Where Is My Mind? - Pixies

Stop
ちょっと止めて、

With your feet on the air
足は宙のある方に、
And your head on the ground
頭は底のある方に
Try this trick and spin it, yeah
試しにいっぺんやってみて、廻すんだよ、そう
Your head'll collapse
頭はぐずぐず崩れていき、
If there's nothing in it
中には何にも入ってなくて、
And then you'll ask yourself
結果、自分に問うことになる

Where is my mind?
ぼくってやつはどこいった?
Where is my mind?
ぼくってやつはどこいった?
Where is my mind?
ぼくってやつはどこいった?
Way out in the water
ぼやけた水の向こう側、
See it swimming
泳いでるのが目に映る

I was swimming in the Caribbean
ぼくはカリブ海で泳いでた
Animals were hiding behind a rock
生きものはみんな岩の影に隠れてた
Except the little fish
ある小さな魚だけ、
Bumped into me, swear he was trying to talk to me, say “wait, wait”
ぶつかってきて、絶対彼は頑張ってぼくに「待って、待って」と言おうとしてた、

Where is my mind?
ぼくってやつはどこいった?
Where is my mind?
ぼくってやつはどこいった?
Where is my mind?
ぼくってやつはどこいった?
Way out in the water
ぼやけた水の向こう側、
See it swimming
泳いでるのが目に映る

With your feet on the air
足は宙のある方に、
And your head on the ground
頭は底のある方に
Try this trick and spin it, yeah
試しにいっぺんやってみて、廻すんだよ、そう
Your head'll collapse
頭はぐずぐず崩れていき、
If there's nothing in it
中には何にも入ってなくて、
And then you'll ask yourself
結果、自分に問うことになる

Where is my mind?
ぼくってやつはどこいった?
Where is my mind?
ぼくってやつはどこいった?
Where is my mind?
ぼくってやつはどこいった?
Way out in the water
ぼやけた水の向こう側、
See it swimming
泳いでるのが目に映る

With your feet on the air
足は宙のある方に、
And your head on the ground
頭は底のある方に
Try this trick and spin it, yeah
試しにいっぺんやってみて、廻すんだよ、そう

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 あまりにアイコニックな一曲。

 最初のStopは、レコーディング中、うぅう〜というコーラスを録ったときに「マイクの前で普通に発声しているのでは求めているのと音の感じが違う」ということで「ちょっと一旦止めて」と言ったその音声らしい。

 『ファイト・クラブ』の印象があまりに強く、これを聞くと崩れていく高層ビル群が浮かぶが、この歌そのものの舞台設定は歌詞にもある通り海である。ピクシーズのボーカル&ギターで、この歌を書いたブラック・フランシスがカリブ海でスキューバ・ダイビングに参加したとき、小さな魚に追いかけられた体験が元になっているとのこと。
 今回訳すにあたってちゃんと歌詞を読むまで、なんか変性意識の類、ラリったり病んだりしてるその様についての歌なんだと勝手に思ってた。もちろんその側面もあるんだろうが、歌詞はひと通りそのままの意味として取ることも出来る。

 なんで頭が崩れるの?泳いだり潜ったりしてるだけで?という疑問についてもちゃんと答えがある。ダイビングをしている最中、人間は窒素中毒と呼ばれる状態になることがあるのだ。
 ダイバーが背負ってるボンベには僕らが普段吸ってる空気と同じく窒素が含まれているが、水の中に潜り人間に水圧がかかって体内の圧が変化した状態では、地上と同じ圧しかかかってない空気ではちゃんと呼吸が出来ない。正常に呼吸するためにボンベの中の空気は始めからある程度圧が加えられている必要がある。
 このようなボンベの仕組みを発明したことで、人間は水中にそこそこ潜っても呼吸が出来るようになった。がしかし、"Everything’s gonna be fine"とは行かず、加圧された窒素を吸い、それが血液に溶け込み、血中窒素濃度が上がると、人間は酔っ払ったような状態になってしまうのだ。上下がわからなくなったり、奇行に走ったりするらしく、これを窒素酔い、窒素中毒と呼ぶ。

 なので、本当に文字通りダイビングについての歌なのだ。キム・ディールの、うぅう〜、というコーラスも、やはり『ファイト・クラブ』の影響で社会や世界が壊れていく終末を想ってしまうが、元々のイメージとしては水中にてどこか遠くから、不思議な音が聞こえてくる、その感じらしい。
 水中という非日常、異世界にいる中で、窒素酔いで上も下も分からなくなって頭も壊れてきてWhere is my mind?と混乱する中、何故か一匹だけ小さな魚が自分を追っかけてきたら、そりゃあこんな気持ちにもなるだろうなぁという納得感。

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 訳の言い訳コーナー。既にいっぱい訳されてる歌で、mindはこころ、とか意識なのは分かっているがこうしたかった。こころとか意識という言葉は何だか僕がwhere is my mind?という繰り返しのフレーズに感じるぐにゃぐにゃさに対して輪郭がしっかりし過ぎだと感じてしまう。

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 カバーやリミックスもたくさんある。しかし基本的に結局ピクシーズの元のやつの方がいいじゃんとなってしまう。そんな中でも僕が好きなのはこのリミックスである。

9年前にアップされてるのにどういうわけか400も再生されてない。僕のnoteの前のアカウントの記事の方がよっぽどか閲覧されている。何故?これ見よがしな盛り上げもなく引き算で作られていて、浮遊感と閉塞感が混在している。再生が伸びなかったのは、この暗い水中に閉じ込められてるみたいな感じが気が滅入るからだろうか。秀逸な出来だと思うし、何よりここまで来ればちゃんと、元曲から独立して良さがある。他にはそういうリミックスは見つけられなかった。僕の感覚が狂っとるんか?

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