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モロ先生の授業「メタバースに飛びつく企業が作る世界観がダサすぎて泣けてくる」

このnoteは2023年8月4日のstand.fmの音源、『サウンドフリージョイ公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。

「面白くない」から、細かい話になってしまう

以前、コルクの佐渡島さんのYouTubeチャンネルで、編集者さん同士でお話しされていて、それがすごく面白かったんです。
 
その対談は、「主人公がこの設定である理由をどこまで固めた方がいいのか、加減が分かりません…」という新人漫画家さんの相談から始まるんですけど、「主人公を悪魔のキャラクターにしたいんだけど、『なぜ、悪魔』なのか?」という理由が必要ですよね?」という新人漫画家さんに対して、佐渡島さん達は「実は、そこは本質じゃない気がする」と答えるんですね。
 
「『悪魔キャラでやりたい』と思ったら、それをやればいい」みたいなことを言うんです。
 
で、面白かったのは、ここからで、その動画に出られていた編集者の「畑中さん」が推察するんです。
 
「もしかすると、担当編集者の方から『この人が悪魔である理由は何ですか?』と聞かれて、それに対して、「ああ、『やっぱり、もっと理由が必要だよね…』というモードに入ってしまっているんじゃないか?」と。
 
たしかに、担当編集者さんから、そう聞かれたら、新人漫画家さんが、そういうモードに入ってしまうのも分かりますよね。
 
ただ、畑中さんも、そして佐渡島さんも「それは、主人公のキャラクターの設定が甘すぎるから聞いたわけではなくて、(漫画が)面白くないから聞いたんだ」と言うんです。
 
編集者としては、漫画家さんが命を削って描いていることはよくよく知っているから、「面白くない」という言葉は使いなくない、と。
 
だけど、事実として、目の前に出された原稿が「面白い」というラインに届いていない。
 
だから、「どこでエラーが起きて、面白くないものが出来上がってしまったんだろう?」という原因を探る為に、「(ちなみに)主人公が悪魔である理由は何なんですけ?」と聞いたのでは?…というのが畑中さんの推察で、これには佐渡島さんも「ほんと、ソレ!」と同意されていたんです。
 
お二人のあの盛り上がりを見るかぎり、「編集者あるある」なんだと思います。
 
僕、たまたま同じタイミングで、サンドウィッチマンさんと、漫画『魁!!男塾』の宮下あきら先生が対談している動画を観たんですけど、これがもう本当に最高で、これは動画の中で御三方がイジってるんですけども、『魁!!男塾』の登場人物の設定って、ガバガバなんです(笑)
 
『大豪院邪鬼』というガタイの良い(身長190センチぐらい)の敵キャラがいるんですけど、物語に初めて登場した時の『大豪院邪鬼』って、40メートルぐらいあるんです。
 
中学生か、高校生ですよ。で、40メートルぐらいあるんです。
 
そこから、回を重ねるごとに『大豪院邪鬼』の身長が小さくなっていって、最後には190センチぐらいで落ち着くんですけど、これに対して、サンドウィッチマンさんが「大豪院邪鬼って、なんで、最初、あんなに大きかったんですか?」と宮下先生に聞いたところ、宮下先生が「いや〜、なんかデカく描きすぎちゃったんですよね〜」とお答えになられて、大爆笑が起きるんですけども、要するに、ただのミスなんです。
 
それ以外にも、サンドウィッチマンさんが、「先生、あれはどういうことなんですか?」と色々と質問をぶつけていくんですけども、それに対して宮下先生が「いや、そこまで考えてなかったです」と返していくんです。
 
「毎週連載なんで、難しいですよね〜」とか言って。
 
でも、僕も当時、『魁!!男塾』を読んでましたが、それで全然オッケーだったんです。
 
なぜなら「面白かったから」。
面白かったら、いいんです。
面白くないから、細かい話になっちゃう。
 
作り手として、この順番は絶対に間違っちゃいけないなぁと自分に言い聞かせつつ、前々から気になっていたことを、今日はお話ししようと思います。 

メタバースは「世界観ファースト」じゃないと全く意味がない

「新しい文化」って否定しにくい雰囲気あるじゃないですか?
否定したら、「分かってない」みたいな扱いになるので。
 
なので、多くの人が前から、うっすらと思っていたけど、なかなか言えないことを今日は勝手に代弁しようと思うのですが、去年くらいから、「メタバース」がバズワードになってますよね。
 
個人的には、すごく好きな世界で、応援しています。
で、連日、いろんなバーチャル空間が生まれて、いろんな企業が「バーチャル○○を作りました〜」と宣伝をしていますが、中を覗いてみると、まぁ、大体がショッピングモールなんですね。
 
それに対して、「ああ、宣伝宣伝してて嫌だなぁ〜」と思ったんですけども、きっと僕は言語化に失敗していて、「宣伝宣伝しているから嫌」なんじゃなくて、シンプルに、「ダサいから嫌なんだ」ということに気が付きました。
 
そこで、いろんな企業がお金を出して作っている「バーチャル〇〇」の世界観が、とにかくダサイんです。

すっごいオジサン臭い。
「世界に発信するから、日本らしく入り口には『鳥居』を建てときましょう」的な。
 
ゲームとかだと、ちゃんと世界観を作るクリエイターが世界観を作っているので、メチャクチャ楽しくて、なんなら、その世界を走り回っているだけで楽しい。
 
だけど、企業が作るメタバースって、もう、システムファーストだから、全然行きたくならないんですね。
 
なので、集客力のある有名人を呼ばなきゃ、その世界にお客さんを呼べなくて、よりいっそうショッピングモール感が増しちゃう。
 
おそらく、世界観がイケてたら、今の宣伝量でも不快に思わないんです。
むしろ、「ああ、この世界のマクドナルドは、こんな感じなんだぁ〜」という面白さすらある。
 
メタバースって、本当に、「世界観ファースト」じゃないと全く意味がないなぁと思っていて、「メタバースの世界観がダサい」という罪は本当に重いよね…というのが今日の結論です。

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