島日記 季節外れ
季節外れの暖かさが続き、南のほうでは夏日になったところもあったようだ。
昨日から冬らしい寒気が戻ってきた。
ハーブ園でネムノキの花が咲いているのを見つける。
ネムノキは夏の花である。
庭木のようだが、大分の耶馬溪で自然に群集しているのを見たことがある。
夜には葉が眠るように閉じてしまうし、ふあふあして奥ゆかしい花が咲く。
長く伸びているのはおしべらしい。
草花や花木は盛りでない時期に花が咲くことがある。
ホルモンや台風、気温などの影響で、咲く時期を間違えてしまうようだ。
島でもよく見かける。
季節外れは、狂い咲きなる言葉もあるがこれはあまり使いたくない。
狂っているわけではなく、返って気温のまま咲くまじめな花だから。
徒花(あだばな)という言葉もある。
ちょっと色っぽい気がするが、そうではなく、実を結ばぬ、咲いてもすぐ散る無駄な、虚しい花をいう。
そのことから、時代の徒花のように例えることが多い。
どちらにしても私は季節外れの花を見るのは好きだ。
こんな時期にといとおしくなるし、まさか今頃見られるなんてと、嬉しくなる。
満開の時に咲くより間違えて咲く、どこかはかない、それでも凛としている季節外れの花を。
園にはコデマリも咲いていた。
きっとこの暖かさにびっくりして咲いたのだろう。
島に来た時は季節外れに咲いていると思った花が、そうではなく普通なのだと知った花たちが多くある。
今は馴染みになったが、思い込みが外れるのは愉しいことである。
今日もお付き合いありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?