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青森に生きていて思うこと

この記事は 地方在住 Advent Calendar 2021 12月22日分の記事です。
滑り込み投稿になってしまって申し訳ありません。

はじめに注意点

この記事は、自分が地元に生きている上で、何をどう感じているかをかなり率直に書いたものになります。無知で無教養な一個人の体験に基づくごく狭量な視点からの批判的な書き口も多いです。
本当にこれはあくまで一個人の感想です。何卒ご容赦ください。


住んでいるところについて

私が住んでいるのは青森県八戸市というところだ。
青森県の中ではいわゆる県南地域、「三八上北」という場所に属している。
私はここに生まれ、ここで育った。
ちなみに高卒で栃木県日光市に3ヶ月ほど、20代になってすぐに千葉県船橋市に半年ほど住んでいるが、結局はここ八戸市に帰ってきている。


今まで地元でどう生きていたか

中学生になって早々に学内のボランティア団体に所属し、地元の各種イベントを手伝ってきた。加えて高校生になると、地元の観光施設である八戸ポータルミュージアムはっちの館内施設で数年ボランティアをやっていた。
地元市が誘致したアーティストの企画イベントの手伝いにも行ったし、
八戸ブックセンターができた際には市民作家としても登録をした。
マチニワができる際には活用検討市民ワークショップにも参加した。

こうして考えてみると、私はおそらく、八戸を「楽しめている」部類に入ると思う。もっと野暮な言い方をすれば、「活用できている」のかもしれない。それをふまえて、以降を書き綴っていこうと思う。


地元が好きではないからこその生き方

普段、Twitter等で地元の面白いイベントやアイテムを紹介することがあるからか、私はよく地元が好きな人なのだと勘違いされる。実はそんなことはない。むしろ地元のことは苦手だ
八戸は地方都市とは言うものの、公共交通機関という面で見ても、新幹線はともかく、こと市内エリアを動き回るための公共交通機関はなかなか発達していない。特に電車はてんでだめだ。未だに改札でSuicaすら使えない。バスは比較的発達している方だとは思うが、郊外は未だにフォローしきれていないように見えるし、運転手募集のラッピングバスは増えるばかりだ。
ちなみに私は、自宅に駐車場を確保できなかったという理由で車を持っていない。だから公共交通機関は重要な生命線である。ここが発達してくれることが、もしかすると一番の望みかもしれない。ゆくゆくは免許を返納していくことになってしまう高齢者層にとっても必要なインフラだと思うし。
と、そんなことを言っていたら、市営バスの方は、来年春に独自の交通系ICを導入するというニュースが流れ始めた。
この調子で、今後もより発達していくよう、頑張ってほしいと思っている。

加えて、これは後述するが、宣伝下手な人の多い地域性でもあるからか、面白そうなことを実行している人影はたくさんあるのに、そこそこ意識してアンテナを張っていないと見つけられなかったりする。これも惜しいところだと思っている。

と、ここまで散々に書くくらい苦手意識を持っている場所だったとしても、
私はここに中長期的に根を張るしかないのだと状況的に理解をしている。
だったらせめて、楽しく過ごしていたい。そういう思いで、色々とアンテナを張っている。そしてたとえ地元のことが苦手であろうと、面白いものは面白いし、興味深いものは興味深い。楽しいことは楽しいのだ。だからそれを、ちゃんと楽しむ
これは私の性格のようなものなのだろう。全体として苦手だったり不便に思っていたりしていても、その内側にある誰かの何かが楽しかったりするのは、それはそれで何も間違っていないと思うのだ。
そういう意味では、まあ結局は、八戸のことが好き、とも言えるのかもしれない。毛嫌いはしていないのだから。


地域性のことについて考える

八戸市は先述の通り、地域性として、面白いことを考えるだけでなく、それを実際に行動に移すような資質がある人が多いのではないかと思う。そして逆に、「面白いことにちょろっと参加してみようかな」という元気な人も一定数いて。加えてミーハーでもあると思う。……というより、ミーハーだけと恥ずかしがり屋という謎属性なのかもしれない。
また若いひとを拾い上げるような意識も強いように思うし、傍目から見ていると、いきいきした若者の姿が見えることもある。またこれは「ミーハー」にも関わってくることだとは思うけれど、新鮮な息吹を求める、風通しを良くしようとするような気風も強い気がしている。
だからなのか、市政の面でも、「こまめに変える部分」と「変えずにずっと守り続ける部分」とのバランスを取ろうとしている様子が見て取れると思う。
だがしかし!残念なことに!公民両方とも!宣伝がうまくない!と思う!
特に民間のお店に限って言うと、例えば公式ホームページがなかったり、TwitterやInstagramのアカウントを作るだけ作って更新がなかったり、Googleの検索結果で出る営業時間が古いもので、今現在の営業時間が確認できる場所がなかったり……。
入ってみるとめちゃくちゃ素敵なお店だったりするのに、入るまでのハードルが高いような。そういう場所が多いように思う。


