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プルタブから見える夫婦の世界

例えば、私が缶ジュースのプルタブが開けられなくて、爪でカシカシと音を立てている時。

横から

「まったくもう、なにやってんだよ、お前は! 缶ジュースのプルタブも開けられないのかよ。しっかりしてくれよ」

と怒ったように言いながら手が伸びてきて、簡単にプルタブを開けて渡してくれたとする。

「開けてくれた」という事実だけを受け取れば

「ありがとう!あなたってすごーい♡」

なんだろうけれど、わたしは

「自分でできるのに、なんで勝手に持っていくのかわからない。しかも、頼んでないのに、一方的に文句言われて、とても不愉快!」

と返すことが多い。
というか、なにも考えずに返すと大抵こうなっている。

ここでニッコリ「ありがとう!」と言えたら、あの単純な夫を掌の上で転がすのなんて朝飯前だと思うんだけど、なんかこの「してやってる感」がどうにも腹立つのである。

もし、立場が逆なら、わたしはまず気づかない。

プルタブが開かないで困ってるんだな?と判断するには、本人から言ってくるか、爪でカシカシする音が五分以上続かないと私のアンテナをかすりもしない。

私は困ったら言う。
だから、それまではほっといて欲しい。

世の中の可愛い奥様たちは、どうしてそこで、にっこり「ありがとう!」が言えるのだろうか?

不思議でなりませんのよ。

たかが、プルタブというなかれ。

待ってりゃできることを、おのれのペースでできてないからとイライラ取り上げ、やってやったんだから感謝しろよと上から来られちゃ、思春期の男子中学生じゃなくても暴れたくなるでしょうよ。

……という私の性格を理解してほしい、と思うのと同じくらい、
夫も自分の愛情表現に気付いて欲しいと思ってんだろうなー。

似たもの夫婦だってことかー。


#社宅妻

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