見出し画像

あゝ LAメタル!! その二

1984年頃の学生時代、私レンタルレコード店でバイトの店員をしていました。夕方は学生さん達の来店で賑やかな時間帯です。レンタル一枚300円ですからね。お小遣いの少ない中学高校生にとても役立っていましたし、楽しかったです。お客さんにはバンド活動をしている高校生なんかもいて制服姿に肩からギターを下げてるのって、なんだかカッコいいですよね。

売れなかったラフカット イイ

その頃、よく店に来る元気な高校生バンドの4人組がいまして、店長の先輩や私とも次第に仲良くなっていました。彼らはその当時ブレイク中のモトリークルーやドッケンが好きでしたが、私は70’sロックが好きだったのでLAメタルのどこがいいのか??でしたしファッション的にも全く受け付けなかったです。ある日、そのバンドのVo君に「何かオススメありますか?」と聞かれRunDMCとの共演で復活していたエアロスミスの新譜を聴かせたら「なんか古い」と一蹴されました。俺ってもう古い…?

全曲イイ

ある日、店に入るとそのバンド君達4人がそれぞれの親と一緒にカウンターの前で沈痛な顔で整列していたのです!?店長の先輩から説教を受けています。親しかったはずの彼らは店の商品の生カセットテープを万引きしていました。残念でしたし、なめられた気がしました。ただ、先輩は短くはっきりと説教したあと彼らを許しました。親を呼び出した当時20代前半の先輩は立派でした。

欲望のターゲット 邦題もイイ

少し経ってからバンド君たちは、また店に来るようになって、勿論もう万引きなど絶対にしませんという態度です。正しく叱り、また店に来いよと言ったので謝罪してちゃんと反省した彼らとは良い関係にもどっていました。

先輩が好きなビリースクワイアー

先輩も実はけっこうヤンチャで、以前ランディーローズ亡き後のオジーオズボーンの楽屋にアポ無しで突撃し「俺をリードギターにしろー」と乱入して、すぐにつまみ出されたという武勇伝があります。先輩曰く「オジーはつまみ出される俺を見ながら爆笑してたよ」と。その話に私も「それじゃランニュー(乱入)ローズじゃないですか!」とか言って爆笑していました。 
↓先輩とオレの絆の曲

その後、そのレンタルレコード店はCD化の波もあり閉店となり、私も店を辞め就職活動をしていました。そして1年程が経ち、店は新たに貸しCD店として再オープンしていたのですが、例の高校生バンドのVo君がその店のバイトの店員さんになっていたのです。

ジャケはダメ 中身はイイ

ある日その彼が、あの時の恩義から自宅に私を招いてくれました。彼の名は悠太。イケメンでウィッシュのDAIGOに似ています。悠太の部屋に入るとそこは壁中にLAメタルのポスターが貼られ、ガンズンローゼス、デイヴリーロス、マイケルモンロー、ライオット、ジョンノーラム、そして彼のイチオシは新生ホワイトスネイクのサーペンスアルバムです。私は70’sのホワイトスネイクは好きでしたが悠太の感性は、それはもう古い!とばかりにイングヴェイやジョンサイクスを聴かせながら、新生ホワイトスネイクの素晴らしさを語ります。

バカ売れ

なかなか新生ホワイトスネイクには響かない私でしたが、悠太のお母様に呼ばれてリビングに移りコーヒーと洋菓子をいただいたのですが、そのお母様がすっごく美人でビックリしました。なんか、映画「泥の河」の船宿の中の加賀まりこを見た時の衝撃と同じ感じなんです(例えが古過ぎ!)。優しかったし魅惑的なお母様の洋菓子を食べているうちに私は頭がおかしくなって、悠太の部屋に戻った時には新生ホワイトスネイクが好きになっていました笑。私はその日を期に悠太の影響でLAメタルの世界へと導かれていったのです。

当時MTVでも頻繁にホワイトスネイクの「Is this love」や「Here I go again」のMV動画が流れていて、デビットカヴァーデイルとイチャついてる悪女モデル妻は、見てて不愉快でした。それを見ると「俺にとっての新生ホワイトスネイクはお前じゃない!そんな下品じゃない、悠太のお母様はもっと上品で綺麗だったぞ!」と思い、私に魔法をかけた加賀まりこ似のお母様が勝手に「LAメタルの母」みたいになっていました。笑

80sHR/HMの金字塔

その後私もすっかり社会人になり、貸しCD店も閉店してしまい、悠太とは連絡が取れなくなりました。時代はまさに80年代後半LAメタルの全盛期。私はその潮流に乗りすっかり好きになっていたLAメタルのバンドのコンサートへずいぶんと足を運んでいたのですが、いろんな会場で悠太みたいなLAメタル風男子を見かけると、悠太じゃないか?と彼を思い出すのです。

悠太、会いたいな 
話したいことが、いっぱいある。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?