見出し画像

コロナと家族 |濃厚接触者生活|【後編】

初めて濃厚接触者となり、家族とともにおくった一週間。
これまで陰性だった息子たちと私にも嫌な予兆が。

■バックナンバー
コロナと家族|濃厚接触者生活|【前編】

月曜日|8日目

前日の夜、発熱した息子に、鼻水の息子、そして喉に違和感を感じ始めた私。9:00。保健所に電話し、症状がで始めたことを伝え、検査を希望した。市内での検査がいっぱいということで、隣町まで検査を受けにいくこととなった。黒と判定されてしまった方が、気が楽になるのかもしれないと思ったりもした。そんなことを思っていられたのは、うちの家族は幸いにも皆軽症だったからだと思う。

世界では多くの人がこの病気で亡くなっている。
やはり、それは忘れてはいけないと思う。

前回の検査は唾液の検査だったが、今回は鼻からの検査だった。待ち時間もあまりなく、ドライブスルーで10分程で終了。息子たちは鼻の奥をグリグリされた検査に悶絶していた。あとは、翌日の結果を待つだけ。日差しが強い暑い日だったが、窓を開けて換気をしながら車を走らせた。よく考えてみると、久々の外出らしい外出だった。

発熱中の息子は二階の別室に隔離。
もうひとりの息子といっしょに、紙に迷路を書いて遊んだ。小学生の頃、よくノート1ページ分迷路を書いて遊んでいたのを思い出した。書き始めたら楽しくなってきた。しかし、最初に完成した迷路はゴールにたどり着けないというバグ迷路だった(笑)。その後、庭でブロックの穴に石を投げいれる遊びをしたり、サッカーボールで遊んだりした。お互い気持ちが少しスッキリした感じがした。こういう時こそ、外で少し体を動かすのは大事。

その夜は、私はなるべく接触しないよう、息子と一階で離れて眠った。
皆疲れていたのか、この日は映画をみようという話もでないまま翌朝になった。

火曜日|9日目

週末あたりから、早く学校や幼稚園にいけるといいのになぁという言葉が多く聞かれるようになった。長男は1日に1時間ほどオンラインでの授業があり、少し気晴らしになっているようだった。次男も朝起きるとすぐに、友達が届けてくれた宿題や、習い事の公文のプリントに取り組むようになっていた。ゲームを早くやりたいからかもしれないが、それでもこちらが言わずとも、まず勉強に手をつけるようになってきたのには、正直感心した。

保健所から電話があり、息子一人と私が陽性。一人は陰性で無事だった。これでまた、生活スタイルをどうするか決めないといけない。妻と話した結果、金曜で待機がとける妻の方が、発症して間もない私より菌の保有も少ないだろうということで、役割をバトンタッチすることにした。

陽性となった息子は私とともに二階へ。入れ替えで母親が一階にいってしまうのが不満のようだった。小学生、まだまだ母親にべったりだ。ここで状況を読んでくれないのは辛いが、仕方がないことなのだろう。

夜は娘を寝かせるべく妻は二階に。一階でがんばって一人で寝ている息子が夜中目覚めても大丈夫なように、私は中二階の階段のあたりで眠った。どんな状況でも、どんな場所でも眠れるという特技。こんなところでも役立つとは。この日も映画は無しだった。

水曜日|10日目

隔離期間延長に伴い、その後の予定調整を行った。今週予定されていたプログラミング教室は中止にした。理由も正直に伝えた。すると、温かいメッセージが多く寄せられた。心配してくれる声、気遣ってくれる声、ありがたかった。私の体調は、もうこの時点でほぼ回復していので、逆に気遣ってもらうことが申し訳ない気にさえなった。
待機が明けたら、よりよいもの(行動)でこの気持ちの恩返しをしよう。

この日は、娘としっかり向き合って遊んだ。一緒にぬり絵をしたり、Webで調べながら折り紙で動物をおって動物園を作ったり。こんな状況でなければ、一日中こんな風に遊ぶこともなかったかもしれない。ぬり絵もこどものころ、ナイトガンダムとかドラゴンボールとかキャラクターのやつを、いろいろやったなぁと懐かしくなった。縁をまず濃いめになぞり、その後に中をサラサラっと薄めにぬるときれいに仕上がる、なんてやり方でやっていたのを思い出した。他にも、2歳児向けの動物三択クイズの本で、そのままの問題では簡単すぎるので、オリジナル問題を作ったりした。この絵の中で、一番年上なのはどの動物でしょうか?その理由は?なんて、答えのないクイズは、回答にも個性がでて、なかなかおもしろかった。

木曜日|11日目

この日は、たまっていた仕事を片付けるべく気づいたら朝だった。
スイッチがはいるとゾーンに入りたまにこうなるが、なにもこんなときにほぼ徹夜しなくてもと自分でも思った。でも、それができるということは体調も悪くないということだ。良くはないけど、良しとしよう。家族皆の体調も回復し、時間を持て余すこどもたちと一緒に、何かできるといいことはないかと考える日々。午前中オンラインミーティングを一件済ませ、午後からは謎のお絵かきとボール遊び。発散のために、少しは体を使う遊びもしておくといいかなと思うようになってきた。だが、あくまで二階の一室でできることに限られる。

