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天空の森

アートデザイン/2016年/新宿

プログレス社の菊田社長からご依頼をいただきました。
会社が拡大と共に、それまでのオフィスでは社員全員の顔が見渡せなくなってしまった同社。
ワンフロアで社員の顔が見える社屋に移転をするタイミングで、社長室の内装をご依頼いただきました。
エネルギー溢れる社員の多いプログレス社のオフィス空間は、執務時間中はまるで活気溢れるコロシアムのような雰囲気に包まれます。 そこにふさわしいのはどんな社長室なのか。菊田氏自身の人生経験に耳を傾ける中で聴こえてきたのは、ゆったりとした時間が流れる空間、まさに自然や森そのものも求める声でした。 社長室と執務室との間に壁のない、気軽に人を招き入れることができる空間。 どんな社員や顧客でも入ってきやすいよう、本来の森の姿と同様、オープンな空間創りを意識しました。

施工の思い出

<「水」へのチャレンジ>

菊田社長からいただいた天空の森のコンセプトは、「水のある森」。
オフィスに「森」だけでもチャレンジなのに、さらに、「水」!
かなりのチャレンジでびっくりしましたが、実際に新オフィスを訪れた際に目を奪われたのは、角部屋2面の大きな窓いっぱいに広がる空。
外の大気と中の空間の境をなくすような設計にすることで、借景(空)を水と見立てて表現しました。

<森を都会へ>

森の姿は多種多様。 均一に形作られているところはありません。 天空の森も、木材だけではなく、既設の空調や外の空をも含め、ひとつひとつ、そこにある素材の特徴を活かした挑戦的なデザインに仕上げました。
自然の森ように高低差をつけた、敢えて靴を脱いで上がる場所。
大きな穴の開いたテーブル。
本来の森と同じ、なかなかまっすぐには歩けない空間こそを、都会に息づく森として表現しました。
来客も含めて自然にくつろいで会話ができる、同時に、静かなるパワーも湧いてくるような天空の森。 空間から新しい働き方の探求ができるような隠しプレゼント、という想いを込めて、かなり大胆な設計にチャレンジしました。

<大工さんたちとの協働>

天空の森は、赤坂の森に続く2つ目のアートデザインでしたが、加えて、材の固定ができない「置くだけ」が必須条件でもありました。
根太を引いて、大きな家具のように仕立てて...これは、森と踊るだけでは仕上げられません。
いつもご協力いただいている大工さんと、その仲間の大工さんたちに力を貸していただきました。
みんなで真剣に部屋を作りながら、休憩の時間には職人同士の熱い対話。
まるで合宿のようなアツくてワクワクする時間を過ごせたこと、大工さんたちの間にも新しいつながりが生まれたことも、とても思い出深い時間でした。

お客様からの声

<菊田社長の声>

正直、使いづらさはあります。
机に引き出しもないし、テーブルには穴が開いてますし。
でも、海や山の近くに住むくらい、もともと自然が好きだったので、木がある空間は落ち着きます。
社長室に初めて来る人は大抵、「これ、すごいですね。森ですね。」というところから会話が始まり、終始和やかな雰囲気で会話が出来ます。
因果関係は分かりませんがタバコを吸わなくなり、お酒も飲まなくなりました。また、運動も積極的に始めるようになったんです。それらも、もしかしたら天空の森のおかげなのかもしれません。

<社員の声>

天空の森ができてから社長はピアノとダンスも始められまして。
今までも相当非凡な人生だったと思うのですが、今までとは違う方向にも非凡さを発揮されています。
ご自身の健康や、仕事への集中や、私生活の充実に物凄く繋がる変化なので、自分を含めた会社のスタッフも喜んでいます!


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