アートに注力する市政、熱中と冷笑、無関心の意識格差

八戸ポータルミュージアムはっち、マチニワ、八戸ブックセンター(まちの本屋)に加え、先日リニューアルオープンした八戸市美術館などなど、市運営の建物は、あらゆることを「アート」と組み合わせたコンセプトのものが非常に多いことが挙げられる。
個人的には、それらの施設のどれもが面白いコンセプトでできていると思っている。
ただ市民にはその面白さが伝わっているだろうかと、たまに思うことがある。無理に伝えようとしない(押し付けない)こともまた良いところだとは思うが、一部の層にはどことなく、「謙虚」ともまた違った、「冷笑」と呼べるような意識を持った人がいるような気がしてならない。
実際見ていると、ものすごく面白そうなこと、やってる気がするのになあ、と思ったりはする。

また、先述の通り、中心街をはじめとした市全体に「若いひと」を呼ぼうとしていることがひしひしと伝わってくる瞬間がある。
そういう市政には賛同していて、ぜひ応援したい。財政難は心配だけど。


栃木県民を案内してみた

話は変わるが数年前、TRPGのオンラインセッションで知り合った栃木県民(以降Aさん)が、私の地元の話を聞いて、「八戸に行ってみたい」と言い出した。
そして本当にわざわざ八戸市まで来てくれた。物好きもいたものである。
話によるとAさんは酒やジャンキーなものやコーラなどが好きなので、とりあえず私はAさんを八食センターの立ち飲み屋に連れていき、七輪村で一緒に魚を焼いて、タッコーラを紹介し、当時自分がはまっていたというだけでブロンズグリルというハンバーガー屋にも連れて行ってみた。
すると結果どうなったかと言うと、Aさんは約1年間、そこそこの頻度で八戸市に通い詰めた果てに「移住する」と言い出したのである。


移住してきた栃木県民を取り巻く八戸と市民

ちなみにAさんが移住する過程で八戸市の専用窓口にも行ったりしたのだが、就活の末に正社員になれなかったため、市の制度を活用することはできなかった。
……ということはさておいて、そんなこんなでいざ移住することになったAさん。

移住当時から今も、初めて会う八戸市民には「なんでこんなところに来ちゃったの?」と必ず言われるそうだ。正直、案内しておいて何だが、私からしてもそう思う。
皆一様に「栃木なら東京にも行きやすいし便利そうなのに、どうしてわざわざ八戸に?」と続けるのだと。
これへの答え、つまりAさんにとっての八戸市の魅力の話は後述していくことにする。

それもさておき、ここからは地元近郊の住民にしか分からない話になるが、
Aさんの車はフィット。二駆である。四駆ではないのだ。
これで何が起きるのかというと、冬がたいへん怖いのである。
八戸市では雪はあまり積もらないが風が冷たく路面が凍りやすい。
そして積もらないということは、逆に除雪が綺麗にされないとも言える。
ごつごつでつるつるな路面に、そこそこの頻度で遭遇する坂。
どうなるかはお分かりのことと思う。

でもAさんは、そんな状況で現在も八戸に住んでおり、もう3年になる。


楽しさに消極的であるという人間性から考える

さて、ここで先述の、Aさんから見た八戸市の魅力の話だが、
Aさんは日頃よくこのようなことを言っている。
「楽しそうなことを自分から見つける必要性を感じない自分に、東京はうるさすぎた。
栃木は年寄りのことばかりで閉鎖的だし、ご飯が口に合わない。
しかし八戸はいい。ほどよく工夫があり面白くて、何より酒もご飯も美味しい。そしていい風が吹く。」

正直、目からウロコだった。私は圧倒的に、情報や楽しさを「拾いに行く」人間であったからだ。それが当たり前でないことを、まざまざと思い知った。確かに、そういう関心の薄い人からすれば、東京などの都会は人の多いだけの空間として見えるのかもしれない。
このAさんの言葉は、私に新しい視点をくれた。


結論

個人的にはやっぱり、八戸市住みはおすすめできません。あと財政難頑張って回復してほしい。超応援してる。新市長の熊谷さんには頑張ってほしい。


おまけ: 栃木県日光市に住んでいた頃のはなし

さてこれは、自分が18歳の頃、就職先である栃木県日光市に1人暮らしをした時のこばなし。
正直、観光地を居住地にするということをナメていた。地獄だった。
特に日光市の東照宮から駅前あたりまでは、きつく長い坂が続いている。
引っ越してきたばかりの頃、交通手段がなかったため、駅から坂沿いにある自転車屋に足を運んだことがある。しかしなんと断られたのだ。
「ここらへんで住むのに使いたいの?やめておきな。ここじゃあ坂がきつすぎてまともに走れないよ。」
まさか自転車屋さんが自転車の販売をしないということがあるとは思っていなかった。
観光地は「外の人」に目を向けた場所なのであって、「中の人」が住みよいかとはあまり関係がなかったりするのだと、深く刻まれた人生経験となったのでした。


この記事はこれで終わりです。ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。
正直ボロクソに書いてると思うし、ツッコミどころ満載だと思うし、アドベントカレンダー滑り込みだし、あらゆる方面に謝り倒したい気分です。
でもこれは、私自身の地元への思いの清算という意味でも書きました。
これからまた、意識が変わっていったら、新しく記事にしていったりもするかもしれません。

その日が来るまで、そしてそれより先も、私はきっと八戸に住んでいるでしょう。

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