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「学び合いの部 (瞑想時の)座り方」発展的まとめ(22年11月27日開催)

2022年11月27日に開催した「おさらいと学び合いの会」、その後半「学び合いの部」のテーマは「瞑想時の座り方」でした。
会では紹介しきれなかった参加者からの声や質問なども含めて、発展的にまとめてみました。(ガイド担当森竹の発言の加筆や、おさらい会の内容も一部取り上げています)

「おさらいと学び合いの会」は、「おさらいの部」と「学び合いの部」の二部構成になっています。
「おさらいの部」では、前月に開催され「実践!アーナーパーナ・サティ講座」(隔月開催、指導者:プラユキ・ナラテボー師)で学んだ瞑想に関する質疑応答(プラユキ師が事前に撮影した動画で回答)と、瞑想のおさらい実践をします。
「学び合いの部」は、瞑想の継続と理解を目的に、毎回テーマを決めて学び合います。

今回のテーマ「座り方」
参加者 申し込み36人 スタッフ2人
ガイド 森竹ひろこ(コマメ) 

注意
・参加者の声は申込み時に記入されたアンケートから、プライバシーを配慮した形で抜粋しています。
・「一言話し」は森竹の個人的な雑談です。参考程度にお読みください。

基本の座り方

(「おさらいの部」のインストラクションから構成しています)

 楽な姿勢で座ってください。プラユキ先生からお話があったように、床に座って直接足を組んでも、椅子に座っても結構です。座る形に決まりはありません。

・床に直接座る場合

 床に座る方は、お尻の後方に坐蒲やクッション、座布団を折った物などを敷いて腰をやや高くすると姿勢が安定します。

 足の組み方は坐禅のように両足を腿の上に載せる結跏趺坐(けっかふざ)や、片足だけ腿の上にのせる半跏趺坐(はんかふざ)だと、慣れると長時間座りやすいです。両膝とお尻の坐骨部分の3点で体を支える事で体が安定し、背筋が伸び(腰が立ち、腰骨が立ち)、長時間姿勢を保ちやすいためです。

 また、テーラワーダ仏教の国で一般的な、足を組んで左右のかかとを体の中心に引き寄せる座り方もあります。多くの著名な瞑想指導者もこの座り方をされているので、別名、「ミャンマー座り」とか「達人座り」とも呼ばれます。ヨガでは「安楽座」と呼ばれている座り方も、これに当たるようです。

・椅子に座る場合

 椅子に座る場合は、背もたれに寄りかからず、やや浅めに座って背骨を伸ばしてください。
 椅子の高さは、足の裏全体が床につく高さだと安定して座れます。足が床から浮いてしまう場合、クッションや座布団を足下において、その上に足を乗せるといいでしょう。

 足の幅は肩幅ぐらいに開くと、姿勢もどっしり安定します。

・手の位置

 次に手です。手は前で組んでも、膝の上においても結構です。楽に感じるところに置いてください。ここでは、印を組む必要はありません。

・姿勢のワーク

 座り方が決まったら、背筋は伸ばし、肩や筋肉の緊張は取ってリラックスします。

 背筋は伸ばして筋肉はリラックスすると言っても、感覚的にわかりづらいかもしれませんので、簡単なワークを紹介します。

1、 背筋を伸ばして座わる

2、 両肩を思い切り上にあげる。

3、 3〜5秒ほどその状態をキープしたら、肩の力を抜いてストンと落とす

 これで姿勢は伸びて、筋肉はリラックスした状態になっていると思います。この感覚を覚えておいてください

・瞑想の終わり方

 長時間、瞑想をするときは、終わり方も大事です。心が深い状態に入っているので、終了の鐘がなったからといって雑に終わらせると、その日のその後の精神状態や、次に瞑想をする時に悪影響を与えることがあります。

 鐘がなったら、意識的に深い呼吸を3回して、それからゆっくりと目をあけます。手足をほどくのも、ひと動作ひと動作、丁寧に気づきを保ちながら行ってください。

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参加者からの質問とシェア

・坐蒲や座布団について

「瞑想時の座布は専用の物を使用していますか?私はいまだに座布団でしていますが、専用座布の方が座り心地は良いのでしょうか?」

参加者には座布団派も結構おられるようで、こんな声が届いています。

「坐骨を立たせられるように座布団を当てています」

「両膝で支えられるように、お尻の位置を高くしたいので、座布団を重ねて調整しています」

 確かに座布団は重ねて高さを調節できる利点がありますね。質問者さんが今使用している座布団で合っているなら、そのまま続けてもいいと思います。

 専用坐蒲の座り心地は様々なタイプがあるので一概には言えませんが、機会があれば坐蒲が用意されている瞑想会や坐禅会に参加して、自分に合った坐蒲のタイプを確認してから購入するのが間違いないかもしれません。


