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借金を膨らませたのは誰 -欺かれる人々(9)

 ハシシタ氏は知事に就任して以来「収入の範囲で」との号令のもとに、市民からは容赦なく奪いました。実はその一方で大手の金融機関からは回収しようとしませんでした。赤字を縮小しようともせずに、どんどん膨らませました。そして、それを受け継いだ松井知事の時代に起債許可団体(公債の発行に国の許可が必要)に転落しています。

 府民に対しては「逃げ得は許さない。」と「債権回収の強化」を打ち出しています。市民へのあらゆる年齢層に対して補助金、助成金を廃止減額した上で、「債権特別回収・整理チーム」を設立させています。
 「債権の回収及び整理に関する条例」「税外収入延滞金徴収条例」を交付施行して、「債権回収・整理計画」を策定公表し、回収整理に積極的に取り組む。となっています。
 まるで、町金の取り立てです。吉村氏もハシシタ氏も、消費者金融の顧問弁護士をしていた時代があったので、その時の経験がいかされたのでしょう。
 ハシシタ氏は、知事そして市長になってからも同じ事業を行っています。

 ハシシタ氏が知事に就任した当時、バブルの負の遺産の処理が行われている最中でした。
 「りんくうタウン事業」のマイナスが膨らんでしました。この年、元金償還6,771億円、そのうち利息分だけで1,744億円にのぼっています。収入と支出では、1,634億円のマイナスになっていました。
 
くち原議員が、平成20年度会計決算特別委員会で以下のように質問しています。

 当時の大和銀行グループなど七企業グループは分譲契約を結んでおきながら、バブル崩壊で撤退するという事態になりました。当時のりんくうタウン分譲では、契約時に20%、一年以内に30%の中間金を支払い、未納の場合は10.7%の延滞金を支払うと、こういうことになっていたのにもかかわらず、銀行などは一たん府と分譲契約をしながら、その契約を履行せずに延滞金や中間金を全く支払わないと、こんなことをしてきたわけであります。
 このような銀行に対しては、せめて銀行に入る金利や手数料については銀行負担とするなど、銀行の社会的責任を果たすよう求めるべきではないでしょうか。そのことによって、府民負担を軽減すべきではありませんか

それに対して、当時の管理課長が以下のように答弁しています。

 銀行の社会的責任につきましても、通常の商取引の一環として行われたもであり、責任はないもの

 市民からは、何万円単位のお金を回収に奔走させています。その回収したお金で、金融機関には利息を払う事はあっても契約不履行に対しては何もしていないのです。

 市民には、「収入の範囲内で」と、あらゆる予算をカットしながら、他の事であらゆる屁理屈を付けて公債を発行していたのです。
 松井知事の時代に「起債許可団体」に転落していますが、この時の発行した公債も一因です。

 維新は、暗黒の10年前といいますが、暗黒時代は維新が原因です。