『 のど自慢 』 再スタート

■ 店長日記  2005.09.20

「のど自慢」の予選に敗れ2日が経ちました。

日曜日は顔なじみの方達が皆さん集まって下さり、楽しく「残念
会」を行うことが出来ました。

集まって下さった皆様。
本当にありがとうございました。

予選会の前日、私は少し早めに店を上り、一人カラオケBOXで
最後の練習をしていました。

予選会のステージ、そして目の前の観客席をイメージしながら、
ただひたすら一番だけを、何度も何度も。

明日は出だしが勝負。

特に歌い始めを重点的に練習していました。

よし。 これなら大丈夫!

高い所も楽に歌えるようになり、これなら行けると確信し、私は
カラオケBOXを出ました。

明日は大事な予選会。

私は家に帰り、シャワーを浴びた後、すぐに床に就きました。

布団に入ったのが確か2時ごろでした。

いつもなら布団に入ると3分以内に必ず寝てしまうのですが、
この日は違いました。

あれっ、おかしい。 何で寝れないんだ?

確かにあすは予選会でしたが、別に緊張しているわけでもなく。

でもやっぱり緊張していたのかなー.....。

結局寝たのは3時を過ぎていました。

そしてやっと眠れたと思ったら、今度は5時過ぎに目が覚めて
しまいました。

時計を見てビックリ。

えッ! まだ5時じゃん!

寝不足は良くないと聞いていたので、なんとか眠ろうとしました
が、ダメでした。

しかたなく1時間ほど経ってから、私は布団を出ました。

食事をして出発の準備を。

受け付け開始時間は11:30でした。

その日は、ちょっと余裕をもって会場に向かい、車はわざと立体
ではなく、外の有料駐車場に車を止めました。

マリオスに入ったのは10時半頃だったと思います。

結構、早く行ったつもりでしたが既に行列が。

私は少しマリオス内を歩いた後、行列の最後尾に付きました。

私の前に並んでいた女の子は出場される方らしく、自分が歌う曲を
何度も声を出して歌っていて、なんだかとても緊張している様子。

回りの方から「そんなに歌っていたら本番で声が出なくなっちゃうわ
よ」なんて声をかけられたりして。

今さらあがいてもしかたがないんだけど、でもそんな時の気持ちな
んとなく分かるなー。

いよいよ開場の時間に。


並んでいた人たちが前に前に進んでいった。

出場者は入って右側に誘導され、私は受付を済ませた。

さー、いよいよホールへ。

私はその扉を開けた。

あれッ?

確かに大ホールではあるが、もっと大きなホールをイメージしていた
ので、なんだか小さく感じた。ステージもそんなに広くない。

この日、私はほとんど緊張していなかったが、ホールの広さを見て
さらに気持ちが楽になった。

何日も前から想像していた場所に、今自分は立っている。

現在・過去・未来。

私の中で未来として考えていたものが、現実となった瞬間だった。

自分の席を確保し、私はゆっくりと座った。

いつもテレビで見ているステージが目の前にある。

テレビで見るととても広く感じるが、実際に見てみると意外と狭い、
というかほんとうに小さく見えた。

今回、私はお店に出ているそのままのかっこうで歌おうと決めて
いた。

私は一度車に戻り仕事着に着替えた。

よし、いよいよ予選会だ。

いよいよ、待ちに待った時が。

気持ちは高ぶった。

最後に「I Love You」を何度も聴いた。

予選会開始の時間は12:30。

そろそろ予選会の時間だ。

準備は万全。

ここまでの過程に私は充分満足していた。

最後にローズマリーの香りを手の甲に少し付け、私は車を出た。

気持ちはとても落着いていた。

会場に戻るとAさん、Cさん、Tちゃんが応援に来てくれていて、私
はご挨拶し少し話した。

気持ちはさらに落着いた。

しばらくすると、係りの方が予選会の説明を始めた。

途中、宮元アナウンサーが登場し、続けて予選会の説明を行った。

にこやかに冗談を交えながら、マイクの持ち方や歌い終わった後
の質問などについて丁寧に説明してくれた。

それにしても、流石プロですねー。

宮元アナウンサーが登場した途端、会場中がなごやかな空気に
包まれた。

説明が終わり、はじめに歌う1番~20番までの人が前に呼び出
された。

私の歌う順番は2番目。

前に並び一人ずつステージに上がった。

いつもテレビで見ている、あのベンチのような席に腰掛けた。

はじめにディレクターの方が2人で「365日のマーチ」をフリ付き
で歌い、マイクの引渡しなどステージでの流れを説明してくれた。

この「365日のマーチ」を私は後ろから見ていたが、フリ付けが
とても楽しくて、二人の息もピッタリ合っている。

流石だなー。

思わず感心しながら、後ろで見ていた。

お二人の歌はとても楽しくて、本当になごやかな気持ちになれた。

さて、いよいよ一番目の人の歌が始まった。

曲はゆずの「ああ青春の日々」だ。

確かTシャツとジーパンだったと思おうが、とても元気よく歌ってい
た。

”ありがとうございます”のコールがかかった。

予選会はスタートしたばかり。

あっという間に自分に順番が回ってきた。

マイクを受け取り、センターに立ち、番号と曲名を言った。

イントロが流れていた。

♪ I Love You 今だけは悲しい歌 聴きたくないよ...

私は歌い出した。

100%ではないがそこそこ歌えていたような気がする。

このとき私は緊張していたのだろうか。

これはべつに強がって言うわけではないが、気持ち的にとても
落着いていたし、変なドキドキ感もなかった。

練習のかいあって歌詞も間違えなかったし、ある程度声も出た。

しかし、体は正直なのか?

