師走と冬眠の話

ふと気づけば、二週間後には来年なのである。時の流れが年々早くなるのに加えて、今年はわが身に大きな変化があったため、本当に一年があっという間だった。

いや、今年を振り返りたいのではない。苦言を呈したいのだ。こんな寒い時期に、人は活動するべきではない。

師走、という言葉がある。厳密には陰暦十二月の別称であるが、新暦においても十二月を指すことがある。諸説あるが、お寺の坊さん(師)が町中を走り回ってお経を唱えていたことに由来するという。

一方熊は、冬眠しているのである。食事もせず、排泄もせず、穴にこもって眠っているのだ。万物の長たる人間の、そのなかでも仏門を極めた僧がスーパーカブで走り回っているさなかに、熊たちはおだやかな顔で眠っているのである。

昨日につづき、今日も「人類」スケールの話をしてしまった。たぶんわたしは、いまの苦しみを「人類」のせいにしたいのだ。大抵のことは「人類」か「気圧」のせいにして生きていきたい。寒いんだもの。朝のゴミ出しですら半泣きなんだもの。

冬の生活において人類が熊に勝っていることなんて、「鍋が美味しい」くらいしかない。鍋でも食べてやっていくしかない。

次回の更新は12月20日木曜日、正午です。

[お知らせ]
来週12月24日〜28日の五日間は、「歳末お悩み相談ウィーク〜今年の悩み、今年のうちに〜」を開催いたします。皆さんのお悩みに、無い知恵を絞って回答していきます。どんなことでもかまいませんので、こちらまでご投稿いただければ幸いです。記事中で引用しますので、個人情報の記入はお控えください

励みになります。