TechCrunch記事「France creates a special visa for entrepreneurs, engineers and investors」拙訳


元記事:

https://techcrunch.com/2017/01/17/france-creates-a-special-visa-for-entrepreneurs-engineers-and-investors/


フランス政府が起業家、エンジニア、投資家向けの特別ビザ発給制度を制定

2017年の大統領選を控えたフランスで、政府が新たにスタートアップを育成するための一手を発表した。「French Tech Visa」と呼ばれるこの新しいビザ発給制度は、フランス国外の特にテック分野の才能ある人材を対象としたものだ。そのような人材とその家族にとって、この制度によって容易に4年間有効なビザの取得が可能となる。

今月初めに開かれたCESでのTechCrunchセッションにて、アクセル・ルメール経済・財務大臣付デジタル・イノベーション担当大臣がその情報を明らかにした。

2015年当初、フランス政府は「French Tech Ticket」なる制度(労働ビザやチーム一人あたり14K-28K US$ほどの助成金、経営面でのサポートを含んだパッケージ)を開始した。これまでのところ、2つのバッチで複数のスタートアップ企業がこの制度を利用してフランスで過ごすなど、制度は順調に運用されているように思われた。

しかしながら、それはスゴ腕のエンジニアやデザイナー、はたまたVCやレイトステージの起業家にとっては十分なものではなかった。そういった人材にとって、新たな「French Tech Visa」の制度は遥かによい条件となっている。

EU外からの外国人の場合に応募が可能で、優先審査枠にまわしてもらえるかもしれない。対象となる応募者の家族にも適用され、私の知る限り定員の制限はない。

起業家であれば、「French Tech Ticket」のメリットに加え、アクセラレータやスタートアップコンペとのパートナーシップも含まれることになる。もし対象となるアクセラレータやスタートアップコンペに採択されれば、このビザを取得できることになる。

労働者に対しては、政府が「100+ 個の先進的なフレンチスタートアップ」リストを作成予定だ。この対象企業から雇用されれば、このビザを取得することが可能になる。エンジニアやデザイナー、さらにはマーケターなどには非常に魅力的だ。ビザの有効期限内であれば、必ずしもビザ取得時の雇用主の元でずっと働き続ける必要はないからだ。リスト外の企業への就職については「Passport Talent」という、こちらも新しい制度への応募が可能だ。こちらはアメリカにおけるO-1ビザに近いもので、対象は技術的、芸術的、科学的に特別な能力を持つ人を対象としたものである。

フランス国内のベンチャーキャピタルや国際的なVCで新たにフランスにオフィスを構えるベンチャーキャピタルの従業員についてもこの「Passport Talent」ビザ発給の対象となる。

フランス国内では優秀な人材を雇用することが徐々に難しくなってきており、この新しいビザ発給制度が最近好調なフランススのタートアップにとっては協力な推進力となるはずである。

これまでフランスのスタートアップエコシステムで働く多くの人々から、ビザの取得にまつわる数え切れないトラブルの逸話を聞いてきた。アメリカではビザ取得のために多くの時間と事務処理を必要とする。しかしそれはフランスでも同様の状況だ。この新しいビザ発給制度による、迅速な発給についてのフィードバックを聞くのが待ち遠しい。

そしてもちろん、現フランス政府はこのプログラムの開始を大統領選挙前に開始することを望んでいた。次の大統領は移民に対してより否定的であることが想定されるが、一度走り出した制度を止めるのは困難であるからだ。

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