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月のうさぎ
目が悪いから肉眼で月のうさぎを見たことはない。
が、うさぎが餅つきをしていると思い眺めている。
クレーターや海を想像しては見ない。
月にうさぎがいるというのは、日本では今昔物語から広まったようだ。
インドでは紀元前の、仏教思想ジャータカ(本生譚)に由来しているという。
今昔物語は「今は昔、天竺に兎、狐、猿、三の獣ありて、共に誠の心をおこして菩薩の道を行ひけり」ではじまる。
空腹で弱っている旅の老人に、木の実や魚を採ってくるが、兎は何も採れなかった。
どうぞ、この身を食べてほしいと焚き火の中に飛び込む。
すると老人は帝釈天に変わり、兎を月によみがえらせる。
「まんが日本昔ばなし」でも観た。
子どもたちより愉しみにしていた番組である。
だが、「うさぎと亀」の話では、うさぎは慢心する愚かものだ。
「かちかち山」や「因幡の白うさぎ」では冷酷な知恵者という感じがする。
同じうさぎでも物語によって描かれかたが違っている。
太宰治の「かちかち山」では、うさぎは美少女だ。
「惚れたが悪いか」と言って沈んでいくたぬきが、可笑しく哀しい。
その話が妙に残っていて、うさぎのイメージが一定しない。
人と同じように、うさぎもいろんなうさぎがいる、我が身を犠牲にするうさぎもいるのだ。
うさぎは逃げるのが早いので、脱兎の如くという言葉もある。
孫子の兵法の「始めは処女のごとく、あとは脱兎の如く」からきている。
最初は弱々しく見せて油断させ、素早く攻撃せよという意味だ。
今年の中秋の名月は10日だ。
さて身を犠牲にしたうさぎが、餅つきをしている姿が見れるだろうか。
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今日の賄い弁当はたまご丼だ。
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今日から暦は白露、朝夕が冷え込んできている、季節の変わりめだ。
皆さま体調に気をつけられますように。
今日も読んでくださってありがとうございます。
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