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来訪者を守りぬけ!『ウルトラマンアーク』第6話「あけぼの荘へようこそ」

怪獣出現の兆候調査に赴いたユウマたちは、山あいにある古びた旅館「あけぼの荘」で不思議な番頭さんと出会う。過去に宇宙人騒動があった土地ということもあり、いつもよりも鋭い目を向けるシュウに、ユウマとリンはタジタジ…。そして、旅館に隠された秘密にたどり着いた時、シュウの判断は一体!?
(「TSUBURAYA IMAGINATION」より転載)

本稿はタイトルに記載された作品のネタバレを含む感想です。
事前情報をほとんど入れず、作品を見ただけで書いておりますので、多少の間違いは笑ってご容赦ください。


メインキャラクター紹介編、今回の主役は石堂シュウ。
脚本は『ウルトラマンブレーザー』第17話「さすらいのザンギル」に登場したコーヒー好きの宇宙剣豪・ザンギルが印象的だった継田淳氏、監督は第4話に続いて武居正能氏です。
物語のもう一つのテーマは円谷作品の伝統、「悪意のない宇宙人にどう対処すべきか」
「宇宙人との共存」を掲げた『ウルトラマンタイガ』にも通じるものがあります。


群発する地震、そして異常な電磁波の調査に赴くユウマ、リン、そしてシュウ。
未確認飛行物体の噂に厳しい表情のシュウ、宇宙人に対し並々ならぬ敵意が滲み出ています。
調査の最中訪れたあかつき荘、番頭と女将のハンドサインにも疑いの目を向けます。

そして遭遇した茸狩宇宙人 クロコ星人
シュウの尋問に対し、クロコ星人は、
・16年前、地球にキノコ狩りに訪れるも、仲間に置き去りにされたこと、
・地球人に姿を変え、ヌマタと名乗り、あかつき荘で番頭をして働いていたこと、
・女将や中居は彼の正体を知らないこと、
を語ります。

防衛隊として、不法在留宇宙人に厳しい態度で臨むシュウと、穏便な処遇を主張するユウマ。
過去にコンビを組んでいた同僚が、宇宙人に命を奪われた過去を持つシュウにとっては当然の対応です。
まあ、理屈としてはシュウが100%正しい。
日本は法治国家であり、悪意はなくとも不法滞在者は法に従わなくてはいけません。

そこに地震の原因たる鎧攻殻獣 シャゴンが再登場。
ユウマ達をランチに決めたシャゴンは、なんと仲間を呼び集めるのでした。
その数最終的に3匹。
「じゅんでーす」「長作でーす」「三波春夫でございます」
今回の個体も50m級で、ウーズに寄生されていたのでは?と思われましたがそこは謎。
新怪獣が同じシリーズ内、かつ別の話で再登場すると、世界観が広がります。シャゴンも、前作のタガヌラーのようなシリーズを代表する名怪獣になると良いですね。

あかつき荘に逃げ込む一行、その騒動の中、
・女将も中居もヌマタの正体を知っていたこと、
・行き倒れたクロコ星人を招き入れ、ヌマタの名を与え、番頭として一緒にあかつき荘で助け合ってきたこと、
がわかります。

女将のセリフ「宇宙人を匿うと、罪に問われるんですよね?」はプチ衝撃でした。
法整備については明確な描写がありませんが、宇宙人の存在が認知され、さらに「地球には宇宙人が潜伏し、よからぬことを企んでいる、だから宇宙人を匿うのは罪である」と認識されていることがわかります。
「ヌマタは大切な家族、星に返してあげてほしい」との訴えに、シュウの心は動揺します。

盛り上がるあかつき荘の面々に、「無視すんな」とばかりに襲いかかるシャゴン、抜け出したユウマはアークに変身。
たちまち2匹のシャゴンに襲われピンチ、そこに来ました今週のバリア&光輪大喜利、先週の変法で光輪に大判バリアを貼り付けた巨大回転カッターがシャゴンを切り裂き1丁上がり。
その隙にあかつき荘を襲う2匹目、3匹目に襲われ身動きが取れないアーク。
絶体絶命の危機を救ったのは、ヌマタの乗った宇宙船の特攻でした。
女将、中居のリアクションが素晴らしく引き込まれます。

奮起したアークはソリスアーマーを着用、炎の剣と化したアークアイソードで、2匹目のシャゴンを切り捨てます。
戦意を喪失した最後のシャゴンの前に立つアーク。しかしアークは武装を解き、そのままシャゴンを見逃します。
たとえ人を喰う恐れのある怪獣とはいえ、攻撃してこない限り殺すべきではない、とシュウに語らんばかり。
熊とか鮫への対応のよう。
怪獣災害で両親を亡くしたユウマが、親の仇ともいえる怪獣に「生き物として向き合えた(第5話)」事を体現した名シーンです。決して時間が無かったからではないと思う

全てが終わり、ヌマタは防衛隊で取り調べを受ける事になりました。
シュウの表情にも棘がなく、情状を考慮した上での穏便な処遇を期待させる雰囲気です。
防衛隊的にはクロコ星人の知識と科学技術供与を引き換えに、あかつき荘にて保護観察となるのでしょう。

同じハンドサインを見て、シュウは怪しさを、ユウマは暖かさを感じた事に、シュウは「私もまだまだですね」と自省するのでした。
そのハンドサインの意味は「ありがとう」。
ご都合主義的展開ですが、子供たちが見る番組として、私は健全でいいと思います。
モノロン星人の鳩や、メイツ星人みたいな目に遭わなくてよかった。


いかがでしたでしょうか。
シュウのキャラクター掘り下げよりは、宇宙人への対応が目立ってしまった回でしたが、これからのエピソードでシュウの描写は増えていくと思われますので、まぁ問題ないでしょう。

今回登場のクロコ星人、名前の由来を調べていたら、「クロコキノコムシ(黒小茸虫、Mycetophagus ater」という昆虫がいる事を発見、これかな?と思いました。デザイン的にはあまり似ていませんが。
出身星系の「シャンピーム系銀河」も、フランス語でキノコ全般を表す「シャンピニオン/champignon」から取られていそうです。
いやぁ、勉強になりました!

ウルトラマンアーク、今週も大変満足しました。
四国の田舎からエールを送ります。

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