【晩冬お悩み相談ウィーク】飲食店でのオーダーや取り分けの話

今週は「晩冬お悩み相談ウィーク」と題して、皆さんから寄せられたお悩みに回答してきます。

悩みではないのですが最近考えていることがあります。
 主に仕事絡みのソーシャルな会食や飲み会で、参加者の飲み物のオーダーや料理の取り分けを全くしない人はどんな事を考えているのでしょうか?純粋な疑問です。 彼らはプライベートで食事する際も、恋人や旦那さん・奥さん、友達にも同じように何にもしないんでしょうか?
集団飲食時の気の使い方の極意があれば教えてください。

いにしえから提起されている「サラダ取り分け問題」に加え、最近ではデヴィ夫人が「オーダーは男性がしろ問題」を提起するなど、宴席での議論は止むことがありません。

「宴席を作る」という共同作業であること、マナーとルールの境目が曖昧であること、食べ物の好みは人それぞれであること、食べるということが生命維持の根幹にあること、理由は様々だと思います。いまもまだ解かれていない難問の一つに、「サラダに載ったプチトマトの数が人数の整数倍でない場合、どう分けるべきか?」という問題があります。これには、リーマン予想並みの懸賞金が懸けられているという噂です。

あなたのこのお悩みも、なかなかの難問です。数学Aを学んでいたあの頃を思い出して、「参加者の飲み物のオーダーや料理の取り分けを全くしない人」の実態を丁寧に場合分けしていきましょう。なおここでは、「参加者の飲み物のオーダー」を、「会のはじめに『ビールの人〜?』などとたずねる」または「会の途中に『なんか飲み物頼む人〜?』などとたずねる」という行為を指します。

1. 「飲みたきゃ自分で頼んで、食べたきゃ自分で分ければ」論者
「自助」という意味では一理あるように思えますが、なにか引っかかるものがあります。宴席をともに盛り上げていこうぜ、という協力的意志が感じられないからです。
このような人は、「おれウーロンハイ頼むけど、なんかついである?」と気を利かせたりしません。さらに言えば、取り分けの必要なものがテーブルに運ばれたとき、「まあ気楽にさ、それぞれで取り分けようよ」などと提言したりもしません。こういう人たちは、自分の飲み物だけを頼み、自分の食べたい分だけを己の小皿に取り分けるからです。ただその右手には、誰かが「ビールの人〜?」と問いかけたときに手を挙げた成果が握られているのです。
ここで矛盾が生じました。「飲み物は各自でオーダーすればよい」と思っているはずなのに、「ビールの人〜?」という問いかけの恩恵を受けているのです。つまりこういうタイプは、オーダーや取り分けといった仕事を全員で共有したいような口ぶりで、自分以外の全員に押し付けたいだけなのです。
こういうタイプは、おそらくどんな場においてもこういう態度をとります。

2. 「それぞれ自分で注文して、自分で取り分けようよ」論者
1と似ていますが、微妙に異なります。こちらの場合は、誰かに押し付けられがちなオーダーや取り分けといった仕事を、自分を含め全員で共有しようという民主的な思想の持ち主です。機会があれば仕事をしようという意志があるので、敵ではありませんが、この思想を開陳しない場合、ただの怠慢なやつに見えます。
しかし、宴席のメンバーに上下関係があるとき、思想を抑えて「上の人」のサラダを取り分けられるかは別問題です。ぜひ応援してあげてください。言えば聞いてくれます。

3. 「俺以外の誰かがやればいい」論者
1を露骨にしたようなタイプです。「みんなでやるべき」という建前すら持ちません。代金を多く取りましょう。

こうして場合分けをしてみましたが、やはり難問でした。解けた気がしません。

いかがでしたでしょうか。少しでも、あなたの宴席ライフが豊かになれば幸いです。

次回更新は2月28日木曜日、正午です。
引き続き、こちらにてお悩みを募集しております。

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