島日記 晩夏は続く
虫の声に変わったと思っていたら、またツクツクホウシが復活した。
行きつ戻りつで季節は変わっていくのだろう。
ススキの穂はまだ出ていない、ジリジリ照りつける日差しは健在だ。
クズ(葛)の花は咲き出してきた。
島の秋は短い。
しみじみとした秋を感じるのは寒くなる直前頃。
それまでは晩夏が続く。
秋の七草の中で見つけられる草花は、ススキ、ハギ、クズぐらいだ。
ナデシコ、キキョウは園芸種。
オミナエシ、フジバカマに至っては見たこともない。
ススキとハギは繁殖力が強すぎる。
庭は定期的に刈らないとススキが原になりそうだし、小家屋はハギの蔓で覆いつくされてしまいそうだ。
紅葉も、奥岳に登らないと見られない。
里の紅葉は真冬にハゼが色づく程度。
山もナナカマドの赤とコウチワカエデの黄ぐらいで、常緑樹のの多い中ではとても地味な紅葉だ。
本州の錦綾なす原色のけしきは目を見張る。
しかし、緑の中にうっすらとある赤や黄色は渋くて思ったよりも美しい。
上品な山の装いである。
特に、葉の落ちたヒメシャラの木は、樹肌のオレンジ色が濃くなり、光にあたるとなんともいえない姿になる。
それから、大木に着生した木の紅葉も他では見られないかもしれない。
そんな景色を見たのはもうずっと以前のことになる。
山に登らなくなって久しい。
今日の日記は、何も考えずに書き出した。
おもむくままに書いてきたのでタイトルも決めていない。
タイトルを決めるのはなかなか難しい。
つれずれなるままにの場合はなおさらである。
今日もお付き合いくださってありがとうございます。
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