
ギャル女子大生たちが休日のカフェでしていた源氏物語談義の教養レベルが宮中の女房並みに凄かった話
休日に近所のカフェに行くと、女子大生っぽいギャル2人組がスマホ片手に雑談をしていました。以下、なんとなく聞こえてきたやりとりを、ほぼ脚色なしで再現します。
えりか(仮名)「あー、あのさ何だっけ、あの古典のやつ。」
さとみ(仮名)「は? 古典? なに、『日本書記』とか?」
えりか「いや、あのもっと最初の小説みたいなやつ。……思い出した、『源氏物語』」
さとみ「うわ、懐かし! 日本史とか最近全然やってないわー。」
えりか「あれさー、漫画とかドラマの原作にバンバンなってるだけあってさ、けっこう面白かった気がするんだよね。」
さとみ「なんか似たようなのなかったっけ?」
えりか「『枕草子』? いや、あれダメだよ、作者けっこう腐ってるもん。」
さとみ「ウケる。あれってなんか女がグチ書いてるだけだもんね。」
えりか「あと、なんていうか“わたしアタマいいでしょ?”感ですぎ。クソだよあれ。ストーリーないし。」
さとみ「ウケる。」
えりか「でもさぁ『源氏物語』って主人公の設定けっこう謎なんだよね。」
さとみ「ロリコンじゃなかったっけ?」
えりか「それがマザコンかもしんないんだよ。」
さとみ「え、ロリコンとマザコンって全然違くない?」
えりか「いや、光源氏(ひかるげんじ)ってさ、基本は幼女連れてきて自分好みのオンナに育てようとしてる人ってイメージでしょ。」
さとみ「完全にロリじゃん。あの子の名前って紫の上(むらさきのうえ)だっけ?」
えりか「そう、紫の上。でもさ、その自分の好みのオンナっていうのが、母親っていうか、義理のお母さんなのよ。」
さとみ「うわ、微妙。」
えりか「でね、その藤壺(ふじつぼ)っていう義理のお母さんが、死んだ光源氏のお母さんに顔ソックリなのよ。」
さとみ「うわぁ……。ひくね、まずお父さんの帝(みかど)にひくね。」
えりか「こうなるともう、ロリコンかマザコンかわかんなくない?」
さとみ「やばいね、光源氏。メンタルやばいね。」
えりか「まぁでも、光源氏ってヤバイやつだから。」
さとみ「たしかに。登場人物ほぼ全員とヤるよね。」
えりか「もう病気だよあれ。ブスとか関係なくヤるもん。」
さとみ「終わってる。奥さんかわいそうだよね。」
えりか「葵の上(あおいのうえ)、マジかわいそう。」
さとみ「しかも葵の上って、全然悪くないのに呪い殺されるんだよね?」
えりか「そう、六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)っていうお年を召してる方に。」
さとみ「うわー。ないわー。」
えりか「てか光源氏、マジでクズだわ。」
さとみ「それな。」
えりか「で、『日本書紀』ってどんな話だっけ?」
さとみ「えっと、なんか日本ができるやつ……。あれ、それ『古事記』だっけ?」
えりか「全然印象ないんだけど、何言いたいのかよくわかんなかったってことだけは覚えてる。」
さとみ「うーん、なんかストーリーにパンチがなかった気がする。」
えりか「あー、ダメだ、全然思い出せない。日本史苦手だわー。」
さとみ「それより、わたしこのチョーカー買おうと思ってるんだけど。」
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とりあえず、二人とも教養レベル高すぎでしょ。
源氏物語の登場人物の名前と大筋をこれだけ正確に覚えてるギャルたちは、この後「バイト先にツイッターが面白い人がいるんだけど、そんなに仲良くないからフォローしづらい」という話で一通り盛り上がってから帰りました。
難しい内容を簡単な言葉で伝えられるのが真の賢者である、と何かのビジネス書で読んだ気がします。
とりあえず、なんというか、六条御息所って人名が普通に出てくるギャルの会話レベルの高さはヤベェなと思いました。