塾_学童用_ノーファシリテーター教材__対面用_tanQuestのご紹介

夏目漱石はなぜ ”I love you” を「月がきれいですね」と訳したのか

ある親父の話。

少年時代、その親父は自殺したかったらしい。
幼いとき母親と死別して、父親からはネグレクト。

たまたま本棚にあった太宰治を手にとって、
そんな簡単に死ねるのかと睡眠薬を買いに行った。

そんな中ふと気づいた。

「死にたいと思ってるのは、自分だけじゃなかったんだ」

そう思って生きることを決意した。

あの素晴らしい愛をもう一度という歌に、こんな歌詞がある。
「あのとき、同じ花を見て、美しいと言った二人の、心と心がもう通わない」

I love you は僕があなた言う言葉だ。
でも本当は、そんなこと言わなくても心は通じあえる。

同じ花を見て美しいと言うだけでいいのだ。
あるいは、「なんでこんなクソみたいな日に満月なんだよ」と言うだけでもいいかもしれない。

僕たちは本当は、同じ景色を見るだけでわかりあえるんだ。

生きてるのが嫌になる。

婚約者を二度寝取られ、女性が信じられなくなり、
男性として機能不全だとわかり、
立ち上げた会社がふんばりに踏ん張ってうまくいきそうになった瞬間に分裂し、
5年ぶりに好きになった人にはたった一度の過ちで嫌われてしまった。
なんとかしてうまくいきかけていた大きな仕事も、直前でひっくり返ってしまった。

本当に最悪な人生。
できれば誰かに代わってほしいよ。

その苦しみは君にしかわからないのかもしれない。

でも、同時に思う。

そんな想いに共感してくれる人に出会ったとき、
それは最高な人生かもしれない。

同じ月を見てきれいだと言ったり、
なんでこんな日にこんな月が出るんだと不満を言ったり、
僕たちは同じ景色を見てわかりあえる人間が必ずいる。

70億人もいる理由はきっとそこにある。
人は一人で生きていけないから、人の間と書くんだろう。

君が「こんなクソみたいな人生」と思ったとき、
この世界には「たしかにそうだ」と思ってくれる人が必ずいる。

そして、そんな人同士巡り合うための人生には、必ず意味がある。

僕はずーっと死にたいと思って過ごしてた人間から生を受けた。
そしてその想いを語ってもらったんだ。

そのことには必ず意味がある。

きっと僕の人生は、
「この世界って最高だよね!」って共感してあげるためにある。
と同時に、
「この世界ってクソだよね」って共感してあげるためにある。

心が通じ合うということは、きっとそういうことなんだろうと、僕は思う。

僕の人生は最悪だ。
と同時に最高でもある。

なぜならあなたと巡り合えたから。

そして、それを伝えるために、きっと僕はここにいる。

今夜も月が綺麗だといいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?