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私には「決まり」が必要である (前編)

お久しぶりです。今回は、ふと最近気づいたことの話をしたいと思います。私の中にある、色んな決まりの話です。中には「30歳になったら死ぬ」という内容の決まりもありますので、閲覧にはご注意ください。

それらがどのようにして作られることになったのか、自分が求めているものは何なのかを、前後編に分けて書き綴っていきたいと思いますので、よければお付き合いください。

※この文章には発達障害の特性傾向的な話もちらほら出てきますが、あくまでどれも私個人の場合の話ですので、ご留意ください。


◆気持ちがうまく伝わらなかった経験

私には、自分の気持ちが上手く伝わらなかった経験がたくさんあります。嬉しいのに怒っていると思われたり、悲しいのに嬉しいと思われたり、怒っているのにおどけていると言われたり。

しかし周囲の人は、正確には無理にしろ、それなりに近いところで、内面の気持ちをうまく伝えているようでした。私ほどおかしいことにはなっていない。そこで、自分の気持ちが正しく伝わらないらしいということに、危機感を感じました。そこでまずは、「他人を観察してみよう」と思い至ったのを覚えています。


◆観察の結果分かったこと「気持ちを伝える法則性」

観察をし始めてデータを積み上げて数年が経った頃、だんだんと気付き始めたことがあります。それは、「どういう気持ちを伝えたいかによって、ある程度の法則性があること」です。

たとえば笑ってるように見せるには、「口角を上げる」「目を細める」……そうして「笑顔」という表情を作り上げること、嬉しいと少し体が揺れるタイプの人間もいて、そういう本人を見た周囲はほっとしたように笑顔になっていることが多いため、つまりそれで本人の嬉しさが伝わっていること、等です。

と同時に、おそらく私はそういった部分がうまくできていないのだろうということにも気づきました。気持ちの「受信」はできるけれど、「送信」がうまくできない。観察して相手の気持ちを読み取ることはある程度できるけれど、それに対してどういう反応を返せばいいのかが分からない。内にある気持ちが外に正しく表れない。という感じです。

すると、何気なく気持ちを伝えようとする段階でうまくいかないということが分かったのですから、これはもう気付いた法則について、自分で意識してやってみるほかありません。

そこで私は、「気持ちを伝えるための決まり」を、頭に仕込んでおくことにしました。


◆気持ちにつくった決まり

ここからいよいよ決まりの話をします。まずは、気持ちにつくった決まりについてです。

たとえば嬉しい時には「頬を5mm程度上げること」「できなければ手をぱたぱたさせる等の身振りをすること」「ガッツポーズをしてみること」

悲しい時には「眉の上に少し力を入れてみること」「できなければ肩を下げるのを意識してみること」

等があります。これらを把握して意識しておくことで、今のところ「擬態」と呼ぶには少し精度が低いものの、自分の気持ちをある程度正しく伝えることができています。

また、それが難しいくらい余裕がない時にも、「お守り」のようなものになってくれます。この決まりを足掛かりに落ち着いたり、安心できたりするようになるわけです。


◆コミュニケーションにつくった決まり

また、気持ちを伝えるためにつくった決まりの副産物として、コミュニケーションにおいてつくった決まりもあります。

たとえば、「当たり障りのない相槌リスト」です。中身については、「へー……」や「そうなんですね……!」等色々あります。

ただしこのリストの取り扱いについては、「リスト内の同じ相槌を連続で3回以上使う場合」にのみ適用される決まりもあります。なぜなら、ただこのリストを参照しているだけでは、相手に「本当は聞いていないのでは」と不信感を持たせる結果になるからです。

なのでそういった場合には「少し大げさな身振りも追加すること」や「相手の話をもう一度繰り返すのを意識して返事をすること」という決まりも適用することになります。

このように、「ちゃんと聞いてるけど会話を繋げるための相槌」等の、コミュニケーションにおいて当たり前に行使されているようなところにも、決まりをつくっています。


◆あらゆるところに決まりを作る理由と、「30歳になったら死ぬ」決まり

では私の場合、何故そこまで明確に決まりを作っておく必要があるのでしょうか。それには、私個人の「無形のものをくみ取りづらい」アスペルガー症候群的特性が関係しています。

また、無形のものがくみ取りづらいのに加えて、「想定外の事態にパニックになる」アスペルガー症候群的特性の強さから、「分からないこと/伝わらないこと」に非常に恐怖する傾向にあります。

「いつまで生きればいいのか」ですら分からないのが怖い。考え出すと1日が長く感じ、「これを何万回繰り返せばいいのだろう」という考えにとらわれ、思考が止まり、文字通り何も手につかなくなってしまいます。うまく切り替えたり、コントロールすることも難しい状態です。

なので自分を落ち着かせるために、そこにも一時的に決まりを作りました。それが、「30歳になったら死ぬ」というものです。

これらの決まりは、皆さんには必要ないように思えるものかもしれませんが、皆さんの言う「だましだまし」「ぼちぼちうまく」生きていくため、どれも私に必要なものです。


前編はここまでになります。後編はこちらからどうぞ。


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