キラキラ光る宝石をドットで描きましょう
前書き
端ドット絵 Advent Calendar 2023 13日目を務めさせていただきます、morleyと申します。昨年に引き続き2度目の参加をさせていただきました。よろしくお願いします。
今年は本家/裏アドベントカレンダーの枠が物凄い速度で埋まり驚きました。
端アドベントカレンダーを企画してくださったヒサシさんありがとうございます!
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本家 / 裏 / 端
今年の振り返り
本題の前に、少しだけ今年の活動の振り返りをさせてください。
今年の活動のハイライトは、10月21日に行われたドット絵の展示・販売イベント THE PIXEL STREET でした。
初めて自作絵のグッズを販売する機会にビビり倒しながらも、想像よりずっと多くのお客さんが作品を見て購入してくださり温かい気持ちになりました。
反省点は山ほどありますが、一番悔やまれるのが始めから「よいもの」を作ろうとしたこと。要するに、ひとの目を気にし過ぎてしまったのです。
このせいで新作の制作着手までに不自然なほど時間を浪費してしまいましたし、作家活動における心掛けとしては致命的なことをしてしまったと思います。
人に作品の善し悪しを決めてもらうには、前提として私がその作品に対して満足している必要があった。まず何より私自身が「ときめくもの」を素直に形にしてみるべきでした。今後気を付けます。
ですがそれを差し引いても本当に楽しかったです。尊敬するクリエイターの皆さまに直接お会いできる機会は何物にも代えがたい…好きなものが同じ人が近くにいるのはとても素敵なことです。
本題
前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
キラキラの宝石をドットで描いてみましょう、というお話です。
数あるモチーフの中でなぜ宝石かというと、たとえば車やお菓子のパッケージなどとは違って製品固有の姿があるわけではないので、色も形も大きさも自分で決めて描くことができます。
また、そのように描き方の自由度が高いわりに、安定して見栄えよく仕上げやすいのです。
これはドット(というよりピクセル)と直線的にカットされた宝石の相性が良いからだと思われます。
以上の理由から、より多くの人に楽しくドット絵を描いてもらいたいと思い、宝石を選びました。
いよいよ宝石を描きましょう
以下、私が宝石を描く際に意識することを踏まえつつ、実際に小さめ/大きめの2種類描いてみます。少し注意点ですが、これは真上から見た石を綺麗に描く方法です。見方に角度をつける場合はこの限りではありません。我流ですがご了承ください。
使用ツールはAsepriteです。
①中心点を意識して大きさと形を決めます。
まず大きさと形ですが、ベースの形で決めましょう。
ピクセル数は四角ベースなら偶数、丸ベース(特に円形)なら奇数がよいでしょう。理由は円の中心点を作るためですが詳しくは後述。
また大きさはある程度あった方が光の表現を沢山盛り込めるのでおすすめです。
今回は小さい方は16×16pxの八角形、大きい方は33×33pxの円形にします。
内側に上面のガイドになる線を引いたら、外側とを多面体っぽく直線的につなぎます。
真ん中のガイドラインを引きつつ、より複雑な模様を描きこみます。
面倒くさがらずにしっかりやっておくと、後で色塗りが格段に楽になります。
②基本的な色を決めて塗ります。
宝石の色を決めます。概ね4~5色の基本的な色を選びましょう。
1. 一番暗い色→高彩度・低明度(深みのある色)
2. 宝石自体の色味2,3色→高彩度・高明度(鮮やかな色)1色とそれより少し暗い色
3. 光が当たる部分の色→低彩度・もっとも高明度(ほとんど白)
であれば、色相は好きなものでいいです。先ほどの線の空いているところを埋めるように色を塗りましょう。
今回は両方同じすっきりした緑色にします。
よりリアルにするポイントは、基本的に面の境界を線で描かないことです。緻密に色を塗り込んで色の違いで表現しましょう。
①でお話ししたピクセル数の理由はここに関わってきます。円はピクセル数を奇数にすることで中心の点ができ、色を塗っていったときに収まりがよくなります。四角ベースの場合は逆にこの点がない方がシャープな印象になります。
ちなみに宝石の一番底部にあたるこの点のことをキューレットというそうですよ。
③細部を色相を少し変えた色で塗ってよりキラキラにします。
もう完成間近です。まだやや単純な印象なので少し色相を変えて細部を塗り、彩りに深みを与えましょう。
ここまでで塗った面の形を崩さなければ、わりと大胆にやってもいい感じになります。大いに遊びましょう。
ここではベースの緑より少し青みの強い色を足していきます。
細かいハイライトを入れたら完成!
補足
実はここまで紹介した方法で描けるのは、西洋で宝石としての価値が高い石、つまり透明度が高くある程度の硬さがある石に限ります。
アジア圏の翡翠やネフライト(軟玉)やサンゴ、古代エジプトのラピスラズリ、ネイティブ・アメリカンのターコイズなど、エキゾチックなテイストの石は濁りがあるか柔らかいものが多く、多面体に加工するのに向きません。
そうした石は球や楕円体、丸い山型(おまんじゅうのような形)に加工される場合がほとんどです。ジュエリー用に丸い山型に研磨する加工法はカボションカットと呼ばれます。
まとめ
ここまでご覧下さりありがとうございました。
ジュエリーや鉱物・パワーストーンなどが好きなので、この記事も驚くほどスムーズに筆が進みましたし書いていて面白かったです。
今回は加工された宝石の描き方を紹介しましたが、いずれ加工していない鉱物にもチャレンジしたいです。結晶のでき方などの知識が少し必要ですが、リアルな石が自分の手で描けると楽しいですよね。
おわり!
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