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役に立たない痴漢被害対応

痴漢は犯罪です

そりゃもう、まじりっけなしに、疑いの余地なく、犯罪です。性犯罪。
なのにかなりライトな扱いをされがちだよな…と、個人的経験から思います。
今回は、痴漢被害の経験から理解した現実をお伝えしようと思います。
タイトルにある通り、役に立たないです。胸糞注意。せめて写真くらいは綺麗なものを使おう。

個人の経験 その1

中学生になったばかりの頃。
休みの日に隣町までお買い物に行きました。
帰り道で、自転車を押しているおじさんが道に迷ったと声をかけてきて、○○まで案内してほしい、と。
帰り道だったこともあって請け負いました。この時点でダメダメなんですが、当時の自分としては「困ってる人がいたら助けなければ」みたいなことを考えたのです。
今は違いますよ。
困ってる大人は、普通は子供じゃなくて大人に声をかけるものです。
だから、わざわざ子供に声をかけてきてる時点でアウト。少なくともその後の会話から、おじさんは私が子供であることを分かったうえで声をかけてきたことが分かりましたし。

案内してほしいと言われた場所は駅の近くのマンション。
道中、おじさんは突き指して痛いからさすってほしいと言ってきました。
同情した私は言われるがままに撫でましたが、おじさんの反応がどうもおかしい。当時はそんなに痛いのかなぁと思ったんですが、今思えば興奮してたんでしょうね。気持ち悪いなあ。

目的地に着いたところで、おじさんは更に言いました。
「マンションに住んでる知り合いの部屋が分からないから一緒に来て探してほしい」
いやいやいや…さすがに何かおかしいぞ?私がついて行っても役に立たないぞ。
そう思ったんですが、何だか怖くて、逃げ出しても捕まりそうな気がして、言われるがままについて行きました。
階段を上っていると、お尻に何か当たりました。すぐにおじさんの手だと分かりました。
びっくりして駆け上ると「そんなに急がないで」と言います。
そんなことを何度か繰り返しているうちに、おじさんが踊り場で止まるように言い、壁際に私と立たせて服の上から体のあちこちを触り始めました。
怖いし気持ち悪いし、ともすれば下着に手を突っ込もうとしてくるのでその場にしゃがみこんで抵抗すること数回。
ようやく諦めてくれたようでしたが、去り際におじさんが言ったことが酷かった。
「知らない人について行ったらダメだよ」
「誰にも言うなよ。言ったら舐めちゃったとか言うからな」
お前が言うなって話だし、そんな事実はないんだけども。
そこから家までの道すがら、交番はあったんですけど、言われたことが脳内で何度もリピートして、結局駆け込めず、親にも言えず、至る現在。
改めて書いてみると本当に気持ち悪いな、これ。よく男嫌いにならなかったもんだ。

ここで得られる教訓は「下手な同情は身を亡ぼす」ということです。

個人の経験 その2

大学生になってからのこと。
通学の電車で痴漢に遭いました。
そこそこ混んでたんですよね。だから隣近所の人と密接してるのは仕方ないことでした。
…が、明らかにおかしい密接具合。背後にピッタリ、誰かいる。
お尻のあたりを何かが触ってて、痴漢か?と思うもすぐに動けず。
しばらくすると私の腰のあたりをホールドして、股間を擦り付けてきてました。
息遣いも心なしか荒くなってるのが分かります。
脳内会議開催。
大きな声を出すだけじゃ逃げられてしまう。
腰を掴んでる手を確保して、振り向いて胸倉掴んで文句言ってやる。
イメージトレーニングOK。
私を掴んで離さないどころかさらに股間を摺り寄せてくる痴漢の手を掴んで引っ張り、振り向いて胸倉を掴んで言ってやりました。
「ふざけんじゃねぇぞ痴漢野郎!黙ってりゃいい気になりやがって!」
…自分の親よりちょい上くらいのおじさんでした。
気持ち悪さよりも怒りよりも、公共の場で大声を出して感情を露わにし他自分自身への驚きが勝っていました。頑張って表に出さないようにしたけど、手も足も震えてました。
突然大きな声を出せば、周りだって何かしら反応するものです。
でも、期待したものとは違いました。
すぐ近くにいた30代くらいのサラリーマン2人組は、「お、何だ何だ?」と野次馬根性丸出しで何もせず。
私と痴漢の周りには、どこにそんなスペースがあったのかと思うくらいに空間が出来ました。
痴漢は痴漢で観念するのは早かったです。大きな抵抗もなく大人しくなりました。ごめんなさいと謝ってもいました。お小遣いあげるから、とも。許さん。

停車したところで降ろして、襟首掴んで駅員事務所に連行。警察を呼んでもらうことにしました。
交番がすぐ近くにあるので、大して待つこともなくお巡りさん到着。交番に移動して事情を聞かれました。
ここで愕然としましたね。
痴漢から話を聞いた上で「初犯らしいので」「もうしないと言ってるし」「訴えるとなるとこういう(面倒な)手続きがあって」云々。
そう、痴漢は警察に連れて行っただけじゃどうにもできないのです。そこから更なる手続きを踏まないと、社会的に罰することが出来ないんです。
当然、何をされたかって話をもっと大勢の人の前で、下手したら何度も言わないといけない。

二十歳そこそこの小娘に、それをやれと?

