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もりたびについて

令和3年度3月31日をもって、12年勤めた、公立の小学校教諭の仕事を退職し、公立学校から卒業しました。

12年間、子どもと学校生活を共にして、一緒に笑って、一緒に泣いて、自分の人生にとって得難い経験をさせていただきました。

物語の世界や、そこにからだごとダイブして即興的に演じるドラマの世界、子どもがつくる天才的な絵や工作、地域を題材に踊った創作ダンスを通して、子どもと一緒に喜びを分かち合う時間が、自分にとって何にも勝る価値のある時間でした。

子どもたちから、同僚から、さまざまなことを学んできました。また、教員時代に研修会やワークショップで出会った、全てのみなさまに感謝しています。「学校」というシステムの外の世界に越境することが、自分にとって、とても重要なことでした。

この12年を振り返ると、社会的な情勢や学校を取り巻く環境、日本の教育の方向性、学校のシステム、現場の先生方の価値観も大きく変わった、激動の時代でした。その時期に、日本の公教育に携わることができたことは大きな財産になっています。

今後の日本の社会情勢や経済状況を鑑みると、公教育の意義はとても高く、それを支える先生方の力が大きく日本社会に影響を与えていくと考えられます。今後、社会の変化に伴って、公教育のシステムも無理のない、より良いものに変わっていくと感じています。自分もその礎になりたいという気持ちは、今でもあります。

教育の世界に入ったのはオルタナティブ教育への興味、関心からでした。特に、12年前から、表現教育への想いは強くもっていました。当初は、3〜5年、公立の学校で経験を積み、その後は、オルタナティブスクールで働くことができたらと考えていました。しかし、公立の学校で学ぶことが多く、結果的には12年間、関わることになりました。

退職の決断は、簡単ではありませんでした。ここ3年間、悩みに悩み、人事の12月が近づくたびに、不安や恐れの感情と向き合うことになりました。

新しく働く場所が決まっている訳ではありません。ただ、「いつか、自分で学校、もしくは学ぶ場を開きたい」と思っていたことを、一生やってこない「いつか」ではなく、「実現させる」ということだけを決めて、退職をしました。馬鹿げた行動かもしれませんが、僕は自分の気持ちに従って真っ直ぐに生きていきます。

時間ができたらやりたいと思っていたことが、国内のオルタナティブスクールやフリースクールを訪問することです。子どもとより良い関係性を築くにはどうしたらよいか、大人も子どももよりハッピーな学び場はどういう形のものか。今年はゼロベースで子ども観や教育観を作っていきます。

近い将来、自分が作るであろう学び場の名前で、一番、ピンときているのが「森の魔法学校」です。森の魔法学校準備室の活動としての学びの旅を「もりたび」と名づけました。

5月現在、東北岩手、北海道、神奈川、長野、大分、和歌山、兵庫、京都の訪問を予定しています。

森田 千尋

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