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池田芳正氏ゲートルーラー解任から垣間見える「大人の事情」と「今後の展開」

味をしめる記事で失礼いたします。
再び「ゲートルーラー」界隈において起こったトピックスについて筆を執らせていただきます。過去「ゲートルーラー炎上に学ぶ現代カードゲームのプロモーション」というnoteを執筆し、他の記事と比較にならないアクセスとスキを頂戴いたしました。今回の記事と直接のつながりはないのですが、トピックスに関する「捉え方」を提示するために引用いたします。

捉え方は前項記事の通り……お察しの通り、私は決して氏に対して好意的な印象を持っておりません。しかし、この手の記事を書こうとするときは毎秒意識しているのが「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」にならないこと。感情的にならず、事実考察を心がけるようにいたします。

前文(記事引用)

2021年8月4日発表された情報は「弊社開発スタッフによるSNS上での不適切な発言についてのお詫びと処分に関するご報告」のとおり。その中から要点となる部分を抽出し引用すると、

この度は弊社開発スタッフ 池田芳正 が、有限会社 遊縁 様が運営する Discord サーバー「カードキングダム Discord店」内のチャンネル「discord居酒屋」において、個人への強要・誹謗中傷を含む複数の不適切な発言を行いましたことをお詫び申し上げると共に、それを受けての処分についてご報告を差し上げます。

(中略)

開発ディレクター:池田芳正
→ 開発・広報・運営・その他ゲートルーラー関連業務とプロジェクトからの解職

加えて、今回の引責として弊社役員の総辞任を発表致します。
代表取締役:村田正樹 → 辞任
代表取締役:松本好史 → 辞任
取締役  :高本隆彦 → 辞任

また、あわせて今後の展開について「今後の商品展開と開発体制について」で

第3弾「エース参戦!」
既に開発が終了し、生産体制に入っておりますので、予定通りの発売とさせて頂きます。
近日中には発売日や商品情報等をアナウンス致しますので、詳細は今しばらくお待ち頂けますと幸いでございます。

第4弾
一部カードの設計・開発は池田が着手しておりましたが、残りを新体制にて引き継いで進めて参ります。

それ以降の商品について
新体制に完全移行した上で開発を行う予定となっております。

ゲートルーラーの原案およびゲームデザイン・カードデザインを担当しておりました池田の解職に伴い、商品の開発体制にも変更が発生しております。
第4弾以降、新体制のもとでユーザーの皆様により一層楽しんで頂けるカードゲームをお届けできる様に全力を尽くす所存です。
開発一同、より愛されるカードゲームに向けて最大限の努力をして参りますので、何卒よろしくお願い致します。

とあります。

人事処分から見える「大人の事情」と「行間」

なるほど。落とし所は理解しました。
「会社のスタッフのコンプライアンス上の問題の責任のため、役員が総辞任する」。一見道理が通ってるように見えるのですが、私にとってはちょっと「重くない!?」と感じる部分があります。
「池田氏はブシロードに裁判起こされるような人物なんだから当然だろ」という声もあるかと思うんですが、ブシロードの訴訟相手先は池田芳正氏および株式会社スタジオ池っちであり、ゲートルーラーの販売元である株式会社大遊は含まれておりません。(参考:2020.1.8 株式会社ブシロード インフォメーション 池田芳正氏およびスタジオ池っちに対する訴訟の提起に関するお知らせ
したがって、道義的にはブシロードと池田氏の裁判は今回の引責にかかる加点事由とはなりません。暴言・ハラスメントは確かに悪いことであり、音声データの真偽に係る裏取りをしていないことから内容は述べませんが、発言が事実であればそれは処分の対象に然るべきものだと思います。
ただ、暴言の処分であれば当人(池田氏)だけでも納得感は通る。そこに役員総辞任を合わせたことの本質について、私は「沈みかけた船を徐々に分解して海に還そうとしてるな」と思いました。オブラートに包まずに言えば「ゲートルーラーサービス終了に向けた布石を打ったな」です。

