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#14 超大型エキストラ

模索俳優・モサク(@mosaku_actor)です。

前回、大人数によるエキストラのお話をしました。
今回はさらにその規模を拡大したエキストラ案件でした。


ー 完 ー

さて、我々は朝に集合しバスにてとある競技場に移動します。

とても広い競技場です。サッカーも、陸上トラックも使用できるスタジアムです。もちろん陸上のトラックは例のゴム(?)の舗装です。
スパイクも専用のアレを使う奴です。

横道にそれました。

そんな巨大競技場で数百人が集まります。同じ事務所の同期もちらほら。

そんななか、スタッフさんから開口一番!

「到着していきなりですが、昼食をとってもらいます。そして、終わりまでノンストップで撮影します!!」

なんということでしょう!朝飯を食べてきているというのに、現場についていきなりロケ弁です。
過去にも似たようなことがありましたが、少し迷った末に弁当を食べます。
しっかり食べます。

なぜなら予感がありました。

「この案件、撮影が終わってバスで帰りつくまで飲み食いできないな」

そうです。スタッフさんの発言はどう考えても誇張されている風に受け取れません。なにより現場の空気感がそれを感じさせてくれます。
(さすがに水分補給はありました)

私もたかが数か月でこなれてきたものです。

他の人は、

「後から食べる時間があるだろう」

みたいな感じでお弁当を残していたりしていましたが、荷物をあっちこっち移動する際に行方不明になったりしているようでした。なむなむ。


さて、数百人規模の撮影ですが、一体感は求められます。盛り上がり方だったりきれいなウェーブを作ったりします。少しでも見栄えが足りないと即チェンジです。3回までのルールとかありません。
このあたり、ボランティアエキストラとして頭数だけで呼ばれていると、テンション上げられずに画面外にされてしまいます。
なので、我々俳優としてはテンションで負けることはできません。見栄えでバランスが悪いのは努力できないので、あきらめるしかありませんから。

そんなこんなで休む間もなく続けていると、いよいよトラックの中のシーンに移ります。そこで、お声がかかります!

「この中で一眼レフカメラに詳しい人いますか!?」

数百人に対して一斉にお声がかかります。周りが少し躊躇しているような雰囲気を感じるなか、私と、同じ事務所のもう一人で立候補します。
何故なら、ちょうど少し前の休憩時間でカメラの話をしていたからです。

「あのカメラカッコいいね。昔Nikonのエントリーモデルもってた」
「僕、持ってますよ。好きなんですよ」
「そういう趣味みたいなのも、演技に活かせればいいよね~」

そんな話をしておいて、挙手しないわけにはいきません。
選ぶのは向こうです!!

晴れてカメラマンに抜擢され、スタンド客からフィールド内のプレスに早変わりです。
これだけでめちゃ楽しいです。映ってないけど楽しいです。

そんな楽しいフィールド内撮影も終わり、スタンドで観客の続きをします。
スケジュールは押しながらも撮影は終わり、現場は解散してゆくのでした。


では、お疲れさまでした。ありがとうございました!!

【追伸】
報道陣役としてエキストラなどでカメラを手にすることが多いです。
その際に手にするカメラは、キヤノンさんのカメラが圧倒的です。
そして、毎回カメラを手にするたびに、一眼レフが欲しくなるのです。