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37才子供部屋おばさんが得たものと失ったもの

私は実家を出て暮らしたことがありません。

そのことを恥ずかしいと思ったり、もったいないと思ったことはありますが、今は淡々と「良し悪しあったな」と思います。

子供部屋おばさんとは?
子供部屋おじさん - Wikipedia


子どもの頃から結婚願望を抱けず、また経済的に裕福でない家庭で育ったことから、「経済的に自立し、お金の心配をしないで済む生活がしたい」と強く思ってきました。その結果、自然に実家暮らしを選んでいました。


いい年して実家暮らしなんて!と思うのは自由。
私もそう思いますし。
でも、当事者になってみると、単純に実家暮らし=ラク、以上。というわけにはいかず、またもしラクならラクでそれを利用すれば?とも思います。
なぜなら、人はそれぞれ「持っているもの」が違うと思うからです。

さて、前置きが長くなりましたが、まずは私が子供部屋おばさんとして得たものを書いていきたいと思います。

得たもの① 貯金


実家暮らし=お金が貯まる、は事実です。
無理しなくても貯まります。
おかげで私は30才の時に奨学金を繰り上げ返済することができ、「借金がなくなったからもうちょっと好きな仕事をしよう」と転職することもできました。
若い時に貯金なんてもったいない、使ってなんぼだ、という意見もあると思います。
が、経済的に裕福でない家庭で育った私は、まずお金があるという経験をしてみたかったんです。

得たもの② 人は老いて死ぬという実感


親と暮らし、祖母ともよく連絡を取っていると、老いていく、ということがどういうことなのか、嫌でも目にすることになります。
昨年、祖母がアルツハイマー型認知症と診断されました。認知症が進行し、別人のようになっていく祖母を見るのは辛かったですが、同時に頭のどこかではいつも、いつかは親も自分もこうなるかもしれない、と思っていました。
祖母が元気だった年齢を逆算すると、親が元気でいる時間もそこまで長くないかもしれない。そしてそれは、私が親の介護を気にせず過ごせる時間もそこまで長くない、ということを意味しています。
老いの過程を見せてもらうことで、人生が限られた時間であり、「いつか」はない、ということを改めて実感することができました。

次に、私が子供部屋おばさんとして失ったものついて書いていきたいと思います。

失ったもの① 子離れのタイミング


私の母は、典型的な「子ども命」の母親です。
そして私の記憶を辿る限り、父と仲が良かったことはありません。
幼少期に不幸が多く、また結婚してからも苦労の連続だったので、子どもたち(私と弟)がわりと手がかからず、今も母に優しいことは彼女にとって数少ないギフトなのかもしれません。
私は、「私の人生なんだから、母はどうでもいい」とは思えません。
が、同時に、「母の望む人生を送ろう」とも思えません。
いい感じの親離れなんてありえないのかもしれませんが、私はずっとそれを探り続けています。

失ったもの② 自分のペースで暮らす時間


単純に、お風呂すら好きな時間に入れないのが実家暮らしです。
何かを頼まれたり、呼ばれたり。
時には親の機嫌に左右されたり。
お互い様ですが、それが日常です。
時々、出張や旅行でひとりで宿泊すると、夕食~寝るまで全く自分のペースで過ごせるので、これぞ非日常の極みだな、と思います。


以上です。

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