早起きして損した話

昨晩は8時に寝た。インフルエンザにやられたのではない。「無慈悲」と言っていいほどの気圧低下に耐えられず、なじみの頭痛薬を服用したところ、万年不眠の自分には珍しいほどの眠気に襲われたのだ。なんなら夕食(メンチカツ)の直後、7時に寝ることすら可能だったが、あまりに早いと生活リズムが崩れると思い、8時まで粘った。

目覚めたら6時半になっていた。喉が渇いて真夜中に起きたことをのぞけば、10時間以上寝ていることになる。朝の陽光を期待してカーテンを開けると、分厚い雲が空を覆っていた。「いや、これはくもりじゃない。まだ明けてないだけだ」と思いたかったわたしは、カーテンを開けたまま二度寝に突入し、日の出のまぶしさで自然に目覚めようとした。

そして7時半、日の出とは無関係にアラームが鳴った。外はにじむ橙色ではなく、一面の灰色だった。わたしは肩を落としながら、6時半に起きたときにセットしておいた(なんて気が効くのだろう)風呂に入ることにした。

浴室にある凸凹ガラスの窓から、外の灰色がうかがえた。せっかく早起きしたんだから、晴れてくれてもよかったのに。こんなことなら早寝なんかせず、すこし無理をしてでも夜を楽しめばよかったのかもしれない。

「俺は『しょうがない』って言葉が大嫌いなんですよ」

いつかのインタビューで、ロックバンドDragon Ashのメンバーであるkj氏がそんなことを語っていた。おそらく「何事においてもすぐに諦めるな」という主旨だと思うし、おおむね納得できるが、天気は例外だろう。

気圧が下がるから頭が痛くなる。頭が痛いから早く寝る。早く寝たから早く起きる。早く起きたから曇天に落ち込む。もちろん雲が空を覆うのは、気圧低下により上昇気流が発生したせいである。一連のすべてが「しょうがない」し、「自然」でもある。

朝早くから温かい風呂に入ったためか、書いてて眠くなってきた。今日のnoteに緊張感がないのも、もちろん「しょうがない」のである。

次回の更新は2月1日金曜日、正午です。

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