艶漢 14/尚月地

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読了日2020/01/06

透羽子と再会した詩郎が思いの丈を打ち明ける。
醜い容姿で忌まれてきた透羽子は自分自身の使い道に絶望していたが、すべてを捨てて自分とともに生きようと誘ってくれた詩郎の手を取る。

南部、そして外界への脱出に向けて詩郎たちの逃走&闘争が始まった。

美麗な画力にくわえて、さらに裸体に近い詩郎の戦闘シーンにおける太ももや背中の反り、筋肉の浮かび方が細かく描写されている。
芸が細かい。
それでいて透羽子の独白も深い。
醜い容姿だからこそ、覇族の役に立てるなら自己犠牲を厭わなかった透羽子がついに自分の幸せをつかもうとしている。

透羽子はその辺の少女マンガにおける「私かわいくないから……」系の女子とは一線を画す描かれ方をしている。

けっこうブス度が高い。

尚月地先生、わりと容赦なく透羽子を描いている。
だからこそ透羽子の救われなかった過去から形成された内面の暗さ、他人を信用しきれない不信感、洗脳されやすさが理解できる。

透羽子、めっちゃわかる。

差し伸べられた手を私なんかが掴んでいいのか、相手の重荷にならないか、迷惑ではないか……。
透羽子はとにかく、自分よりも他人を思える優しい子なのだ。

のちのち、詩郎たちを裏切ったりしないでほしいと強く思う。
尚月地先生、そういうのけっこうやるから……。

あとはいつもどおり、美形と変態が同居した男たちの乱舞祭りだった。
本命の安里ちゃんの出番が少なかったのがさみしかったけど、そこは尚月地先生、ラストにおまけマンガで安里ちゃんを主人公にしてくれた。

かっこいい……安里ちゃん……半裸に黒ジャケットとか……ポニーテールとか……性癖ドストライク……

本編では詩郎のストーカーもカッコよすぎるのに、真顔で史上稀に見るど変態プロポーズまでしてくるの。
このマンガは時折、常軌を逸している。

だから好きなわけなんだが。

美形と変態が好きな人にはオススメしたい。
そろそろ終盤なんだけど。(多分)

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