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食べものが感情を乱高下させる体験

メンタルが、食べ物に引きずられる経験を初めてした。
かなり恐ろしい思いをした。
記録のために書き残しておく。

4日前、冷蔵庫の中には小さめのホールケーキが3つあった。
ひとつは友人から、1つは娘から、一つは自分で買ったものである。
私のバースデイケーキだ。

夫は甘いものを食べない人なので、ケーキは自分で用意するしかなかろうと、ワクワクしながらお取り寄せしたら、なんと娘と友人からのプレゼントがかぶってしまったのだった。ありがたい。その時には、「たくさんケーキが食べられてしあわせ」くらいにしか思っていなかった。

全て「冷凍」で届いたので、あまり焦らなくてもよかったのだが「おいしく召し上がっていただくためには、到着から7日以内を目安にしてください」「解凍後は1日以内にお召し上がりください」とすべてのケーキの箱に書いてある。

つまり、最初のケーキを解凍したら、それを24時間以内に食べきり、次のケーキを解凍し、ということを1週間以内に3度繰り返さなくてはならならない。

私はこの1年ほど、主食をオートミールにしており、しかも主食を頂くのは1日1回朝だけと決めていた。(夜は普通にお肉も魚も野菜も頂いている)
だいたい朝昼兼用のブランチを10時過ぎに食べる。そのまま、1日中外に行かない日もあるため、朝しか主食を食べなくてもお腹がすかない。また繊維質の豊富なオートミールは腹持ちが良く、特に我慢しなくても、そういう生活サイクルで過ごしているうちに体が順応してしまった。

なので、体がそんなに短期間に怒涛のスイーツを摂取することに、まるで抵抗がなかったのだと思う。私はケーキを消費するために、オートミールも食べずに過ごしていた。今思うと、それもよくなかったのだと思う。

2個目のケーキを食べ始めたあたりから、自分の感情にものすごい波が生まれていることに気づいた。食べた直後は『ああ美味しかったなあ』と多幸感であふれているのだが、そこから急転直下で、どよんとした気分にまとわりつかれるのである。そのうち、その「どよん」は、「どよん」なんて生易しいものから、「不安」「恐怖」へと進化した。

わけがわからない。
環境は何も変わっていない。自分を不安にするものも、恐怖に陥れるできごとも何もない。なのに、意味もなく不安で動悸が激しくなり、恐怖で叫びだしたくなるのである。
我が家は社宅の4階にあるのだが、ベランダに出ると飛び降りてしまいそうで自分が怖かった。原因がわからないことが、何よりも不安だった。

しかし、この数日、変わったことと言えば、これしかない。
甘いものの急激な摂取である。
「甘いもの メンタル」で検索すると、血糖値の乱高下が感情を乱す、とくに血糖値の急激な低下が不安やイライラを増大させると、医学情報サイトに書かれていた。

それによると、蕎麦やオートミールは、食後ゆっくりと血糖値が上がり、ゆっくりと下がる食品の代表格なのだが、スイーツは、一度に大量の砂糖を摂取する食べ物であるため、食後の血糖値が急激に跳ね上がる。
するとその上がった血糖値を下げるためにインスリンが大放出され、今度は一気に血糖値が急降下する。その最高値と最低値の落差が激しいと、脳は、今食べたばかりなのに「飢え」を感じるのだそうだ。

すると、その「飢え」に対応するために、アドレナリンやノルアドレナリンが放出されることになる。しかし、実際に体は飢えていないので、それらホルモンが活躍する場がない。血液中にあふれたそれらのホルモンが、神経系に作用し、不安やイライラや恐怖を引き起こすということだった。

なるほど。理屈がわかったことで少しだけ安心した。
まだ少しドキドキしている。
年をとり、大きな変化に対する恒常性が失われ、食生活の急変に対応できない体になりつつある、ということも大きいのだろうな。

甘いものはしばらく控えようと思う。

**連続投稿102日目**


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