当事者ごとに処分と今後の展開を記載すると、

辞任した役員3名:問題となったスタッフを処分し、自分達も責任を取ったという体裁を取る形で、成長性のないプロジェクト及び会社から脱出した

株式会社大遊及びゲートルーラー広報:池田氏がプロジェクトから正式に抜けることによりゲートルーラー広報上の障壁がなくなった(内部情報をリークされる恐れがなくなった)

ゲートルーラー開発・資金調達(金融機関):良くも悪くもプロジェクトの中心であった池田氏がプロジェクトから関与しなくなるということを正式に周知することにより、今後売上の状況上プロジェクトを畳まなくてはいけなくなったときに理由のスケープゴートとして池田氏を使いやすい(例:ゲートルーラーは池田氏の知名度に依存した属人的なプロジェクトであったことから、その状況を持続できなくなった状況下においてプロジェクトを継続することが難しい 等)

という形です。三方一両得、「損切りをうまくしたな」という印象です。
なお、役員の総辞任。おおごとに見えますが、実はそうでもないです。ゲートルーラーの発売元である株式会社大遊は設立が2020年11月4日、資本金900万円の設立間もない法人で、ホームページの作り上、事業もまだゲートルーラーの運営のみでしょう。インパクトは見た目ほど大きくありません。
……ただしそれは処分の話。今後の事業展開には非常に瀬戸際な状況です。代表取締役(社長)の役目は「銀行等に事業の青写真を広げて融資を募る」ことが重要な責務の一つなんですが、この状況の株式会社大遊に進んで社長就任したいという豪胆はいるでしょうか? 正直めちゃくちゃ厳しいでしょう。事業を存続する金回りの工面ができるのかという心配にすらなります。

上述引用の通り第4弾は新体制で引き継ぐと記載はしていますが、これにおいて発売時期や世界観等の詳細はありません。かの漫画の名言の、「出す! 出すが今回まだその時と場所の指定まではしていない」です。
「引き継いだ結果、第4弾をリリースせずプロジェクトを畳む」ということも可能性として考えております。どういう展開上であれ、第4弾の構想はあることを明言しないとその前弾(第3弾)が売れなくなるから触れざるを得ない。継続性のあるゲームというものってそういうものですよね。

フォロワー数12万超でもサービス終了するんです

未だに私の中で尾を引いてるのですが、かのDTCG「ドラゴンクエストライバルズ」がサービス終了告知をした日の公式アカウントのツイッターフォロワー数は12万を超えていました。もちろんプロジェクトの規模・損益分岐点に雲泥の差があれども、継続したゲームの提供というものはかくも難しいものなんです。
一方、ゲートルーラーの公式アカウントのフォロワー数は4000くらい(執筆日現在)。ゲームの継続性が心配になるファン数ではありますよね。
運営側や融資している金融機関等の立場から見れば「たたみ時」を模索する規模と考えられても仕方のない水準です。それを考えれば、今回の人事の処理はゲートルーラー終了の……そして株式会社大遊の清算処理を視野に入れてのソフトランディングに向けた第一歩だと考えております。

まとめると、私は「近い未来に(第4弾を出さずに)ゲートルーラーはサービス終了するのではないか。その際には株式会社大遊は清算されるのではないか」という想定をしているスタンスです。

ここからは、お約束

以上記載につき、公開されたプレスリリースから経理屋目線で分析した想定にすぎず、風説の流布を意図してはおりません。
また、アイキャッチイラストのバナー及び「ゲートルーラー」の著作権は株式会社大遊に帰属します。

これをご覧になった方のゲートルーラーの未来についての考え方をコメントやツイッター反応等で教えてもらえたら私はすごく嬉しいです。
前回の記事似合っては喧々諤々と議論がかわされ、すごく刺激を受けました…!

今回も、対戦よろしくおねがいします。


いずれいっぱい記事を書いた暁にでも、コーヒーでもおごってやってください……!