マイクを持っていた私の右手は、確かにプルプルと震えていた。

あっ、震えてる。

冷静にその手を見ていた。

震えるなっ!

私は震えを止めようとしてマイクを強く握り締めた。

ぎゅッ。

私の右手はマイクを強く握り締め、そしてプルプル震えていた。

あっ、変ってない。

私はあきらめ、視線を正面よりやや上に向け歌を続けた。

予選会は250組の方々が歌うので一人30~40秒と言われて
いて、私の歌も2コーラスぐらいまでと思っていたが、それを
過ぎても全然終わらない。

んっ?まだ行くのか?

結局、さびの少し手前まで歌わせてもらえた。

手が震えちゃって言うのもなんですが、あれだけのステージで
歌うのはやっぱり気持ちいいものですね。

ちょっとクセになっちゃうかも(笑)。

”ありがとございました”のコールがかかり私の歌は終わった。

次の人にマイクを渡し、私はステージを降りた。

あっけなく終わった感じもあるが、その短い時間は自分にとって
とても充実していた。

歌が終わり自分の席に戻る途中、客席の方が「すごく上手だっ
たわよ」と声をかけてくれた。

私を「のど自慢」に誘ってくれたKくんも駆け寄ってくれて「やっ、
ほんとよかったですよ」と言ってくれた。

私はとても嬉しかった。

その後、席に座り皆さんの歌を聞いた。

250組。

歌は5時過ぎまで続いた。

最後の組の歌が終わり、いよいよ審査に。

発表は6時。

それまでの時間、会場ではカラオケ大会が行われた。

みんなやっぱり歌が好きなんですね。(笑)

知らない人同士が、みんなステージで楽しく歌っていた。

そしていよいよ、結果発表の時が。

NHKの部長さんが登場し挨拶をした後、結果発表を行った。

私の番号は2番。

呼ばれるとすれば、一発目か。

このときは流石に緊張していた。

もしかするとテレビに出て歌うかもしれないのだ。

「えー、発表します」。

「................」。

「11番」。

あらっ。

いきなり11番か。

..........終わった!...のか?

頼む! ランダムに呼んでくれ!

そんな願いも虚しく、番号は順々に上がって行き、2番はどん
どん遠ざかった。

あー、落ちた。

ガックリ。

「のど自慢」に誘ってくれた二人(Kくん・Iくん)も、残念ながら
22組に残ることは出来なかった。

いっきに気持ちが暗くなった。

最近のブログはほとんど「のど自慢」ネタで攻めていたし、お客
様にもかなり強気な発言をしていた。

トホホ...。

どうしよう....。

しばらくボーっとしていたが、現実を受け止め会場を出た。

とりあえず店に連絡した。

「いやー...」

「ダメだった...」

一度家に帰った後、店に行くことを伝え電話を切った。

正直、店に出る気力がなかったが、土曜日で人でも足りないの
で、しかたなく出勤した。

まずは家に戻り、パソコンを立ち上げブログを開いた。

ん~。  ......なんて書こ。

まずは22組に入れなかったことを書かなければ。

気持ちはかなり落ち込んでいたが、予選で敗れたことと明日の
残念会のことを書き込み、出勤した。

お店ではいつも通りカウンターに立ったが、お客様がみんな
お帰りになった後、疲れが一気に押し寄せた。

考えてみれば朝8時半ごろ、おにぎりとサラダを食べたっきり何も
食べていなかったし、前日はほとんど2時間ぐらいしか寝ていない
し、予選に通らず精神的にも落ち込んでいたし。

久ぶりに”辛い”って感じでした。

でも、まだ終わっていない。

明日の「残念会」を何とか乗りきらなきゃ。

スタッフと翌日のことを少し打ち合わせた。

物事は自分の思い通り行かないことの方が多いのかもしれない。

嬉しいこと、楽しいこと。

辛いこと、悲しいこと。

いろんなことを経験してこそ人は形成される。

私は今年で36歳になりますが、まだまだ未熟であります。

しかし、だからこそ人生は面白いのかも知れません。

今回、「のど自慢」で敗れた経験は間違いなくこれからの自分の
人生にとって”プラス”の経験であります。

10回チャレンジして1回でもうまく行けばいいじゃありませんか。

たとえ10回うまく行かなくても、一生懸命やった結果であれば
必ず次に繋がると思うし、花開くときはきっと来るはずです。

私はそう信じたい。

ん~。 あと何年生きられるんだろ?

限りある人生。

まだまだ、私のチャレンジは止まりません。

人によってやりたいことはそれぞれ違います。

もしかして自分がやろうとしていることは、誰かにとっては全く
意味のないことかも知れません。

でもいいんです。

私の人生ですから。

ちなみに私が人生をかけてやってみたいことは、お酒とラーメ
ン、音楽とデザイン、スポーツ、釣り、陶芸、畑仕事.....。

えー、いろいろありますが。

ちなみにギターを弾きながら人前で歌うのは私の夢であります。

もっともっと歌を練習して、もちろんギターも練習して、人が聴い
てここちいい、そんな音楽が出来る人になりたいです。

今回の「のど自慢」では、みごとに手がプルプルいってしまいま
した。(笑)

えー、ある意味情けない話ですが。

でも見てて下さい。

必ずや人前で堂々と歌って見せます。

あと何回手が震えてしまうか分かりませんが、必ずや堂々と。


七転び八起き。

転んでしまった弱い自分。

でもそれに負けない強い自分。

男、36歳。

まだまだ頑張らせて頂きます。

以上。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?