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ホトトギスいろいろ

今年はホトトギスの声を、初音(ハツネ)をまだ聞かない。
6月頃、「トツキョキョカキョク」と鳴く声にニヤリとするのだが。
あるいは、私が聞いていないだけかもしれない。

「テッペンカケタカ」とも聞こえる。
刷り込まれているのでそう聞こえるが、まっさらの状態で聞いたらどんなふうに聞こえるのだろうか。
もう戻れないが。
島では「トビウオトレタカ」と鳴くそうだ。

鳴き声だけでなく、ホトトギスは文学でも、もてはやされている。
時鳥、子規、杜鵑など漢字、当て字も多い。
冬は雪、春は花、秋は月、夏はホトトギスという。
正岡子規の名前もホトトギスだし、高浜虚子は「ホトトギス」という雑誌を運営する。

「不如帰」は徳冨蘆花の小説だ。
帰りたいという意味で、ベストセラーとなった大衆小説である。
「小説に涙を落とす火鉢かな」高浜虚子

植物にもホトトギスがある。
日本では10種類ほどあるようだ。

梅雨の朝まだら模様を待ちわびて
茶花図譜より

写真は普通のホトトギスだが、四国に自生するジョウロウホトトギスが見てみたい。
ナルコユリのようだが、中は同じく赤い斑点があるようだ。

ジョウロウホトトギス 山渓日本の野草から

鳥の話に戻ろう。
ホトトギスは托卵といって、他の鳥(主にウグイス)の巣にじぶんの卵を入れて育てさせるのだ。
育児放棄だ。
入れるだけならまだしも、ウグイスの卵を落としたり食べたりするというのだ。
まことにけしからん習性である。

カッコウだけかと思っていたが、カッコウ科の鳥はその習性があるらしい。
ウグイスも気づけば負けていないというが。

それからホトトギスは戦国武将の性格をたとえた句があるのは有名だ。
信長 鳴かぬなら殺してしまえ時鳥
秀吉 鳴かずともなかして見せふ時鳥
家康 鳴かぬならなくまで待たふ時鳥

各々の詠んでいる情景が浮かぶ。
本人が詠んでいる訳ではないが、イメージがピッタリだ。
一度聞けば忘れられない面白い俳句だ。

一気に書いてしまった。
ホトトギスの声が聞けたら書こうと思っていたのでホッとした。
まだ聞いていないのだけれども。

朝から大変な暑さだ。
昨日の続きの草取りはもう挫折した。
小さいながら島とうがらし(沖縄産)がふたつできていた。
いつも失敗するので今年こそ大きくなあれ。


今日も読んでくださってありがとうございます。


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