島日記 雨上がりの朝に
未明に激しい雨が降っていた。
それでも朝焼けが見えたので外へ出てみる。
鳥が一羽飛んでいき、蝉はまだ準備中。
いつもは庭から見るだけで気づかないが、道路まで出ると空全体に薄いピンクが散らばっている。
また台風の影響かと、憂鬱な気分が消え雨上がりを撮ってまわった。
湿った空気といってもまとわりつくのでなく、染み入るような水蒸気加減である。
無防備に出たので蚊に刺され、痒くてたまらない。
今年の夏は家に籠る日が多かったので蚊の被害は少なかったが、涼しくなると外に出るだけで刺されそうだ。
嫌いな虫は蚊、蟻、怖いのは蜂である。
皆、刺してくるから。
蜘蛛や百足は怖くない。
惜しまれて亡くなられた杉浦日向子の「お江戸風流さんぽ道」を読んでいる。
時計のない時代、日の出、日の入りに合わせたゆるい生活に憧れる。
タイムスリップするならば、断然、江戸時代中期の長屋がいい。
武家屋敷ではなく長屋生活。
少しうるさそうだが、誰もがその日暮らしで自由気ままに過ごしているように思える。
江戸っ子の庶民の食事は、ほとんど米で大人は一日二食で、平均五合食べたという。
「雨ニモマケズ」は玄米4合で驚くがそれ以上である。
塩より辛いタクアンを数切れ、醤油より辛い佃煮、煮豆がお菜(おかず)。
たまに食べるご馳走を「料理」という。
イベント、行事の時に食べたり、料理屋で食べるものだ。
食生活はちょっと考えものだが、「仕立物うけたまわり〼」なんて小さな札が風に揺れ、朝顔の鉢が軒下にあるような生活をしばし思い浮かべた。
呑気なものである。
今日もお付き合いくださってありがとうございます。
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