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他人を殴ってばかりの動画を見て楽しいか

政治系YouTuberのチャンネルを時々見ることがある。ここでいう「政治系YouTuberのチャンネル」とは、政治家が自らの発信源として運営しているものではなく、政治関係のニュースをネタに自分の意見を発信しているチャンネルのことだ。

彼らのスタンスは、だいたい似通っており、動画の大半の時間を政治家や大企業、有名人らへの批判で埋め尽くす。中身は面白いものもあれば、そうでないものもあって、玉石混交である。銀の盾(登録者数10万人でもらえる)以上のYouTubeチャンネルは、それなりに面白い視点を持っていることが多く、勉強になるというほどではないにしても、それなりに楽しめるし、切り口が興味深いこともある。そもそも、そういうスタンスの動画こそ、再生数を稼げるのだろう。

ただ、どのチャンネルも、長くて2,3年ほど見ているうちに、ほぼ100%の確率で飽きてしまう。動画のパターンが決まっていて、最初は面白いと感じているにしても、だんだん「これ、他人の悪口を言っているだけでは?」と思ってしまう。最後は、嫌気がさしてくる。このパターンで、一時期頻繁に見ていたのに、全く見なくなった政治系YouTuberのチャンネルは、片手では収まらない。

問題提起に意味がないわけではないし、政治家を批判していけないわけでもない。誤った事実が流布されているなら、修正したくなるのもわかる。ただ、そういった批判精神で作られている動画を毎日見るのは、だんだん辛くなってくるのだ。離れた場所から他人を殴り続けている場面を見れば、殴られているのが権力者であれば、気分がスッキリすることもあろう。しかし、私に限って言えば、そのように殴り返されない距離から一方的に殴るだけの動画を見続けるのは、どうしても嫌になってくる。

また、動画内で他人を毎日殴っている人が、何ら間違いを犯さないことはないだろう。他人を殴ることに集中しているあまり、自らの誤りに気づかないことはよくある。誤りを指摘されて、ムキになって別の人まで殴りにかかるケースに頻繁に出会う。反省すると死ぬ病気にでもかかっているのだろう。

日本人は、(残念ながら)他人の足を引っ張るのが好きな人が多い民族なので、政治家などを叩いて溜飲を下げる動画に人気が集まるのはわかる。好きなら見ればいいし、それでYouTuberが収益を上げるのも別に構わない。ただ、そういう精神に頻繁に触れていて、自分は大丈夫なのか。よくよく考えた方がいいだろう。

他人の足を引っ張ってばかりいると、成功するかどうか以前に心根が卑しくなってしまう。もともと心根が卑しい人はそれでも問題ないが、そうでない人は避けた方が良さそうだ。

似たような話をしている動画がないか、チラッと検索してヒットしたのが勝間和代氏の以下の動画。

下手をすると、ネット民の2/3くらいは「他人批判依存症」だと思われる。自分もぼんやりしていると、そちらに走ってしまいがちなので、十分注意したい。



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