島日記 タイトルで借りた本
夕焼け小焼けの赤とんぼ
おわれて見たのは いつの日か
原付で隣の集落まで走れば、海に沈む壮大な夕日が見られるスポットがある。
けれども家の近くから見える飾らない夕焼けが好きである。
赤とんぼも飛んでいて鐘が聞こえてきそうな、そんなたそがれの夕焼けが。
朝はどこからくるかしら
あの空越えて 雲越えて
光の国からくるかしら
この後、「いえいえそうではありませぬ」となり、「それは希望の家庭から」来るという一昔前のフレーズが続く。
古い童謡で知る人も少ないだろうが、朝焼けを見ていると口ずさみたくなる懐かしさがある。
今日も図書室で借りた本のことを書く。
タイトル借りである。
ジャケ借りというのだろう。
「澪つくし料理帖」高田郁氏の短編集「駅の名は夜明」
実家からさほど遠くない所に「夜明駅」がある。
大分の日田市に行く途中にあり、ダムや河原もある、霧に覆われる山あいの駅だ。
その駅の話かもしれないと思った。
やはりそうだった。
妻の介護に疲れて、車椅子の妻とともに死場所を求めて旅に出る。
東京駅から小倉まで夜行列車、そして沿線の列車に乗り、ここら辺でと降りた駅の名を見て、「おうちに帰ろう、ふたりで」「うん……うん」となる短編である。
予想通りのの筋書きであるが、ご当地ソングならぬ、ご当地小説として手に取りたくなる。
夜明けは大分県だが、福岡県出身は郷土愛がとても高いと言われる。
そう言われればそうかもしれないと思う。
夜明け駅から日田彦山線に乗り、英彦山に登ったことが思い出される。
2017年の九州北部豪雨により被災したが復旧しただろうか。
今日もお付き合いくださってありがとうございます。
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