(一口話し)「手動瞑想に向く、座布やクッション」

一口話し 「手動瞑想に向く、座布やクッション」

 長時間手動瞑想をする場合、詰め物がパンヤの坐蒲だと私はお尻が痛くなります。手を動かす事でお尻も微妙に動いているため、詰め物はそれに合わせて形状が変わるパイプやビーズなどの方が楽に感じます。
ただ、パンヤはへたりにくいため、坐禅や動かない瞑想で使用するにはいいと思います。

(一口話し)「安楽座用クッション」

一口話し 「安楽座用クッション」

 最近はヨガ関係でも瞑想グッズが発売されるようになりました。
私も試しに、こちらの安楽座用クッションを購入しました。

安楽座用クッション
https://yogafab.jp

詰め物が下部はわた(ポリエステル)で上部がパイプ。前後で傾斜があり腰骨が自然に立つので、筋力が落ちてきた方や、座り慣れていない方にもいいかもしれません。

(追記)
このクッションを結跏趺坐で使用していると腰や足に負担を感じたため、整体師で専門学校の講師などもされていた瞑想歴の長い方に使ってもらいました。
感想をお聞きしたところ、安楽座で使用するにはいいが、結跏趺坐や半跏趺坐だと腰が高くなりすぎて膝に負担がかかる。そのため、長く使用していると膝を壊す危険があるのではないかとのこと。
あくまでも安楽座用として使用するのがいいようです。

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・椅子に座る時の工夫

「椅子に座ってする場合、工夫したら良い点などありましたら教えて頂けますでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします」

 このような工夫をされている方がいます。

「股関節が悪いので、椅子で座ってやっています。
浅く腰かけて、坐骨で座って、上半身の力が抜けるような感じで座るようにしています。自分なりに集中できているような気がします」

 具体的な座り方は、上記の「基本の座り方」の椅子に座る場合の項を参考にしてください。

 また、最近は禅宗も椅子坐禅の指導に力を入れてきましたので、ご参までに。

「いす坐禅のきほん」(曹洞宗公式サイト内のページ)
https://www.sotozen-net.or.jp/isuzazen

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・結跏趺坐について

「ストレッチやクッションで工夫しても股関節や足首の硬さでいまだに結跏趺坐が難しく感じるのですが、それを乗り越えてできるようになった方がいたら、体験をお聞きしたいです」

「半跏趺坐などの座り方ができれば姿勢は安定すると思います。一度ちゃんとできておられる人から正しいやり方のお話を聞いてみたいです」

「結跏趺坐ができるようになるまでのコツが知りたいです」

 瞑想の座り方といえば、結跏趺坐の話題は外せないでしょうか。
まずは、あまり参考にならないかもしれませんが一例として、森竹が結跏趺坐をできるようになった話をさせてください。

 私の場合、お風呂上がりの体が柔軟なときに試したら、スムーズにできました。

 その前にも、何度か挑戦したことはありますが、片方しか足の上にあげることができず、「私は半跏趺坐はできても、結跏趺坐はできない」と結論づけていました。

 そうして、ずっと半跏趺坐で瞑想をしていましたが、アナパナ瞑想を学ぶために通うことになった瞑想道場が、朝から夕方まで昼休みもなく座り続けるところでした。さすがに半跏趺坐や正座で姿勢を保ち続けることは難しく、講座についていくには結跏趺坐ができるようになるしかない、という崖っぷちの思いで挑戦しました。

 体が柔軟になってやりやすいと聞いたお風呂上がりに、「私には無理」とか「足を痛めたらどうしよう」といった思いを置いて、覚悟を決めてやると、あっけないほどスムーズにできて驚きました。もちろんお風呂上がりの効果もありますが、たぶんそれ以上に精神的な抵抗が大きかったのでしょう。結跏趺坐に限らずですが、何かに挑戦する時、精神的抵抗が邪魔をしてできないことがあるのを、身をもって体験するよい機会にもなりました。

