終の住処を探す旅に出ている③周防大島編
旅の初日に膝を痛めた夫を引き連れて、旅はまだ続く。
3日目の今日は、山口県の周防大島だ。
憧れの島暮らし。
しかし、島といってもナメてはいけない。
周防大島は「二十四の瞳」で有名な、あの小豆島に次いで、瀬戸内第3位の面積を誇る島なのだ。(ちなみに第1位は、言わずと知れた淡路島。小豆島の4倍近い広さがある)
宿の都合で岩国でレンタカーを借りたのだが、島まで往復約2時間、残りの4時間で島を一周出来るかと思って予定を組んだのに、まるで無理だった。
広すぎる!
その上、道が細くて、私の運転技術では怖くて侵入できないところも多い。
が、当初の目的である
①海の様子
②ゴミの出し方
③お祭りの多さ(つまり自治会活動の制約の多さ)
などはわかった気がする。
まずはこちらをご覧いただこう。
ゴミ出しのルールだ。
捨てるものにわざわざ「記名せよ」と書いてある。
マジですか?!
名前を書かないとゴミを持っていってもらえないってことだろうか。
その日、出してはいけないゴミが混じっていると、だれかしらが点検してくださって、
「はんださん、さっき、袋を開けて点検したら、これがはいってましたけど、今日は燃えるゴミの日だから、それ出しちゃダメなんですよ。はいやり直しー!」
と、言いにくるってことだろうか?
そんなにもルールを守らない不届きものが多いのか、それとも、ここではゴミに関するプライバシーが無いのか。
これを見た瞬間、ここに移住してやってみたいことができた。
決行は、週に一回の燃えるゴミの日だ。
その日、100個のコンドームに少しずつ牛乳を詰めて結び、でかでかと夫の名前を大書したゴミ袋に入れ、ゴミ置き場にどっかりと置いてみるのだ。
リアリティを出すために、イカを捌いた包丁を拭いたティッシュも、一緒に詰めたほうがいいな。
開けた人は相当ギョッとすることだろう。
これを1ヶ月続けたら、周りの人の我ら夫婦を見る目はどう変わるだろうか。
ものすごく英雄視されるか、変質者扱いされるか。
いずれにせよ、迂闊には近づいてこなくなるだろう。
面白そう。
これは、移住してみたくなってきた。
ここまでやったら、プライバシーを平気で侵害することの怖さや、知らなくてもいいことを知ってしまう気持ち悪さをを、多少なりとも理解できたりしないだろうか。
なんだって、こんな、気持ち悪いルールが採用されているのか。
私は絶対に、よその家のゴミなんか漁りたく無いぞ。
コンドーム作戦やってみてもいい?
ねえ、いい?
初っ端から、個人的に不快すぎるルールを見つけてしまい、テンションが変な方向に上がってしまった。
気を取り直して、ここからは島のいいことだけを書いていこう。
まず、海!!
とにかく綺麗だし、真冬だというのに、釣り人がいる。
冬でも、堤防からの投げ釣りができる程度に暖かいってことだ。
最高じゃないか。
潜ろうと思えば、もぐれるんじゃないか?
続いて食事!
大晦日の今日、営業していたお寿司屋さんの握り寿司(並)。
いずれも、とんでもなく美味しかった。
ネタが新鮮過ぎてコリコリしていたし、全ての切り口の角が、舌ではっきりわかるくらい、ピンと立っていた。
魚の磯くささがまるでなく爽やかで、特に穴子は、とろけるようにフワッフワだった。
この穴子のためだけに、ここに住んでもいいとさえ思ったくらいだ。
今も、海の幸に恵まれた敦賀に住んでいるので、けっこう魚には厳しい目を向けてしまいがちだけれど、ここはいい。
瀬戸内のお魚、アンビリーバブルに旨い。
これを釣って食べられるなら、毎日、お魚でもいい。
あと気にいったのは、島中どこに行っても柑橘類の畑があることだ。
みかん、金柑、あと、写真のなんだか良くわからない大きな柑橘類。
これは幸せだ。
柑橘類、大好き!
耕作放棄地も多いので、畑をお借りして自宅消費用夏みかんを植えるのもいいなー。
あと、適度に人が少ないところも気に入った。
これはかなり好ましい。
人が多いとそれだけで、ストレスフルに感じる体になってしまった。
ゴミ袋記名問題さえなんとかしてもらえるなら、周防大島への移住、アリだな、と思う。
**連続投稿333日目**
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