見出し画像

小村雪岱展@清水三年坂美術館

2ヶ月ぶりの更新です。
もう一つの趣味の方が忙しすぎて、中々展覧会にも行けない……いや行かずにいました。
久しぶりに展覧会に行って思った事などを書きます。

小村雪岱展@清水三年坂美術館

小村雪岱の作品をきちんと見たのは、昨年の「あやしい絵展」が初めてだったかと思います。

あやしい絵展のエピローグで小村雪岱の挿絵を多く展示していました。

特に目に止まったのが

「おせん 傘」
「お傳地獄 『刺青』」
「お傳地獄 『川に投げ込まれたお初』」

▲あやしい絵展で購入した「刺青」のクリアファイル


その作品が印象が強く残った為、他の作品も見たいと思い後日「小村雪岱」を検索したところ……
そこで記憶にあった作品「青柳」と繋がりました。


「青柳」

描かれているのは、タイトルになっている青柳

そして青柳の向こうに見えるのは、瓦屋根、青い畳、畳の上にる三味線と鼓が二つぽつねんと置かれた和室


人は1人も居ない


面白いのがその構図
この青柳越しの部屋を一体どこから見ているのか

まるで向かいの棟の二階から見下ろしているような俯瞰した視点に見えます。

青柳越しに見ているせいか、どこか盗み見ているような気持ちになる。

画面はとても静かで美しい日本画を見ているのに、心が掴まれて目が離せない感覚。

小村雪岱の名前はぼんやりとしか覚えていなかったですが、この作品だけはよく覚えていました。


ーー展覧会に戻ってーー

展覧会は作品数自体は少ないですがあやしい絵展」で見た挿絵以外に、日本画、装丁を手掛けた書籍、舞台美術の下絵など

小村雪岱の幅広い活動が伺える作品が並んでいました。

そして・・・やはり私は挿絵が好きです。

小村雪岱の挿絵は心がざわつくような「物語」を強く感じる。


白と黒の二色だけのモノクロームの世界

漫画のようにトーンが貼られているわけではない、単色の世界

大胆な構図、切り取り方、チラ見せ・・・

シンプルで静謐な世界だけど、そこでは「事件」が起こっている。

私は美人画では上村松園や島成園のような丸みのある、もしくは肉付きを感じる美人画が好きなんですが、
雪岱の描く美人はむしろ柳のように細く長く、風や水に流れているような流麗な雰囲気を感じます。

鏑木清方がで鈴木春信の影響を記していて納得をしました。


美しい日本画も、心ざわつく挿絵も、卓越したデザイン力であつらえられた装幀や着物も、舞台美術のセットも・・・・

全て美しく、仕事人の真心を感じました


そういったものは、時代が変わっても人の心を掴んで離さない普遍的な魅力があると思います。



学生の頃は大阪から京都、神戸の美術館に行く事なんて屁でもねえやってくらい体力ありましたが、最近は全然ダメです笑

「京都遠いし人多いやろな〜」と思いながらでも行って本当によかったです


ド観光地

欲しいなと思っていた画集も思い切って購入しました。
次は挿絵をただ見るだけじゃなく、小説を読みながら楽しみたいですね


そうしないといけない気もします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?