思われるのが、もっとも心外である。 僕は自己紹介が大の苦手で、うまくいった試しがない。 一発大爆笑をかっさらってやろうといった芸人魂がかかってしまい、

          自己紹介が苦手でなにも話せない。