妻はリモートワークをしながら家のことをしてくれている。手出しできないのがもどかしいが、下手に感染拡大を助長するような動きは避けないといけない。この日は、寝る準備完了が21時過ぎだった。映画はなしで就寝。私はこの日も見守りで中二階が寝床。仕事をする気になれなかったので、ひとり「竜とそばかすの姫」を観た。

金曜日|12日目

この日も、家族の体調は良好。
とても風の強い日だったので、思いつきでかざぐるまをつくることに。
部屋にあった模造紙や画用紙でつくってみた。ひとつ作る毎に、ここの軸はこの材料にしたほうが良く回るかも等とか考えていたら、バージョン4くらいまでいった。大人も単純でプリミティブなものづくりを、こどもたちと没頭する時間があるといいんだろうなというのが、この日の発見だった。

風をうけて、回るかざぐるまを片手に、謎の自作ソングを歌う上機嫌の娘。
その様子はこちら(笑)

この日で妻の待機期間が終了。

土曜日|13日目

ここ数日、こどもたちの習慣が、日中アニメ「ソードアートオンライン」を2〜3話ずつ観るというものにシフトしていっていた。タイミングは、妻の打ち合わせか、私の打ち合わせの時間中。Amazon Prime に助けられながら、オンラインで少しずつ社会活動に復帰していった。

この日の娘との遊びは、絵本とお絵かきと忍者修行。
向き合って両手をつなぎ、勢いよく立ったままの私の体を駆け上がる。調子に乗りすぎると、腰にくるやつである。二階のこども部屋には、まだエアコンがない。連日、汗を書きながら健康的に遊んだ。

この日はプログラミング教室ダブルヘッダーの日だった。
もちろん私は行けないので、メンバーに託した。午前、午後と両方行ってくれたメンバーもいた。暑くなってきたので、メンバーたちも子どもたち相手に体力勝負。ありがとう!

夜は次男のセレクションでポケモンの映画鑑賞。
これから数日はポケモン続きとなることに。

日曜日|14日目

この日は嬉しいことがあった。応募していた金沢マラソンに当選した。
一緒に走ろうと話していた、サッカーサークル仲間は残念ながら落選だったが、数年ぶりのフルマラソンを走れると思ったら胸が踊った。目標ができたし、体も作ろう。

この土日で、待機明け後の生活を見越して、とにかくモノで溢れていた二階を整理した。こどもたちと遊びながらでは、なかなか進まなかったが、それでも少しずつ片付いていった。大半はプログラミング教室の教材や機材。整理してみると、もう要らないものも結構あった。家を建てたときには、こんなに機材を保持した活動をするなんて思っていなかった。そのため、とにかくやり場がない。私のウォークイン・クローゼットは、洋服ではなくほぼ機材で埋め尽くされた。

月曜日|15日目

妻の待機は明けたが、出社するには会社に申請が必要ということで、火曜まではリモートワークになった。いよいよ、待機明けが見えてきた、こどもたち。こころなしか表情が明るい。もう学校や幼稚園ではプール学習もはじまっているらしい。その準備もしつつ、とにかくみんな待機明けを待っていた。

火曜日|16日目

妻も私もいくつかオンライン会議が予定されている日だった。会議中も、娘はちょろちょろと覗きにきたりしていた。娘と息子ひとりは、この日までが待機。最終日でも、休みを惜しむような感じはなかった。友達と遊べない休みは、嬉しい休みではない、それががよく分かった。

まずは二人、明日から学校と幼稚園だよ。
よく頑張りました。

水曜日|17日目

待機最終日。朝、妻とこどもたちがそれぞれ出発してからは、家の中を自由に動き回ってよいことにした。しばらくみないうちに、畑のとうもろこしも少しずつ実をつけ、その高さはこどもたちの背を超す程に成長していた。

日中はとにかく掃除、洗濯、布団干し、畑の草むしりなど家のことを中心にした。コロナ待機中、ずっと剃らずにいたヒゲもきれいにそった(これについては、番外編で書こうかなと思っている)。

前夜、同じように待機生活を送った義妹と、ちょっとした振り返りをした。会食でも結局うつらなかった人もいた。でも、お風呂が一緒だったメンバーは皆うつっていた、密室だし距離も近いからなのか。うちも、今思うと妻から娘への感染は、最初の陽性判明までの間のお風呂だったのかもしれないと思う。あと、抗原検査をどこまで信じていいのか。今回のケースでは、信じてはいけなかったという結果だと感じている。個人的な感想だが、安心できない安心は、逆に危険な気さえした。みんな元気になったし、他のメンバーとも、この経験を振り返れるといいなと思っている。

最終日。晩ごはんは息子と二人。他のメンバーは久々に祖母の家でお世話になることになった。冷蔵庫にあるもので、好きなもの作って食べようと計画していた。まさに、最後の晩餐。ようやく、明日からは全員はれて社会復帰。いろんな人に助けられた6月だった。とにかくまずは、みんなおつかれさま。そしてみんな軽症で元気になってよかった。

この週末は、家族でコストコへ買い出しにいこう。
そして、庭でBBQ。パーッと快気祝いをしよう。

サポートを歓迎します!皆さんのサポートを社会やこどもたちに還元していきたいと思います。