危うく死ぬところだったらしい、リチウムイオンバッテリーの大膨張
昨日はバイクで、今日はパソコンで、命を危険にさらすところであった。
始まりはこうだ。
しばらく前から私のノートパソコンの調子が悪かった。
Wordが重い。
タッチパッドの反応が悪い。
ネット環境だけはサクサク動いていたが、時々、パソコン内部から『カリカリカリ』と嫌な音がする。
今朝はついに、作業中のwindowを掴んで移動させようとしても、まるで動かなくなってしまった。
私は、マウスが嫌いなので使わない主義を貫いてきたため、タッチパッドが使えなくなると、作業ができない。
困っていろいろ調べているうちに、「BIOSの更新」と「タッチパッドの清掃」というキーワードが出てきた。
どちらも久しくしていない。
というより、タッチパッドの掃除なんて、購入以来一度もしていない。
試しにやってみようかと、BIOSのインストールをしている時に、タッチパッドを外してほこりを取った。
勘のいい方はお気づきだろう。
私は、何かをする前に、マニュアルを読むことをしない。
BIOSの更新中に、PCの入出力に関係する機器を触ってはいけないと警告が出ていたのに、完全に無視して掃除をしていた。
時すでに遅し。
再起動後の画面は、タッチパッドが反応しないどころか、ポインター自体が消えてしまっている。
キーボードからのコマンド操作以外、何もできなくなってしまった。
やばいやばい。
仕事がたんまり残っているのに、パソコンが使えなくなってしまった。
ここはプロに頼るしかないだろうと、パソコン修理の専門店に電話をして状況を説明し、パソコンを持ち込んでみると、そこで初めて生命の危機を指摘されたのだった。
「これ、バッテリーが爆発する直前くらいまで膨らんでますよ。よく無事に今まで使ってこられましたね」
言われてみれば、しばらく前から、作業中にPCの裏面が発熱中のホッカイロよりも熱かった。
ふたを閉めようとしても浮きあがってしまって、閉まらなかった。(この時の写真を撮っておけばよかった。すごかったのに)
タッチパッドが反り返って、本体との間にボールペンの先が入るくらいの隙間ができていた。
これらすべては、バッテリーが膨張していたからだったのか!
「すっごく急ぎの大量の仕事があって、しばらくは、これを使わざるを得ないんですが、何とかなりませんか?」
と相談すると、膨張しきったバッテリーは取り外してしまい、タッチパッドの代わりにマウスを使って作業するようにしたらどうか、と提案していただいた。
「ここでバッテリーを取り外せますか?」
「ちょっと危険なので、やりたくはないですねえ。圧力をかけた瞬間に爆発することもありますし」
「!」
そんな危険な兵器と、この数か月いっしょに暮らしていたとは。
ふたが閉まらなくなったのは、正確にいつのことだか覚えていないが、たぶん、一年以上前から膨らんでいたはずだ。
この状態がデフォルトになってしまっていて、異常だと思っていなかった。
「充電している間に、突然発火したりして、家が火事になる事故も多いんですよ」
知らなかった。
枕元でパソコンを充電しながら眠っていたし、充電したままでかけていた。
リチウムイオンバッテリーが、そんな恐ろしいものだったとは。
「仕方ない、危険を顧みず、自分で外すしかないか」
覚悟を決めて帰宅する。
途中で、マウスを買いに家電量販店に立ち寄ると、一画に「パソコン修理コーナー」があった。
もしかして、ここなら……と望みを託して、カウンターで聞いてみると、取り外しも、バッテリーの処分もお願いできるという。
料金6000円は痛いが、自分でトライして家を燃やしたり、爆死してしまうよりずっといい。
作業をお願いして、私はマウスを選びにできるだけカウンターから離れたのであった。
以下の写真は、そこで取り出してもらった、ノートパソコンのリチウムイオンバッテリーだ。
倍以上の厚さになっている。
この中には、酸素がたまっているらしい。
外圧というのが、どんなことを指すのかわからないが、パソコンを落としたこともないし、何か重いものをぶつけたこともない。
一説によると、充電ケーブルをつなぎっぱなしにしているのが、よろしくないらしい。
それなら、心当たりがある。
私はケーブルを外して使う方が稀だった。
今後、新しく買うパソコンは、絶対にフル充電したら、一度はケーブルを抜くことにする。
iPhoneも、モバイルバッテリーもそうだ。
つなぎっぱなしは、発火の元。
適切に抜き差しを実施したい。
最後の一枚は、タッチパッドを外したところ。
バッテリーが鎮座していた空間がスカスカになってしまい、軽すぎてバランスが取れない。
この状態で、あと何日作業ができるか。
先ほどネットで購入した新しいパソコンが届くのが一週間後。
それまで、何とか無事に作業させてほしい。