「たまたま会えた」が地味に嬉しい。
会いたい人に、たまたまうまいこと会える日ってあるよね。
本日の佐渡は快晴。
温泉まで小木の町の中を歩く、
ジャッ、ジャッと雪かきの音
車内をあっためるためにアイドリングしているエンジンの音
溶けた雪がぱしゃぱしゃアスファルトに落ちる音
タンタン、雨樋の滴がトタン屋根にあたる音
雪の日の静けさとは打って変わって、晴れの日はなんだか賑やかだ。
かもめ荘という温泉に行く。
清掃が終わるまで、薪ストーブの前で絵などを描いて待つ。
地元のおばあちゃんと喋る。
年始の地震による断水でトイレが困ったこと。明日は雨になりそうなこと。
薪をくべにきた温泉の社長さんと喋る。
地震でパイプが壊れて、年末年始で業者はおやすみだし、なかなかないサイズのために修理に時間がかかって、1/15からやっと再開できたこと。
(なんていいタイミングに来たんだろう)
温泉には2回入った。
朝かもめして、また薪ストーブの前で絵を描いて、体が冷えてきたら、昼かもめ。
ここの温泉に来るおばあちゃんたちはみんな気さくに声をかけてくれる。
昼に入った時には、また別の方に
「お姉さん綺麗なひとだねぇ。綺麗なもんみるとホッとする。今日はいい日になったなぁ。」なんて言葉をいただき、まるで仏様にでもなったような気分である。
お昼は宿根木集落にあるフレンチレストラン お料理あなぐち へ。
ラストオーダーに間に合うか心配だったけど、まさかの14時とのこと。
安心して歩いて向かう。
小木の温泉から宿根木までは歩いて1時間。
温泉入って、よく歩いて、これは全部より美味しくごはんを楽しむため。
昼間からフレンチのフルコース、白ワインを2杯もいただく。
お椀のかぼちゃのポタージュに、ほっとする。寒い時期のポタージュってなんでこんなに嬉しいんだろう。オリーブオイルの香りもいい。
前菜のスモークサーモンのキッシュは熱々で湯気とともにバターとチーズの良い香りがたまらない。お酒がすすんでしまいますねぇ!
旨味の強さは既にメイン。
鶏とサザエのガランティーヌ。
ペーストのなめらかさと、ほどよいサザエの歯応え。甘みがあって私好み。
白身魚(タラ、タイ、ヒラメ)のブイヤベースなんて、都会だったら一種類の魚が一切れだけで出てくるんだろうな。
タラはほろほろ、タイはつるっと、ヒラメはトロトロ、食感が違うのも楽しい。
メインのお肉料理のグリルされたお野菜も、少しずついろんな種類が楽しめて嬉しい。
(かぼちゃ、大根、かぶ、菊芋、さつまいも、じゃがいも)
キウイのソースはピンクペッパーと生姜の香りがお肉とよく合っている。
デザートはいちじく入りガトーショコラと、ルレクチェ(洋梨)のコンポート。
ちょうどルレクチェを食べたかったので嬉しい。
店主ご夫妻に近況報告をして、また小木の町に向かって歩く。
行きで歩きたい欲は満たされていたので、帰りはもういいかなと思っていた。
10分ほど歩いたところで、畑帰りの知り合いにばったり。役場まで用があるとのこと、車に乗せてくださり、助かった!
「会えてよかったよ、いつでもいるからね」と束の間の再会を喜んでもらえて嬉しい。
町では大好きな設備屋のお2人(社長さんと事務のお姉さん)のところにお邪魔して、お茶をいただきつつおしゃべり。
たぬき(佐渡ではたぬきのことをムジナ、と呼ぶ)の話
毒まんじゅうで駆除するんだけど、食べたところですぐ死ぬわけではないので、人の家で食べたムジナが自分の家のビニールハウスの温床の横で死んでいて困った。
虎バサミにかかったムジナが、憐れっぽい声と涙流してるような顔で見てくる。
悪いことしてきたから逃してあげられないんだけど、助けてくれって言ってるような顔と声が焼き付いて離れない。
こういう話が聞きたくて、佐渡に来ると必ず寄るお店。
しかもたまたま今日がお姉さんの誕生日だったので、直接お祝いを伝えることもできた!
帰り際、社長さんが「今日は一粒万倍日だ。めぐみさんきたから吉日だよ。嬉しい気分になるから。」と言ってくださり、またしても言葉のギフトをいただいた。
それから友達の家に帰る前に、もう1人お世話になった大好きなおじさんにも会えた。たまたま出先から事務所に帰るところ。
椎茸を育てている、福の神みたいな笑顔のジェントルおじさん。
元気そうでよかった。
友達の家に帰ると、ちょうどもう1人の友人が帰るところで、少しお喋りとハグもできた。
家に上がる前に外でラジオ体操をしてから入った。(こたつに入ると根っこが生えるため)
タイミングの良さが重なって、怖いくらいである。
今日は14人もの大切な人たちに直接会って話すことができた。
嬉しいんだけど、最近は埼玉では家に引きこもっている人間なので、刺激過多な感じもあり。
でも、大好きな人たちの顔を見れてよかった。年始の地震で大変だったようだけど、元気でいてくれてなにより。
こんなに好き勝手に生きていて、再会を喜んでもらえるのはありがたいし、我ながら自分は贅沢なやつだと思う。
ただの、タイミングがよくて、美味しくて、幸せだった自慢でした。
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