 ただ、結跏趺坐で体を痛めた方をずいぶん見てきました。足や膝を壊す禅宗のお坊さんも結構おられます。私も一時期は結跏趺坐一筋でしたが、今は安楽座と使い分けています。

 実際、体への負担などを考慮して、あえてしない方もおられるようです。

「過去に無理に半跏趺坐や結跏趺坐に挑戦した時期があり、よくわからないこともあって無理してしまったという経験があります」

「結跏趺坐は膝に負担がかかるので行っていません」

「胡座の足を重ねる部分が痛くなるので、足を重ねない胡座をしています」


 瞑想前に股関節のストレッチをして、痛みを軽減されている方もいます。

「足、特に股関節のストレッチをやるようにしてまして、座りでの瞑想の時に足の痛みが出てこなくなったように感じております」

また、蓮華座(結跏趺坐)で瞑想を続けて股関節を痛めた方が、このように書いてくださいました。

「幸い、リハビリをして今は大分痛みは軽減していますが、それ以降は自分の瞑想時には、椅子で行うようにしています。以前は蓮華座にこだわっていたように思います。
前回プラユキ先生が仰っていた「中心軸は定めて、身体全体はリラックス」さえできていれば、足が組めなくても、椅子であっても、瞑想はできるのだとこだわりがなくなってきました。
生まれついての骨格なども関係してきますので、今は無理に足を組んで股関節や膝を痛めてしまうより、背骨をまっすぐにして、「安定して快適」(ヨーガ・スートラの言葉)であればいいのではないか…と感じています」

 プラユキ先生の座り方の基本は「姿勢を正して、体はリラックス」で、結跏趺坐など特定の座り方で座る指導はされていません。これは、ヴィパッサナーやマインドフルネスなど気づき系の瞑想の多くの指導者とも共通するところです。
 この方のように、結跏趺坐にこだわらず、それぞれの体の状態や、瞑想のスタイルに合わせた座り方でされるのがいいのではないでしょうか。

 とはいえ、坐禅のように結跏趺坐(仏の形)で坐ることそのものに意味のある場合や、指導者が結跏趺坐を指定する場合は、それに従ってください。
 私も結跏趺坐には大きな恩恵を受けてきましたので、修行者系の方は覚悟を決めて一度は取り組むのもよいのではないかとも思います。その場合、自己流でしないで、信頼できる指導者のもとで行うようにしてください。

(一口話し)「結跏趺坐のスリランカ人、安楽座のミャンマー人?」

一口話し 「結跏趺坐のスリランカ人、安楽座のミャンマー人?」

 だいぶ前のことですが、スリランカ出身のスマナサーラ長老の瞑想指導を受けた時、「自分たちはお釈迦さまに近い体をしているので結跏趺坐が楽にできるが、日本人の体では大変ではないか」といったことをサラッと言われました。私はそれを聞いてハッとしました。

 タイやミャンマーの瞑想指導者は結跏趺坐をされない方も多く、俗にミャンマー座り、達人座りなどとも呼ばれる安楽座の方もよく見受けられます。それが、当時は瞑想といえば結跏趺坐と思っていた私には少々不思議でした。

 でも彼らは、一般的なインド人やスリランカ人より、日本人に近い体をしています。結跏趺坐に向いている体型とは、いえないのかもしれません。それで、身体への負担の大きい結跏趺坐より、伝統的にこのような座り方を選ばれてきたのかもしれませんね。

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・瞑想を続けた変化

最後に、こちらの質問を紹介します。

「瞑想を続けて来られての変化を感じますか?」

 新型コロナに感染した方が、このような体験を書いてくれました。

「コロナに感染しましたが、いつもより後遺症への不安や感染した事の後悔などが少なかったのは瞑想効果のような気がします」

 病気で体はダメージを受けても、心のダメージが少ないのは素晴らしいことですね。
 瞑想を続けた変化は、いつか「学び合い会」のテーマで取り上げて行こうと思います。

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クロージング

 次回のプラユキ師ご指導の「実践!アーナーパーナ・サティ講座3」は2022年12月11日です。
 本日と同じ形式でアナパナ講座3を取り上げる「おさらいと学び合いの会」は1月29日(日)10時30分開始の予定です。

 本日おさらいをした瞑想の実践を続けていきましょう。とはいえ、瞑想を習慣化するのは難しいでしょうか。最後に、瞑想の習慣化のために実際にされた工夫をシェアしてくれた方がいますので紹介します。参考にしてください。

「今は平日毎朝20分は座れていますが、そこに至るまでに習慣化するのが大変でした。
スモールステップで毎朝5分位から、瞑想アプリで記録してモチベーションを維持しました。お線香も焚いて、雰囲気作りもしています。いかに朝のルーティンにするかが肝になると思っています」

 次回の「学び合いの部」のテーマは、「瞑想を継続していく工夫」です。

「おさらいと学び合いの会」(1月29日開催)詳細と申し込み↓


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