見出し画像

【安曇野から発信する潤一博士の目】9~メタセコイア:生きていた化石

スギ科メタセコイア属

   大阪市立大学の三木茂博士は、日本各地でセコイア(北米に自生する大木)と記載されている植物化石の中に、セコイアとは異なる特徴をもつ化石があることをつきとめ、これに、1941年、メタセコイアという新しい学名を与えた。
 ところが1945年に、中国四川省で化石でしか知られていなかった、生きているメタセコイアが発見され、世界をおどろかせた。

四川省で発見された、現生メタセコイアのスケッチ(1946年)
(三木茂 1953年)

メタセコイアの苗木100本日本へ 
 現生メタセコイアを研究したアメリカのチェニー博士は、1950年、実生から育てたメタセコイアの苗木100本を、三木博士に敬意を込めて、日本へ寄贈した。これが各地で育てられた。メタセコイアは挿木(さしき)で増やせる。

大杭の千曲川河床
メタセコイアの樹幹化石(ハンマーの長さが70cm、幹の直径は2mをこえる)
メタセコイアの小葉は対生(セコイアは互生)
三木茂(1953年)
↑対生            ↑互生            ↑互生

(地質学者・理学博士 酒井 潤一)


最後までお読みいただきありがとうございます。 当館“絵本美術館 森のおうち”は、「児童文化の世界を通じて多くの人々と心豊かに集いあい、交流しあい、未来に私たちの夢をつないでゆきたい」という願いで開館をしております。 これからも、どうぞよろしくおねがいいたします。