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天狗党・聖地巡礼【予告】

憧れの「蝿帽子(はえぼうし)峠」に行けることになった。

一人では怖くて、かと言って誰かと行くのは、人よりはるかに登るペースが遅い私が迷惑をかけそうで腰がひけていたのだが、超弩級のラッキーが降ってきた。

大学時代の友達で、元山岳部、現NHK山岳カメラマン、「冒険登山のすすめ」という著作を持ち、最近では冬山登山者にイグルー泊をお勧めしている、イグルスキー米山君が、
「蠅帽子にご一緒しませんか?」
と声をかけてくれたのだ!

知らない方のために書いておくと、蝿帽子峠とは、岐阜県と福井県の県境にある峠だ。幕末に水戸の天狗党が真冬にこの峠を越えたことで、一躍メジャーになったスポットだ。あまりに僻地にある上、冬場は豪雪地帯である。一帯の集落は、のきなみ廃村になっており、蠅帽子峠を越えるルートは生活道路としての役割を終えている。
天狗党マニアがたまにやってくるくらいで、山としてもそんなに「名山」というわけではない。

しかし、私にとって、蠅帽子峠は聖地である。いつかは行ってみたかった、天狗党の聖地巡礼だ。
嬉しい!嬉しすぎる。どうしよう。

しかも、同行者は、先にも書いた山のプロ米山くんと、その山岳部の後輩松原さんだ。めちゃくちゃ頼りになるに決まっているのだけれど、どうやってもついていける気がしないのが申し訳ない。私にあわせて歩いたら、たぶん、てっぺんまで行けないと思う。
不安と緊張で今から胃が痛い。(嘘。胃はすごく丈夫)

だが、天気は良さそうだし、前泊するつもりで宿も予約してしまった。
決行は今週土曜日である。
天狗党の歩いたルートを逆走しようかと思っていたのだけれど、岐阜側から入って福井に抜ける、順走で行くことにした。
揖斐の博物館を訪ねるのが楽しみだ。
「揖斐を天狗党から救った人」として敬われている、棚橋衡平さんのお墓にも行ってみよう。

米山君とも、卒業以来だから34年ぶりくらいの再会だ。
「変わってないねえ」
などと、同窓会の定番のあのセリフを言い合いたかったのに、何を血迷ったのか、私は今日刈り上げの金髪にしてしまった。
変わりすぎだ。

どうか、雨が降りませんように。
天狗党の人たちが苦労して登った峠に立てますように。

**連続投稿139日目**


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