壺は無かったが手をかざされた【家族と宗教】


同居していた母方の祖母は私が物心ついた時から宗教にハマっていました。

手をかざせば除霊ができて体調も良くなるという神様の団体


祖母は働いていたので、自分のお金で家族に勧めることもなく一人で活動していた。
でも私が風邪ひいた時とか、こっそり手かざしされました。
それで風邪が治った記憶はないけれど、特に害はなかったので私も別に嫌がらず。

そのうち母が社宅のいじめのストレスからキッチンドランカーに。
ニッカの角瓶を台所で昼からラッパ飲みして「体調が悪い」と寝込む日々。
アル中じゃなくて本当に体調が悪いと気が付いた時には末期がん。
「大変!大変!」と入院している母の病室に祖母が団体から除霊ができる人たちを呼んでひと騒動に。
当然、父は激怒。
この頃の父と祖母は常にケンカしていた記憶しかない。

関東に住む父の兄弟からお見舞金が50万送られてくる。

「自分が入っている宗教に入信すれば病気が治るから入れ」

と言われる。
父は激怒してお見舞い金を返金。
母が亡くなった後、香典が送られてきて「入信しなかったから死んだ」と言われる。
父再び激怒、香典を送り返して兄弟とは絶縁。
この叔父さんはその後、1億5千万の借金を作りお金を借りに来た。
今思うと借金の原因は献金だったのかも。
どこの宗教かは知らない。

母が亡くなってから祖母は「食べ物が悪かったからだ!」と宗教団体の作っている健康食品にハマる。
自宅で販売会を開きだして定期的に信者のお友達が集う。
味の薄いスパイスを感じないカレールーは美味しくなかったけど、瓶入りケチャップは美味しかった。
オーガニック食品ですね。

「添加物や化学調味料は毒素で悪」

だそう。
祖母と父は同じ家に住むのに食材から調味料まで全て別にして暮らしていた。
(子供たちはどちらの食材も勝手に使って食べていた)
険悪な雰囲気の家から兄は出ていき、私も就職で家を出る。

10年以上経って実家に戻ったときには、祖母は宗教を辞めていた。
仕事を辞めたので献金が続かなくなったのか、オウム事件とかで宗教が騒がれたからか理由は分からない。
単純にそれを信じられなくなったのかも。
仏壇の横にあった、なんとか様の写真も無くなっていた。
味の素も大量に使うようになっていた。

使っていないコンセントの横を見たら呪文のような解読不能な文字を書いた小さな紙が貼られていた。
他のコンセントを見ると剥がした後がある。
たぶん、電磁波避けのおまじない?的なものかも。
祖母が宗教以外にも妙なことにハマり出して父が剥がした後だと思われた。

今はも祖母も父もいない。
祖母が自分のお金の範囲内で家族を巻き込まずに活動していてくれたことと、父が必死で防衛してくれたおかげで一家崩壊は防げたのだと思う。
祖母はその教団の思想にハマってはいたけど、きちんとご先祖様も大事にする人でお墓参りはちゃんとしていた。自分の中で何か線引きがあったのかも。

小学校の同級生に祖母と同じ教団のネックレスをしていた子たちがいたけど、彼らは今どうしているのだろうか。
その後に、ちょっと興味はある。


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