なので、諦めました。ただ、痴漢に文句は言いたいので、改めて直接文句を言って終わりにしました。講義の時間も迫ってたし。
帰り際、私の聴取をしていたお巡りさんが言いました。
「もし次があったら、周りの人に頼ってね」
なのでこう言いました。
「今回誰も助けてくれませんでしたけどね」

この件の教訓は「周りをアテにするな」です。

個人の経験 その3

先の2つに比べればライトな内容です。
これまた大学生の時のお話。
ゼミの教授のお使いで、国会図書館に向かっている地下鉄でのこと。
吊革につかまって立ってたら、太もも辺りがざわざわしました。
視線をやると、隣に立っている同い年くらいの男子学生と思われる大人しめの男性が、明らかに私の太ももを触ってました…指先で。
夏場、新聞を広げるそぶりで二の腕を触るオッサンが発生したりしますが、この男子学生の狙いは太もも。
何というか…怒りよりも憐れみを感じました。
あのさ、何でよりによって私みたいなデブスの足を狙うの。他に選択肢いくらでもあるじゃん。
それとも大人しそうに見えるからやってみたとか、そんな具合か。
お前そんなんじゃ一生童貞だぞ…?

一応イメトレをした上で、太ももを触ってくる手を捕まえて言いました。
「痴漢するなら他の人にしてくれます?」
今思えば、台詞のチョイスを誤りました。
痴漢学生、何か言われると思ってなかったんでしょうね。固まってました。
周囲はと言うと、うら若い女性は明らかに嫌悪感を帯びた声で「嫌だぁ」と言い、乗り合わせていた50がらみのサラリーマンは「そんな奴、警察に突き出してやれ!」と言いました。
…うん、威勢はいいね。でも、警察に突き出す手伝いはしてくれないんだね。
相変わらず何も言わない痴漢学生。
業を煮やして「何とか言ったらどうなのよ」と言ったら「ごめんなさい…」と消え入りそうな声で呟いて、ドアが開いたのを幸い(よりによって渋谷駅で、大量に人が下りるから手が離れてしまった)、逃げていきました。

この件も、前段と同じです。周りはアテにならない。
そして加えるなら、痴漢をやるような人は基本的に「蓼食う虫も好き好きを地で行ってる節操なし」ということです。
「自分は大丈夫」が通用しない。誰もが被害に遭う可能性がある。
見た目はもちろん、性別も年齢も関係なく。

最後に

自分で打ってても大層胸糞悪くなる話の連続だったので、読んでくださった方も気持ち悪かったと思います。すみません。
もしあなたの大事な人がこの手の嫌な思いをしたときは、寄り添って支えてあげてください。
もちろん、そんな目に遭わないことが何よりも大事なので、小さいお子さんにも(男女問わず)自衛手段を教えてあげてください。
残念ながら、性犯罪者というのは世界各国どこにでもいるのです(日本に限った話じゃないですよ、と言っておきます…外国人に痴漢されたこともあるので)。

ただまぁ、世の中には冤罪というものもあるので困りますよね。
被害をでっちあげる人がいるせいで、本当に被害に遭って困ってる人まで冤罪扱いされちゃったり。
今回書いたのは、一番新しいことでも四半世紀前のことですから、今は事情が多少なりと変わってるかもしれませんが、用心して無駄と言うことはないですし、油断大敵なのは古今東西変わらないでしょうし、何より、こんなことをされて傷つかないわけがないのでね。

ここに書いたようなことと、他にもまぁ色々ありまして、性犯罪者は当然ですが、そうした状況を自分で作ったくせに被害者面する人も同じくらい嫌いです(前述の冤罪みたいに)。
嫌な思いをしたからと言って、男性全てが嫌いということはないです。そうじゃない人をいっぱい知ってますから。

記事読んでる人の中に、迂闊にも痴漢しちゃおうと思った愚か者がいたら、性病になって苦しんで死んでいくように呪います。
くれぐれも出来心で道を踏み外すことがありませんように。
誰かがお前を見ているぞ。

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