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【アークナイツ】危機契約という発明のすごさを語るおはなし

先日、ソシャゲ「アークナイツ」のすごさについて触れたnoteを公開したのですが、今回はさらに踏み込んだ記事を書きたいと思っています。

(参考記事)
【都々逸】同じ盆栽育てるならば 品評会が ある方がいい【アークナイツ】

前回も取り上げたのですが、アークナイツにはエンドコンテンツ「危機契約」というものがあります。数ヶ月に一回「育成の集大成」のように高難易度ステージをぶつけてくる「開発部vsユーザー」のバトルなのですが、このコンテンツの特徴は「基本ステージそのものは『若干難しめ』程度であるものの、そこにユーザーが『縛り(ハンデ)』をつけ(※これを、アークナイツ内では『等級を上げる』と表現します)、より高い等級を目指す」というものです。

アークナイツの縦軸が「ボスの進行と雑魚の進行をおさえるタワーディフェンスゲーム」です。そして、

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危機契約においては、ステージを攻略するなかで上画像の青反転しているところのような縛りをつけ、自分の持っているキャラクターやレベルに応じて適正な難易度を自分で組めるという特徴があるわけです。(もちろん一定の等級までは、高めた等級に応じて報酬が用意されています。限度を超えると自己満足であり「やりこみ」の域となります)

左列「背水の陣」〜「峻険地形1」までが下部の▲に対応、右列「体力2」「待機命令」が下部の▲▼に対応しています。書いてある内容は意味がわからなくても、要するにどのハンデをつけるかを選べるかだけ理解いただければ結構です。
アークナイツは「試行錯誤」と「知識の練度」を高めるゲーム。だからこそ、内容の調整をするということに関して、集大成である危機契約というコンテンツはこのゲームにおいて最大の発明であるし、その調整の仕方も単調ではないのです。

敵が五月雨式に襲撃してくるゲーム。難易度を調整しようと考えたら、真っ当な思考だったら「ボスのステータスを高めよう」とか「雑魚のステータスを高めよう」「雑魚の数を増やそう」ってなりますよね? もちろんそういうストレートなのもあるのですが、技巧派な縛りもかなりあり、それがかなりクリティカルなケースがあります。例えば上記画像で言えば「峻険地形1(マップ上の2つのマスが配置不可に)」。「他のマスに置けばいいだけでは?」と思われそうなんですが、完全に思考を読み切られているように、回復キャラが前線に回復を飛ばせるマスを見事に封じてきたり、一番敵のラッシュがあるコアなマスを封じてきて重装(タンク)による我慢戦術を取れなくしてきたりするわけです。

例えるなら「カレー大食い」というチャレンジがあるなかで、食べさせまいとする店側の難易度増しメニューにオーソドックスな「ご飯増し」「ルー増し」に並行して、「スパイスの辛味アップ」とか「ルーの粘度アップ」みたいな味のエグみの責口、また「サラダなし」「水をスムージーに」みたいな横攻めを用意しているようなものです。

まさに「開発部からの挑戦状」。当然ゲームである以上入念なテストプレイはされており、解けないようにはできてないのですが、用意された「想定」、そしてプレイヤーの執念による「想定外」の発見による拍手喝采が危機契約のたびに起きている、まさに双方向……Yoster(開発)とユーザーのフリースタイルダンジョン。ラップバトルを感じている次第です。

特に「とんでもないな」と思った縛り方は

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このステージ「危機契約3」。画面左端と真ん中右にあるダクト(気流発生装置)は風向きの方向に置いたキャラクターの行動速度を30%増してくれる(逆向きだとマイナス30%)装置。オーソドックスな攻略術においては上記の赤丸のところに前方5マスを攻撃してくれるキャラ(イフリータ)を左向きに配置し3列をにらませるというのが鉄板でした。
ここで開発が仕掛けてきた縛りがなんと「突風転向」(気流発生装置の位置と方向を変更かつ垂直に向けてキャラクターを配置した際に15%攻撃速度ダウン)。この縛りをつけるとまんなかの灰色のマスに気流発生装置が移動し、なおかつ風の向きも逆向きにになります。ここでお察しの良い方は気づくでしょう。オーソドックスな攻略によるキャラクターの使用が完全に封殺されるわけです。
上述のイフリータは上述の攻略時に比べて60%戦力ダウン。左の列の気流発生装置を利用して右向きに置いていたキャラクターも完全に見直しが必要となります。見た目は使えるマスの数自体は減ってなくて大して影響がなさそうな地味ないじり方に見えるのですが、とんでもなくクリティカルないじり方。ここには技巧の極致を感じてしまいました。(きつそうなら選ばなかったらいいじゃんという声もあるかと思いますが、これを避けると真っ当な「ボスのステータスアップ」を選ぶ必要が出てくるジレンマに悩まされるわけです)

だからこそ達成感もひとしお。一定の等級までは、勲章(いわゆる「実績システム」)があるのでぜひともたどり着きたくなるし、勲章程度であれば廃課金でなくてもチャレンジと知識でたどり着ける領域というバランス感があるわけです。
危機契約はいわゆるスタミナの消費がなく「頑張って試行錯誤で突破してね!」という開発からのエールがある、ソシャゲらしからぬコンテンツです。シナリオもシステムもとにかく武骨でありながら、キャラクターは「性癖の博覧会」という高低差で耳がキーンとするゲーム。本当に、人を選ぶながらも、選ばれし精鋭が離れられないゲームと仕上がっています。

前回執筆した、

【都々逸】同じ盆栽育てるならば 品評会が ある方がいい【アークナイツ】 、

そして今回の記事で、ぜひとも興味を持ってもらえたら……ユーザー冥利です。
私のように「キャラクター沼」に惹き込まれて、そこから「システム沼」にはまってみませんか? 楽しいよ、タノシイヨ……(ズブズブ)


いずれいっぱい記事を書いた暁にでも、コーヒーでもおごってやってください……!