【安曇野から発信する潤一博士の目】26~足跡も化石になる~
冬、雪の上に、動物や小鳥の足跡を、よく見かけます。これらは、雪がとければ、跡かたもなく、無くなってしまいます。
ところが、何万年も昔の地層の中には、動物や、まれにはヒトの足跡が残されていることがあります。これらは立派な化石です。湿地の沼などの上を歩いた足跡が、保存されたものです。アフリカ、タンザニアのラエトリという所では、なんと260万年も昔の人類(猿人、アウストラロピテクス・アファーレンシス)の親子が歩いた跡(行跡)が発見されています。
今年3月に予定されている第23次野尻湖発掘でも、ヒトの足跡発見を目ざしています。足跡化石はヒトの存在を示す“動かぬ証拠”となるからです。
(地質学者・理学博士 酒井 潤一)
現在、絵本美術館森のおうちでは、雪のうえについた跡をたどって「ながれぼし」を見つけにいく、動物たちのおはなし『ほしをさがしに』(しもかわらゆみ)など、やさしい気持ちになれる絵本原画展を開催中です。
最後までお読みいただきありがとうございます。 当館“絵本美術館 森のおうち”は、「児童文化の世界を通じて多くの人々と心豊かに集いあい、交流しあい、未来に私たちの夢をつないでゆきたい」という願いで開館をしております。 これからも、どうぞよろしくおねがいいたします。