【初春のお悩み相談】会社に関する話など

とくに募集もしていないのに、わたしのもとには日々悩み相談が持ちかけられる。別にわたしが人気者であるというわけではない。相談者がわたしであるというだけだ。今日は皆さんの前で、東京都の森信太郎さんのお悩みについて考えていきたい。もちろん、新手の「療法」だと思っていただいても差し支えない。

こんにちは。会社がいつも無茶なスケジュールを出してきます。このままでは心も体も傷ついてしまいそうです。どうすればいいでしょうか。

大変奇遇なことに、わたしも同じ悩みを抱えています。ぜひ、暖かいチャイなどを飲んで気を落ち着けてください。その上でじっくりと考えていきましょう。
第一に、会社の存在意義について考えます。そもそも会社の目的は利潤を生み、株主に還元することです。したがって、従業員の心身の健康などハナから興味がないのです。
たとえばあなたが、プレイステーションの「ザ・コンビニ」のような経営シミュレーションのプレイヤーだったとします(ゲーム知識が「ザ・コンビニ」で止まっていて申し訳ありません)。ハイスコアを狙うあなたが、従業員の健康を第一に考えるでしょうか。否、あなたは利潤に影響を与えない範囲で、もしくは辞めないギリギリまで、彼らを追い込むのではないでしょうか。現実の経営者も、基本的には「ザ・コンビニ」のプレイヤーと同じ発想をします。
だからそもそも、会社は「尽くす」ものではなく「利用する」ものなのです。たしか「ショムニ」にもそういうセリフがありましたし、「ショムニ」の言うことは大抵正しいものです。いかに金をもらいつつ自分の利益を生むか、自分自身や愛する誰かのためになるものを得るか、それを行動の指針にしてみてはいかがでしょうか。
会社はあなたを大切にしません。だとしたら、あなたが会社を大切にする必要もないのです。金だけもらって好きなことやりましょう(給料が減らない程度に)。

最近、何をしても虚しさを覚えてしまいます。ありがたいことに収入も増え、買いたいものも買えるようになりましたが、虚しさからは自由になれません。わたしはなにか、生き方を間違ったのでしょうか。

なんと!またもやわたしと同じ悩みを抱えていますね。あなたはわたしと似ているようです。ひょっとしてあなたも、カルディの濃縮チャイを牛乳で割って飲むのがお好きなのではないですか。
これはほぼ33年間生きてきた上での暫定解ととらえていただきたいのですが、「不幸」と「不便」は似ていても、「幸福」と「便利」はまったく違います。一定以上のお金を稼ぐというのは「便利」さを向上させるだけで、「幸福」とは直接の関係がありません。
仏教によれば、この世の本質は「無」です。だから虚しさを覚えているということは、それだけ真理に近づいている証拠です。あんなにおいしい濃縮チャイもいつかはなくなります。飲みきって、紙パックを洗って、また買っての繰り返しが人生です。そして何十年か後に死んで灰になります。その間にいくつか美しい出来事あれば、それで十分なのではないのでしょうか。

最近、書きたいものがなく困っています。毎週毎週ネタがなく、自分には才能がないのかと落ち込んでしまいます。

やはり奇遇ですね。今度一緒に「どうぶつの森」でもやりましょう。
これに関しては、答えは明快です。文章を書くなんて変態のやることなのですから、わざわざやる必要がないのです。あれは、やらないとおかしくなる人のやることです。ご自身の変態性を確かめるためにも、おかしくなるまでやらない、というのも有意義だと思われます。

次回更新は3月28日(土曜日)です。

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